「市民ギャラリー廃止案、防犯灯電気料裁判など」ちがさきレポート vol. 10 ④

✴️「市民ギャラリー廃止」はあまりに強引 

 令和4年2月、議会の全員協議会で、市民ギャラリー、駅前市民窓口センター、萩園市民窓口セ ンターの廃止についての案件が出されました。

特に、市民ギャラリーを利用する団体や市民の意見は、まったく聞いていない状態での唐突とも言える提案で、議員からも、ギャラリー閉鎖はあまりにも強引で短絡的、という意見が相次ぎました。

それにたいして行政側は、ただ「廃止の強い意思を持っている」と繰り返す回答に終始し、パブリッ クコメントなどの民意も、市は最初から受け止める姿勢がない回答にも驚きました。



アトリエとして他市にない機能を誇る「市民ギャラリー」

廃止の理由の不明確さ

 廃止の理由として、市はギャラリー利用率の低下をあげていますが、「文化会館展示室の利用率が伸びていないから、市民ギャラリー利用者を文化会館に集約する」と言っています。

さらに、アトリエ機能の代替えとして市が示した美術館、青少年会館、うみかぜテラスは、市民ギャラリーと同等の機能は持たず、代替えはほぼ不可能です。

私自身、美大の油絵科だったので、アトリエ機能として何が必要で、どの程度の広さが必要なのか、また画材を運ぶ大変さなど、経験的に、感覚的に分かります。

市民ギャラリーは、近隣市でも類を見ない機能を持つ価値あるスペースです。
また、駅前という利便性から、高齢の利用者の方には移動の負担が少なく、市外からも人を呼べるなど、展示室、アトリエ、会議室として、市民が利用している魅力あるスペースです。

すでに市民からはギャラリー存続を願う署名や、9月議会には陳情も出され、パブリックコメントでは廃止に反対する意見が相次ぎました。

市は「今後のあり方を検討する」として、ギャラリー廃止案 を一時的に延期しています。 しかし、私も9月議会で一般質問しましたが、市は「パブリックコメントの意見を踏まえて、今後、 既存施設を有効に活用するなど、柔軟な対応を検討していく」という回答に終始していて、「市とし ては廃止して民間に貸付ける。」という姿勢を変えていると思えません。

パブリックコメントに出してきた市の前提には、誤った認識や矛盾があること、文化の視点からどう 考えるのか、さらに民意を受け止める姿勢は市にあるのか? 多くの疑問が市に寄せられています。

 
   おかしいよね〜
 市民ギャラリーには人件費など管理経費が570万円 かかるので、市は財政負担とし ています。
一方で、まちぢから協議会連絡会の事務員1名だけの人件費に 500万円 以上を補助しています。
また、うみかぜテラスは非正規職員9名にプラスして、市の正規職員4名と、再任用職員2名も人件費をかけています。いったい見直しの基準を市はどこに置いているのか理解しがたいですね。


pinkgreen58.hatenablog.jp

✴️防犯灯電気料金裁判 市の主張に「証拠がない」という判決

 令和4年4月、茅ヶ崎市が2つの団地自治会 に交付した防犯灯の電気料金を、自治会が電気料金に充てていなかったとして、市が両自治会に約1900万円の返還を求めた訴訟の判決が横浜地裁でありました。

裁判所の判決は、

「原告(茅ヶ崎市)の請求をいずれも棄却する」

と、茅ヶ崎市側の主張をバッサリと棄却した判 決でした。

市が市民を訴える異例の裁判は、 茅ヶ崎市の請求はいっさい認めない、市の全面的な敗訴となりました。

判決では「市主張の負担内容の申し込みも、これに対する自治会の承諾の意思表示についても、明示的にも黙示的にも認めるに足りる証拠はないので、市の主張は認められない。」としています。

つまり、市は自らの主張を裏付ける証拠を、書類としても、職員の証言としても出すことができなかった、それが裁判で明らかになりました。(裁判前に、職員に事実関係を確認したヒアリング記録さえない。)

市は最初から証拠を持たないのに、両自治会に、お金を返すか、さもなくば裁判だと迫って、裁判を起したことになります。

議会もまた、証拠の確認や検証もせずに、裁判を起すという議決をしたことになります。

今回、裁判所の判断は、ほとんどが自治会側の主張と同じでした。一方で、市は証拠も出せず、 判決まで3年も市民を被告にして、弁護士費用など市は税金でも、市民側は250万円の自腹です。

行政が話し合いで解決しようとしなかったとき、議会が的確にチェックをして状況判断していれば 裁判は回避できたはずで、議会の責任も行政と同様に重いと感じています。



横浜地裁

✴️「粗大ごみ処理施設」の入札は中止延期に
 施設の老朽化のため、環境事業センター内に「粗大ごみ処理施設」の建て替えが行われます。

設計・ 建設費用と20年間の運営・維持管理費として110億円 ほどの大型入札(総合評価一般競争入札)が7月に予定されていましたが、入札参加表明者から入札辞退届があったことから、入札の中止となりました。

入札辞退の理由は、建設資材の高騰で建設費が予算を超えてしまうため、とのこと。再入札に向 けて、市は建設費に上乗せする補正予算を12月議会に出す予定です。

昨今の物価高騰はあるとしても、市民生活も値上げが相次ぎ先行きの見通せないなかにいます。 ごみの有料化による収入は、「粗大ごみ処理施設」の建設費にも投入されるのですから、市民への納得のいく説明が必要になります。

なお、建設地の地中からは、市が昭和の頃に埋めた廃棄物が大量に出て来たため、処理費用として5億円がすでに追加投入となっています。

東横イン建設現場からガレキ 処理費用 5,000万円

 市の仮設庁舎跡地を年間3000万円で東横インに貸す定期借地権の契約が結ばれ、現在、東横 イン(ホテル)を建設中です。

その基礎工事で地中からコンクリート塊、松くいなどが出てきました。 昭和30年ごろ建設された市立病院の残存物と想定されています。

東横インとの契約書では「予期できない範囲の処分費用」は、土地所有者である市が負担するため、 ガレキ撤去の見積額5000万円に対し、市の負担として 4760万円を支出します。

建設工事中に地中からガレキやアスベスト、ごみ等が出て来たのは、歴史文化交流館(博物館)、 粗大ごみ処理施設、漁港の駐車場、東横インと4連続になり、市が負担する処理費用のトータル は 7億5000万円にのぼってます。
 

茅ヶ崎のみどりや景観への指摘
相変わらず市からの情報が少ない茅ヶ崎市です。

大切なのは、すべて決まってからの事後報告でなく、はやい段階から市民に伝えること。 主役は市民なのですから。

現状のあれこれを集めてみたら増ページのレポートになりました。
最近、若い世代の方からも、
• 茅ヶ崎市は、市民や自治会に依存する政策から抜け出してほしい
• まちが汚ない、身近に子供を遊ばせる公園がない
 

という意見を多く聞きます。

ごみの有料化や駐車場の有料化が実施されても、市民に何がどう還元されているのか不明、市は景観や緑に気を使わなすぎる、といった声も当然かと思います。
特に、 茅ヶ崎の「まちや景観が汚い」という指摘。
リラックスした街の雰囲気は良いのだけど、それがごみの不法投棄や放置につながり、景観規制のゆるさ、緑を大切に思わない政策で、センスも治安も失うまちづくりへ向かっている、 そういった解決も自治会などに頼り過ぎだと感じる市民が増えているのです。

少しずつだとしても、情報を出すことで市民の方と意見のキャッチボールやラリーができるようになった実感はあります。

これからも自分らしいフットワークで、市に打ち込むべきボールは打ち込んでいきますので、応援お願いします!



ちがさきレポートは、 私も自分の足で歩いてポスティングしてお届けしています。もう何万枚にもなったかな。 見かけたらお気軽に 声をかけてくださいね!

茅ヶ崎市議会議員(無所属) 杉本けいこ
メール nicky7@nifty.com


杉本けいこ プロフィール
1959 年生、松浪小、松浪中学校 卒業  県立鎌倉高校(転勤で福岡市 筑紫女学園卒)武蔵野美術大学 造形学部油絵科 卒業
平成31年 財政運営の転換、行政チェック、情報をお 伝えすることを公約に、
市議会議員に初当選。
どの政党にも属さない無所属で活動しています。
テニス歴 41 年
ちがさき市民オンブズマンを設立(代表理事)