事業者の計画変更、県は公平性から認めず
令和2年8月31日、企画経営課から、茅ヶ崎ゴルフ場の利活用事業については、基本協定を締結した全者の合意によって、事業を中止し、基本協定を解除することになった、という報告があった。
事業の中止の理由として、県は「新型コロナウイルス感染症の影響により事業の実現が困難となったため」としている。
新型コロナウイルス感染症の影響で、事業者が事業計画の変更を希望し、その調整を進めていた。
しかし、神奈川県は、公募手続きの公正性の観点から、施設規模等に係る事業計画の変更を許容することができず、事業の実現が困難となったため基本協定を解除することになった。
県のHP
www.pref.kanagawa.jp
ゴルフ場の今後について
県は、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着くまでは、公募しても事業提案が期待できないことから、当面の間、ゴルフ場として貸付けする方向で検討するとしている。
ゴルフ場として貸付を検討する期間は、現在ゴルフ場を運営している(株)ゴルフダイジェスト・オンラインが、引き続きゴルフ場を運営する。
県は、(株)ゴルフダイジェスト・オンラインと9月1日から令和3年3月31日までを契約期間とした賃貸借契約を締結した。
記者発表について
亀井工業ホールディングス(株)のプレス・リリースでは、新型コロナウイルスの影響により、利活用事業提案書に基づく事業計画を「ウィズ・コロナ」を見据えて変更せざるを得ない状況となり、変更に関する協議を進めてきたが、指定された期限までに協議が整わなかったので、事業の実現が困難になった、としている。
しかし、新型コロナウイルスの影響があってもなくても、公募手続きの公正性の点から見て、施設規模などの事業計画の変更を許容することができない、とする県の主張はもっともだと思う。
仮設庁舎跡地に建設予定だった「東横イン」も、新型コロナウイルスの影響で資金計画のメドがたたず、令和2年7月に契約と工事の着工予定だったが、遅延となった。
新型コロナウイルスの影響は、「飲食店」「ホテル・旅館」「建設・工事業」などに大きく出ていて、いつ収益が回復するのか、確実な見込みを出すのはむずかしい状況にあると思う。
今までの経過について
令和元年9月25日
茅ヶ崎ゴルフ場の利活用事業について、県と茅ヶ崎協同(株)は、(株)ゴルフダイジェスト・オンラインを代表法人とする、亀井工業ホールディングス(株)、湘南ベルマーレスポーツクラブのグループを優先交渉権者として選定した。
令和元年10月
優先交渉権者(ゴルフダイジェト・オンライン、亀井工業ホールディングス、湘南ベルマーレ)と、県・市・茅ヶ崎協同のあいだで、土地の借地権契約と売買契約について基本協定書が結ばれた。
令和元年11月16日、20日
浜須賀会館、市役所で住民への説明会が行われ、約300名の住民が参加。
事業について、住民からは厳しい質問と意見が相次いだ。
10月にすでに結んでいた協定書のことは、住民に説明されなかった。
その後、新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、説明会の開催が行えず、それ以降の経過は住民には不明のままとなった。
令和2年3月31日
(株)ゴルフダイジェスト・オンラインと賃貸借契約を締結した、という県の記者発表があった。
しかし、「事業者から契約締結時期の延期要請を踏まえ、4月から7月までの一時賃貸借契約を締結」ということは説明されていない。
4月以降もゴルフ場として経営されることで、広域避難場所の機能が維持された。
令和2年7月
県は、一時賃貸借契約を1カ月延長した。
令和2年8月31日
県、茅ヶ崎協同(株)、茅ヶ崎市及び事業者は、事業を中止し、基本協定書を解除することに合意した。