3/7 茅ヶ崎市のみどりの保全と公園について

今回のポイントは、

茅ヶ崎市は、総合計画とSDGsとの関連を示した「ちがさきSDGsターゲット」を、お金をかけて作成している。

しかし、市長の施政方針は、SDGsに言及していない。

茅ヶ崎市は基金の活用で、市街地の緑地の取得などを考え、みどりの豊さを持続していくとしながら、基金への積み立て金額は「ゼロ」という回答。

相変わらず、実行できない計画を立てるだけ。お金のムダ。



抜け殻のような計画では意味がない。


◆杉本啓子 議員 
茅ヶ崎市では、総合計画とSDGsとの関連を示した「ちがさきSDGsターゲット」を作成している。

今回の市長の施政方針は、SDGsにはほとんど言及されていない。

SDGsの考え方は、まず自然環境の目標の達成が土台にあって、その土台の上に社会や経済を乗せていく。

つまり、自然環境の目標が達成できていない場合、その土台の上にある社会や経済の目標は、仮に一部分が達成ができたとしても長くは続かないとしている。

「ちがさきSDGsターゲット」では、緑の豊かさを持続可能なものとして生物多様性の損失を止める、そのために茅ヶ崎市は基金の活用により陸の自然環境を保全する、陸の自然多様性を維持し、次代へと継承する、と茅ヶ崎市の方向性をつくっている。

そういった市が自らつくった方向性に照らし合わせると、緑のまちづくり基金というのは、自動的に税収として入ってくる森林環境譲与税と違って、基金にまとまった額を自力で積み立て、確保することが前提になる。

ところが、さきの委員会では、財政難なので緑のまちづくり基金に市が自分で積み立てて、積み立てする金額は「残念ながらゼロです」という回答だった。

これは基金の活用により、緑を持続可能なものにして生物多様性の損失を止めるという「ちがさきSDGsターゲット」と矛盾している。

緑のまちづくり基金へのまとまった積立金を、この先、茅ヶ崎はどう確保するのかを質問する。

◎後藤祐史 都市部長 
緑のまちづくり基金の効果的な活用については、令和4年度にかけて「茅ヶ崎市緑のまちづくり基金条例」の一部改正に着手しており、市民の皆様からの意見聴取やみどり審議会での審議を踏まえて現在検討している。

その中で、基金を使って取得する緑地については、市街地の緑地の取得を主に考えていく必要があるものと認識している。

また、緑のまちづくり基金への財源確保については、市の財政状況として、限られた資源の中で全ての市民ニーズに応えていくことは困難であることから、その時々において、市全体としての施策の優先順位を見極めながら、全体として最適となるよう予算の配分を行っている状況である。

こうした考えのもと、市の一般財源を財源とした緑基金への積立てについては、近年は積立てを行うことができていないが、他の事業との優先順位の検討の中で議論すべきものであると考えている。

あわせて、自然環境への取組に関する情報を適時発信し、緑の保全に対する理解を地道に行うことで、茅ヶ崎市緑のまちづくり基金の趣旨に賛同いただき、寄附や募金に御協力いただけるよう、引き続き取り組んでいく。
 
 
◆杉本啓子 議員 
市長の施政方針は、「まず、自然環境の目標の達成が土台にあって、その土台の上に社会や経済を乗せる」という、SDGsの考え方とは正反対で、自然環境の目標の達成は、お供え物の扱いで小さくちょこんと乗せられているだけになっている。

前回の総合計画では、明らかに自然環境や緑の計画の目標達成には失敗しているし、市の南側の緑の悲惨さには、もはや住民は怒りも通り越して惨めという言葉を聞く。

つまり、自然環境の目標が達成できていない場合、その土台の上にある社会や経済の目標は、仮に一部分が達成ができたとしても、長くは続かない典型のようになっているのが茅ヶ崎市の現状。

今後10年間、「また同じことの繰り返しか」と市民に言われないためにも、自然環境の目標達成という茅ヶ崎市の土台づくりが見えない中で、街なかの緑や公園の保全、あるいは基金の積立てについてどう考えているのかを再度伺う。
  
◎後藤祐史 都市部長 
本市においては、「茅ヶ崎市みどりの基本計画 生物多様性ちがさき戦略」を策定し、緑がもたらす主要な効果を踏まえ、「人と生きものが共生するみどりのネットワーク」を同計画の将来像として掲げ、緑の配置方針を定めている。

これを元に拠点となる生き物の生息、生育空間の保全とその空間をつなぐ緑の確保のための施策を実施している。

持続可能な開発目標では、自然環境や生物多様性の保全等の環境を守ることが土台になる、ということは世界的な認識となっているので、市も同じ考えに立ち、緑の保全、創出、再生に取り組んでいく。

今後の基金の積立てについては、「緑のまちづくり基金」を取り崩して土地の購入に充てる場合としては、事案ごとに個別に判断していく中で優先順位の高い土地として、周囲に緑空間が少なく、また、公共的に有効に活用できる土地である場合に限られるものと考えている。

過去に松が丘緑地や松浪緑地といった市街地にある樹林地を取得してきた経緯もある。

基金残高だけでは足りず、一般財源から基金に繰り入れた分を含めて購入したものだが、今後も市として個別に判断していく中で、買収すべき優先順位の高い土地については、同様の措置を講ずる場合もあるものと考えている。

 
◆杉本啓子 議員) 
茅ヶ崎市の緑の保全について、前回の総合計画では明らかに自然環境や緑の計画の目標達成には達していない。

大幅に達成していなくて、それが今の緑の惨状につながっている。

今後取り組みます、取り組みますと言うが、今まで、取り組みますと言ってきて、目標が達成できていない。

ですから、今後どう取り組むのか、何を変えていくのか、そのあたりをもう一度伺う。

◎後藤祐史 都市部長 
みどりの基本計画の中での目標に達成できていないという状況、確かに数値の面でもある。

今後においては、社会情勢の変化等もあるが、どこが目標なのか、それに至る施策、どのような施策を進めていけばいいのか、現在のみどりの基本計画の中間見直しも含めて、今後もさらに検討していく必要があると考えている。 

◆杉本啓子 議員
緑の保全について、これ、堂々巡りの質問になるが、具体的に茅ヶ崎市は今後何を変えていくのか、今までのやり方でうまくいっていないわけだから、今後何を変えていこうとしているのか、そこが何度質問しても具体的なイメージで戻ってこない。

そのあたり、もっと具体的なイメージで、緑の今の状況に対して非常に納得ができていない市民は、いっぱいいらっしゃるので、市民にイメージが伝わる形で回答を伺う。

◎後藤祐史 都市部長  
再度の答弁となるが、目標に達成できていないという事案も踏まえて、今までの計画の中間振り返りを見つつ、今後の目標を再度設定し、それに向けての施策をどのように進めていけばいいのかという議論を継続的に進めていきたい。 

◆杉本啓子 議員 
議論を進めていくという回答だが、市民とどのように議論をされていくのか?

◎後藤祐史 都市部長  
現行の「みどりの基本計画」については、その施策を進めているところだが、都度、それまでの見直し等をかけた中で進めていくが、その見直し作業においては、市民の皆様からのご意見、またはみどり審議会からのご意見、その他市民参加の中で十分な議論をさせていただいた中で進めていきたいと考えている。