防犯灯電気料裁判 かかった税金は?

市の裁判費用は税金 128万円

茅ヶ崎市が二つの自治会を訴えて、市が全面的に敗訴した防犯灯電気料裁判。

この裁判にかかった、行政側の費用(税金)は、約128万円。

①弁護士費用として 合計 120万2000円(税込)
(内訳は、着手金 43万2000円 報酬 77万円)

報酬は基本が40万円で、今回は裁判の期間が3年と長かったため、プラス30万円 の報酬になっている。

②裁判所の手数料など 8万2480円

一方で、市に訴えられた自治会側は、弁護士費用など約240万円を自腹で負担する。 

議会は、賛成17、反対7で裁判を可決

ところで、防犯灯電気料金の裁判を起こすという議案が市議会にかかったのは、平成31年3月議会だった。

下記の表は、当時の「市議会だより」に掲載された各議員の議決。

訴えの提起について(議案 第27号)は、本会議で、反対7、賛成17で可決された。 

表を見ると、当時、在籍していた議員の人数は、28名のうち26名。

永田議員は県議会選挙に出馬するために、議決を取る1週間前に辞職、松島議員は介護などの事情のために辞職している。

白川議員は議長のため採決に加わらず、小磯議員は、団地の運営委員として利害関係者に当たるおそれがあるため退席した。

裁判を起こす議案に賛成したのは、水島、柾木、岩田、広瀬、小島、岡崎、小川、水本、滝口、山崎、菊池、岸、加藤、青木、山田、伊藤、須賀議員の17名。

裁判を起こす議案に反対したのは、藤村、中野、沼上、和田、豊嶋、新倉、花田議員の7名。

(私、杉本けいこは議員になる前なので、裁決には参加していない。裁決に加わっていたなら議案には反対。)



2019年4月30日 市議会だより

お金を返還するか、裁判か

平成28年4月、団地の定期総会に出席した市議2名(永田議員、白川議員)が、市の安全対策課に「防犯灯負担金が電気料金に充てられていない」と情報提供した。

その数日後の平成28年4月28日から、訴訟手続きを進めるとした平成30年12月25日までの市長・副市長の協議記録がある。

市は「協議が平行線だった」という言い方をするが、協議書を見るかぎり、市は一貫して、「お金を返還するか、さもなくば裁判」という選択を自治会に迫っている。

1800万円を支払うか、裁判かどちらかを選べというのでは、自治会側との「話し合い」と呼べるのだろうか。 

さかのぼれば、団地が住宅公団だった時代には、公団は市から電気料金を受け取れないので、市の方針で、公団の代わりに自治会にお金を渡していた。
自治会は特に市から条件をつけられることもなかったし、約50年間、市議2名が報告するまで、市の担当者も市議会も、それで構わないと認めてきた。

他市では、支払いの合理的なやり方に切り替えた前例はあるが、そういったことも市はやっていない。

何度読んでも奇妙な言い訳


「市の主張は認められなかったが、裁判所の判断を前提に考えれば、市が防犯灯電気料金として両自治会に支払ってきた補助金は、防犯灯電気料の支払いに充てられていたとみなすことができる。すると、協定違反の事実はなく、本市として両自治会に補助金の返還を求める必要性がないので、控訴する必要はないと判断した。」


記者発表資料に書かれている、市が控訴しない理由は、何度読んでも意味が分からない。

市は一貫して、「お金を返還するか、さもなくば裁判」という選択を自治会に迫った。だとすれば、何を証拠にして市はお金の返還を迫っていたのだろうか?

市はかなり前の文書は破棄しているので、文書もないし、当時を証言できる職員はいるのだろうか。市も経過がよく分かっていない。

裁判所の判決にあるように、「明確な証拠がない」のに、市はお金の返還を迫っていたことになる。 

裁判の争点は、市の「負担付贈与契約なのでお金を返還せよ」という主張が成立するかどうかだった。

自治会は受け取った負担金(交付金)を URや住民に渡すべきという市の主張は、協定書には書いてないし、相方の合意もない。

市の主張が成立するには、

①茅ヶ崎市から「市が主張する渡し方をするように」という自治会への申し込み
②それに対する自治会の承諾 

が必要だが、そういった市からの負担内容の申し込みもないし(つまり証拠がない)、自治会は申し込まれていないのだから当然に承諾もない。裁判では「明示的、黙示的にも証拠がない」としている。
 
全国的に、役所相手に裁判で勝つのはむずかしいなかで、市の主張は何ひとつ認められないという全面的な敗訴。

市は証拠もないのでは、控訴の余地がないのは明らかなのに、意味の分からない理屈を言っているようにしか思えない。


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