9/29 一般質問「事業者ごみの処理責任について」

茅ヶ崎駅周辺、一部の事業者のごみ出しマナーの悪さと、その後始末に振り回されてしまう自治会住民。

市の早急な対応と、解決策を求めて質問した。



事業ごみ、後始末は事業者の責任(当たり前だが...)

◆杉本啓子 議員
 市のホームページでは、事業系のごみは、業者に委託するか、環境事業センターに自分で持ち込むか、2つの方法で、事業者の責任により処理してくださいとある。例外的に、地域のごみ集積場所に少量なら出せるが、いずれの出し方にしても、事業系ごみを適切な方法でごみ出しして、後始末まで責任を持って行うのは誰なのか、まず確認する。自分の出したごみは、あくまで自分で責任を持つ、あまりに当たり前の回答になると思うが確認する。

◎佐藤光 市長  
 事業系ごみの処理責任についてお答えする。
 本市においては、自治会や利用者の方々に、ごみ集積場所の維持管理をお願いしているが、ごみ出しについては、地域の集積場所にごみを出すところまでは、ごみの種類にかかわらず、ごみを出す方の責任においてなされる。

◆杉本啓子 議員
 事業系ごみの後始末まで責任を持って行うのは「個々の事業者」ということは確認した。
 ごみ集積所の設置場所については、「市側で一方的に場所を決めてしまうと、地域の意見が反映されないので、自治会を中心として、実情にマッチした場所を決定していただいている」というのが市の回答になっている。しかし、問題は、自治会が設置した「ごみネット」に適切でない方法で出される事業者ごみや、ごみネットに投げ込まれる瓶、缶、プラなど違反ごみの多さ。そして、そういったごみネットの設置者である自治会に対して、「ごみの後始末を協力いただいている」という考え方が市にある。そのために、自治会の住民が協力という名の下に、不法な事業者ごみなどの後始末までやっている。しかし、事業ごみ後始末まで責任を持って行うのはあくまで個々の事業者、と確認した。
 
 自治会はごみネットの場所を決めて、保管などはするとしても、そこに事業者が出す不適切なごみ、勝手に捨てられ、投げ込まれて回収されずに放置されるごみの後始末まで、自治会住民が受け持つ責任はない。あくまで自分のごみは自分で処理するのが当たり前。自治会は、ごみネットに適切に出されない事業ごみなどを後始末する責任があるのか、ないのか、誰が後始末の責任者なのか、そこをはっきりさせたいので、責任の所在を質問する。

◎重田康志 環境部長  
 ごみ集積場所に不適正に出されたごみの後始末については、地域の皆様が大変苦慮されているということは重々承知している。1問目に市長より答弁したとおり、ごみ出しについては、おのおのの責任において行うものであり、不適正排出物については、当然、排出者に正しく出し直す責任がある。
 


駅前のごみネットには、違法なごみが投げ込まれている

事業者のごみマナーが悪いことへの対処策について

◆2番(杉本啓子 議員) 
 2点目に、事業者が自治会の集積所を利用するマナーの悪さと、市の対処責任について伺っていく。
 市のホームページを見ると、事業者が、自治会が設置した家庭用ごみの集積場所を利用することは、法の趣旨に反することや、地域とのトラブルの原因にもなるため、事業系の一般廃棄物は業者に委託する、市の処理施設へ直接持ち込むとしている。
 その一方で、市は例外として、条件次第で自治会の集積所に出してよいというルールをつくっている。その条件は、自治会の承諾を得ること、緑色の事業者用のごみ袋を使用すること、1回について40リッター以下であることとしている。
 ところが、そうは簡単に事は運ばない。自治会の許可を取らないで捨てたり、緑色の袋(事業者用の有料袋)は使わないで、黄色や白の袋で捨てる。ごみ回収車に回収されずに放置される違反ごみが悪臭を放つ、耐え切れずに後始末に回るのは常に自治会などの住民になる。こういった現実の状況を市はどう考えているのかをまず伺う。
 
◎佐藤光 市長  
 ごみの収集時に不適正排出を確認した場合には、排出物を残置するとともに、啓発シールを貼ることで改善を促している。それでも改善が認められない場合には、チラシ等の配布や看板の設置、また、悪臭を発生しているようなものについては、一旦回収するなど、ごみ集積場所の維持管理を行っている地域の自治会や利用者と連携しながら、それぞれの状況に応じた策を講じている。
 日頃より自治会の環境指導員や利用者の皆様に不適正排出物の後始末をしていただいていることは重々承知しており、深く感謝しているが、今後も引き続き皆様と協働し、不適正排出がなくなるよう改善に努めていく。


◆杉本啓子 議員
 事業者のごみマナーが悪いことへの対処策について、さらに質問する。
 事業者が地域のごみ集積所を利用することは法の趣旨に反するが、自治会の承認があれば、地域のごみ集積所に事業者も捨ててよいというルールをつくったのは市だが、しかし、現実はそれが事業者に抜け道を与えている。
もちろんルールを守っている事業者もいるが、市のルールを抜け道として使って、ごみ集積所に不適切に勝手に捨てる事業者には、自治会では対応できない。とっくに限界を超えている。先ほど答弁にあったように、事業ごみの責任者はあくまで事業者。市のつくったルールを抜け道として使う事業者には、市が責任を持って、きっちりと早急に対策をとる必要がある。
自治会住民にこれ以上の迷惑と負担をかけない市の具体的な対策を伺う。

◎重田康志 環境部長  
 地域のごみ集積場所を利用する事業者には、当然のこととして、排出ルールは守っていただいた上で、清掃などの管理にも加わっていただきたい。また、市では、不適正排出の改善に向けた行政指導指針にのっとった対策を進めており、問題解決には、市と地域との連携が必須となっている。
現在、不適正排出が多い集積場所については、周辺環境によっては監視設備を導入するなど、地域と連携した取組を進めている。今後も引き続き、事業者に直接アプローチするなど、より効果的な指導啓発を行っていく。



駅前などはごみの戸別収集を行ってほしい

◆2番(杉本啓子 議員) 
 次に、戸別収集なきごみの有料化では根本的に解決できない問題について伺う。
 駅前などのごみ問題は、住宅街とは全く状況が違う。市は自治会に、ごみ集積場を決める自由を与えているが、そこにごみを捨てるのは自治会員でなくてもよいとしているので、自治会以外の人も捨てるし、自治会の承諾を得ていない事業者も捨てるし、通行人も捨てると、カオス状態になっている。ごみの有料化をする前から、すでに自治会で対応できるキャパを超えてしまっていることは、市も十分に承知しているはずで、違反して捨てられて、回収されない放置ごみの後始末までする責任は自治会にない。だけど、現実は、自治会がごみの後始末まで負っていて、これを解決するには、駅前だけでも戸別収集を行うしかないと考えるが、市はどう考えているのか伺う。

◎佐藤光 市長  
 茅ヶ崎駅周辺地域において戸別収集を実施することは、質問の中にあった、集積場所が抱える問題の解消に期待ができるものと考えている。しかしながら、戸別収集を実施するか否かについては、本市の財政状況はもちろんのこと、ごみ有料化実施に伴う、ごみ減量化の進捗や市民の皆様からご意見を踏まえながら、特定の地域のみで実施するなど、実施方法も含め、総合的に判断していく。


◆杉本啓子 議員
 戸別収集の予定はないという回答だが、茅ヶ崎市として戸別収集をしないとするなら、自治会に依存しない解決を市が必ず行う責任がある。自治会は違反して出される事業者ごみの後始末責任者ではない。これは明白なことで、なぜなら、自分が出すごみはあくまで自分で責任を持つのが当たり前。
 「自治会と協力して」というのは、市の自治会への依存度の高さを表しているし、市の都合のよい言い換えでもある。こういった駅前などの理不尽なごみ問題のカオスの中で、住民は孤軍奮闘して、病みそうな気持ちにもなりながら市に協力している。それでも解決しない。戸別収集をしないならば、これ以上自治会住民に依存することはやめて、市が自立して解決する方法をここで示してほしい。

◎重田康志 環境部長  
 茅ヶ崎駅周辺の集積場所が抱える問題については、ごみ有料化実施に伴い、改めて顕在化されたものと認識している。
このたび問題となっている集積場所については、かねてより改善に向けて市と地域とが協力しながら対処している場所でもあり、今後については、さらなる連携を図るとともに、行政指導も視野に入れながら対応を強化していく。 
 

◆杉本啓子 議員
 茅ヶ崎市が事業者ごみに甘いというのは、ごみ有料化の前から言われている。ごみの有料化というのは、イコール受益者負担ということ。一人一人が自分の出すごみの量に応じてお金を支払ってごみを出す。その負担分のお金を支払わないでごみを出すのは明らかな違反。その違反に対して茅ヶ崎市が放置して、取り締まれないなら有料化はやめるべきです。
 ごみの有料化によって市民の意識は「ごみは個人の金額と責任で処理する」に変わっている。受益者負担と言いながら、なぜ後始末は自治会の住民なのか。戸別収集を行わないなら、どうやってその矛盾を解決するのかを伺う。

◎重田康志 環境部長  
 令和4年4月からごみ処理の有料化が実施され、市民や事業者の皆様には適正にごみを出していただいているが、そのような中、事業系ごみの疑いのあるものが、家庭専用の指定ごみ袋に入れられて出されているという声を耳にしている。これは明らかな条例違反であることから、委託業者と連携しながら調査及び指導を行い、適正にごみ処理手数料を負担していただくよう厳しく対処していく。 


◆杉本啓子 議員
 自治会も市に協力しないと言っていないし、今だって限界を超えるほど協力している。でも、それは市の自治会への依存でもある。そこに事業者も乗っかって、自治会に依存している。現実には、自治会住民は市との協力でなく、後始末をやらされている状態。では、誰にやらされているかといえば、適切にごみを処理しない事業者と、早急に解決できない市によって、いつまでも後始末をやらされている。戸別収集を行わないのであれば、早急な市の解決策を伺う。

◎重田康志 環境部長  
 本市のごみ収集は、いわゆるステーション方式を原則としており、この方式は、集積場所の設置や維持管理を行っている自治会や利用者の皆様の存在が必要不可欠なものとなっている。このことは、自治会や利用者への依存の度合いを示すものではなく、行政との間で適切な役割分担の上で、ごみ処理が進められていることと考えている。 

◆杉本啓子 議員
今、「適切な役割分担」という回答だが、この適切な役割分担のバランスがはるかに崩れている、と住民のほうで感じているので、どうにかしてくださいということだと思う。私はこれは必ずしも適切でないと思うが、考えを伺う。

◎重田康志 環境部長  
 今までもこのごみ処理のステーション方式、集積場所の問題については、担当職員、そして自治会の皆様、また利用される地域の皆様と一緒にいろいろな課題の中で、一緒にその課題の解決を進めている。それぞれが地域、自治会でできること、また、行政としてどういうことをすべきか、しっかりと話し合いながら、課題解決に向けて進めている。この役割については、今後ともしっかりと皆様と連携しながら進めてまいりたいと考えている。 


ごみ問題は街のモラル低下を生んでいく

◆杉本啓子 議員 
 駅前にごみネットを設置する、それ自体が、さらなるごみを呼び込んでいる。
 常に回収車が残していく違反ごみのために、ネットを片づけることができない。そうなると、駅前にはごみ箱がないので、通行人などの格好のごみ捨て場となる。そして、回収されず残されたごみの臭い、ポイ捨てされた缶、ペットボトル、プラごみなど、駅を降りてすぐの場所に汚い景観が出現する状況になっている。
 そういった、市も含めて、ごみモラルの低さが、さらにまち全体のモラルの低下にまでつながっている。道路で酒を飲んで騒ぐ、暴れる、立ち小便や嘔吐物の放置といったこと、落書きだらけの看板、さらに、不祥事でニュースで流れる茅ヶ崎市な映像が、そういった荒れた景観だったりする。
茅ヶ崎というイメージの開放感や緩さが、まちづくりのデメリットになっている。むしろ市が規制をかけるべきところはかけてほしいという声を少なからず聞く。こういったごみ問題がまちのモラル低下を生んでいくことにも、市が市としてどう対処するつもりなのかを最後に確認する。

◎重田康志 環境部長 環境部長、 
 不適正に出されたごみについては、それらが発端となり、さらなる環境の悪化を招き、本市の魅力の低下にもつながる深刻な問題であるとは認識している。
ごみの不適正排出については、ごみを出す人のモラルによるところがほとんどであるため、まちの景観が損なわれることを防ぐためにも、ごみ出しのルールを守っていただくよう、市民や事業者の皆様に訴え続けるとともに、戸別収集の検討を進めていく。