3月議会の討論 「増える借金返済、失うみどり」

借金の返済額はこれから増えていく

令和2年度の予算審議は、世界的なコロナウィルスの感染拡大という異例の事態のなかでの開催となった。

すでに、財政への影響が懸念され、次年度以降の市税の減収がどうなるのかといった先行きも頭をよぎる。 

まさかの災害や予想外の事態に備えるための「財政調整基金」だが、茅ヶ崎市では取り崩しを行い、前年より8億2千万円の増となる16億円が繰り入れ金になっている。

また市債の償還金(借金を返済するために使う市税)は、利子を含めて49億円が予算計上されているが、今後も借金の返済額は増えていく見通しで、さらに厳しい市の財政がこの先も続く。

地方自治法(第2条第14項)では、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」という大原則が定められている。 

「住民の福祉を増進する」ことは、行政の第一の目的であり、税金によって運営されるものである以上、常に市政の仕事は能率的で効率的に行わねばならないと定められている。

今のような想定外のときほど、茅ヶ崎市民を幸せにするために、「最小の経費で最大の効果を挙げる」ことが求められる。効果を挙げられないのであれば早急な見直しが必要で、見直しができないのなら市民の理解は得られない年度となっていく。


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個人を尊重する防災対策へ

令和2年度の一般会計予算として、防災対策については、

「災害は、想定外だから災害なんだ」という、現場で災害に直面する消防の言葉は重い。

防災リーダーやまちぢから協議会との連携も大切だが、市民は、多様性のなかで生きる一人一人の個人。

地域に漠然と形式的な訓練を投げるのでなく、市民一人一人の状況に応じた行動計画、タイムラインの作成がまず必要になる。 

そういった一人一人の行動計画が、公助支援につながっていく、そして高齢者、障がい者、乳児など災害弱者への備えにつながっていく、そういった視点の切り替え、ベクトルの切り替えを災害対策に望む。

みどりへの対策は、市の大きなウィークポイント

環境、みどり、公園については、

今や茅ヶ崎市では、みどりや公園の保全や維持管理が市の大きなウィークポイントになっている。

環境基本計画、みどりの基本計画はあっても、庁内で担当課が3つに縦割されているために、最小の経費で最大の効果があがっているのか検証も定かでない。

庁内連携で解決できなかった結果が、今のみどりの現状(惨状)に現れている。

都市マスタープランのヒアリング結果でも、茅ヶ崎市へ転入した方は、「子どもを遊ばせる公園の不足」をイメージとのギャップにあげている。 

まちぢから協議会の半数以上からは、「公園、オープンスペース、みどりの空間の確保が足りていない」と指摘されている。

バリアフリーに配慮した、乳幼児や高齢者、障がいを持つ方などが安全に快適に過ごせる「インクルーシブ公園」の実施まで踏み込む時代。

茅ヶ崎市は大幅に遅れを取っている現状の改善をまず早急に求める。

提案型民間活用制度による公園緑地の管理は、令和2年度予算は5500万円で、3年間で1億6千万円。

しかし、どの公園をカバーしている予算なのかも定かでない契約書で、事業者のスキルも含めて見直しを求める。

また、「茅ヶ崎市緑のまちづくり基金」については、現在わずか4億あまりが残っているだけ。

街中にわずかに残る貴重なみどりは、クラスターを止める働きがあり、また、次世代に残さねばならない大切な自然環境もある。

そういったみどりを残していくための「緑のまちづくり基金」だが、今回の積み立て金約89万円では十分でなく、今後増やしていくことを要望する。

同時に、基金を何に使うのかという運用ガイドラインは、いまだ正式に作られていない。その時々の状況によって変わり、その結果、特に緊急な緑地の買い取りの必要が生じた時に、議会や審議会にも諮らずに市民にとっての大切な緑地が失われていく状況がここ数年発生している。

市民が納得できる「緑のまちづくり基金」の運用ガイドラインを提示するよう求める。

「市民の知る権利」公文書管理条例

道の駅整備事業について ⇒ 防災拠点としての活用策を検討するほか、市の財政に影響を与えない健全な運営方式の選択と、早い段階での市民への説明を行うよう求める。

茅ヶ崎市立病院の病院事業会計予算について ⇒ すでに高額な医薬品1億5千万円が補正予算で計上されているが、令和2年度予算でも薬品費、診療材料費の購入費が依然として高額である。

こういった投資が見込んだ収益に結びつくのか、また、救急患者の受け入れ強化によって収入が増えるかなど、リバイバル・ロードマップの進捗状況については、ポイントを絞った分かりやすい資料によって、市民へ広くタイムリーな報告を行うよう求める。

議案第12号 茅ヶ崎市公文書管理条例は、市民の知る権利を保障することを目的としている。

今後のガイドラインや規則の作成、職員の研修計画の作成にあたっては、「議会に報告すれば市民にも情報提供している」という姿勢でなく、市民が納得できる形で情報を適時公開し、意見を取り入れていくことを要望する。  

以上