9/28 一般質問 何もやっていなかった茅ヶ崎市「みどりと公園の政策」 

今回のポイントは、

前回、6月議会での一般質問で分かったのは、みどりの保全について、市は市民に約束したことを何もやっていなかった。

都市部(景観みどり課)にみどりを守る考え方はない。

①自然環境庁内会議にかけて保全策の検討はしない
②みどり審議会に課題として挙げない
③「みどりの保全等に関する条例」の中身についても検討しない
④新たな保存樹林に該当する樹林もほとんどない
⑤市民からの提案にも耳をかたむけない

一貫性がなく、今後を考えていない。茅ヶ崎市は税金を無駄にしているだけ。

 

市街地のみどりの保全について

◆2番 杉本啓子 議員
保存樹林の解除については以前から重大なことであると、庁内で検討するシステムとして自然環境庁内会議を設置して、みどり審議会、環境審議会に課題として挙げ、検討すると約束していた。 

しかし、前回、6月の一般質問では、

①自然環境庁内会議にかけて保全策の検討はしない
②みどり審議会に課題として挙げない
③「みどりの保全等に関する条例」の中身についても検討しない
④新たな保存樹林に該当する樹林もほとんどない

という答えだった。 

今後は、より一層緑の重要性を土地所有者に説明していくということだが、市民に市街地の緑の重要性を知らせるインフォメーションは見たこともない。どうやって保全するつもりなのか?

◎後藤祐史 都市部長
保存樹林の解除の案件は、みどり審議会及び環境審議会に対して、議題として上げるのではなく、情報提供をし、必要に応じて御意見をいただいている。

また、自然環境庁内会議においても、土地利用転換後の指導方針における庁内の情報共有を行うために報告するものとしている。

また、市民に緑の重要性をお知らせするインフォメーションとして、まずは保存樹林の所有者に対して、保存樹林の継続について協力をお願いするとともに、緑の重要性などをお伝えし、ご理解をいただけるよう対応している。

その他一般の市民の方に対しても、環境フェアや市ホームページ、広報紙などを通じ、機会を捉えて緑の大切さを伝えてきている。

また、今後における市街地の緑の保全については、保存樹林制度による税相当額の助成などの支援や、公園緑地が不足している地域での公園整備の推進、茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続及び基準等に関する条例に基づく公園の提供や緑化の指導、景観法に基づく景観形成の指導などにより実施していく。
  
◆2番 杉本啓子 議員 
今まで市の担当課には、茅ヶ崎市のみどりと自然を愛する市民の方々から、みどりの保全策について提案をたくさんいただいている。

しかし、今までの経緯の中で、市は1つとして市民からの提案に真摯に耳を傾けずに来て、提案を考慮することはないまま、ここに至っている。

その挙げ句の結果として、市は保全の策がない、保全できないと言っているのが現状。どのようにお考えなのか?

◎後藤祐史 都市部長  
市民の皆様から様々なご提案、要望などをお寄せいただき、その都度検討したうえで、実現可能な御提案については取り入れてきたものと認識している。


◆2番 杉本啓子 議員
そのあたりの認識については、市民の方と市でかなりのギャップがあるように感じる。

市民の方からこのような手紙も受け取っている。

「緑はその土地が長い時間をかけて育んできたもの。もっと目を向けてほしい。経済性や利便性ばかりを追求し、失うものは何なのか。失ってからでは取り返しのつかないものがある。後に残るのは景観的にも何ら魅力のない茅ヶ崎というまち」

では、実際こういった市民の意見を共有できる課はどこなのか?

庁内の今現在の連携の取れていない、機能していない状態で、市民がたらい回しに遭わなくてすむ課がないという状態だから、その結果、緑を失い、県内屈指のクラスター延焼火災エリアもつくってしまったのではないのか? 

◎後藤祐史 都市部長  
緑の保全に関する市民の皆様からのご意見については、景観みどり課、公園緑地課、その他関係課の間で情報共有し、都度対応している。

◆2番 杉本啓子 議員
今の回答を聞くと、やはり市民の気持ちというのは、市に伝わっていないのではないかと私には思える。

共有できていないから今現在のような状況になっているんじゃないでしょうかと、それが市民の方からの問いかけになっていると思う。

そのようなことに対してどのようにお考えなのか? 

◎後藤祐史 都市部長  
茅ヶ崎市事務分掌規則の中で、各課の事務分掌が出ているが、景観みどり課の所管として、緑の保全、緑化の推進に関する施策に関すること及び保存樹林の指定解除や緑のまちづくり基金の運用等も含めて、それが所管となっている。
また、公園緑地課については、公園緑地の整備管理に関することを所管としている。
おのおの課が所管している事務に関わる市民の皆様からの意見をいただいた際には、その担当課が主導的に発意し、庁内会議等の場で、環境部とか事業課を含む関係課に情報共有をして進めていくという体制を取っている。

◆2番 杉本啓子 議員 
市民が聞いているのは、
「そういった体制が本当に庁内で連携しているんですか」
「本当に機能しているんですか」
「住民がたらい回しに遭わなくて済むのでしょうか」

そういうことを市民は問いかけている。

結果として、今現在のみどりの壊滅的な状況、あるいは巨大なクラスターが出来上がってしまっている。

だから、そういったことについて市としてどうお考えなのか?

◎後藤祐史 都市部長  
今後、関係課とより連携して情報共有を図るようにしていきたいと考えている。

◆2番 杉本啓子 議員 
市と市民の感覚のそういった相違、私はやっぱり納得できない部分がある。
本当に共有していると思われているのか?
◎後藤祐史 都市部長  
再度の答弁になりますが、より一層関係課と情報共有を密にしていきたいと考えている。



市内のみどりの消滅に歯止めがかからない

 

生物多様性のガイドラインはいつできるのか

◆2 杉本啓子 議員 
環境基本計画 2011年版で作成が予定されていた生物多様性のガイドラインは、既に10年が過ぎてしまい、市民からもその間に要望書などが出されているにもかかわらず作成できていないが、その理由を伺う。

◎後藤祐史 都市部長 
ガイドラインの作成に当たっては、市内の自然的、社会的条件の課題に対応する「生物多様性地域戦略」を策定した上で、ガイドラインを作成する必要があったことから、平成31年に「茅ヶ崎市みどりの基本計画生物多様性ちがさき戦略」を策定するまで着手には至っていなかった。

また、「みどりの基本計画」には、生物多様性のガイドラインと同様のものとして、公共施設整備や土地利用の際の自然環境に配慮するための方針となる「緑化ガイドライン」を作成することを位置づけているので、今後作成を進めていく。

◆2番 杉本啓子 議員  
いつ、どのような市民参加を取り入れた方法で、どのような内容を網羅した生物多様性のガイドラインを作成するのか?

◎後藤祐史 都市部長  
生物多様性のガイドラインには、地域にふさわしい在来種による緑化や、生き物の生息・生育環境となるような緑化を目指す内容を盛り込んだ「緑化ガイドライン」として作成することを予定している。

作成時期については、令和5年度までを目標としていたが、市内の自然環境の最新の状況も考慮する必要があることから、令和5年度以降に実施を予定している「自然環境評価調査」の進捗と併せた時期を想定している。

また、市民参加の手法については、作成を行うなか、今後検討していく。


◆2番 杉本啓子 議員
環境審議会から市長へ出された建議書には、「生物多様性の保全・再生のためのガイドラインとして文書化することにより、自然と共生した魅力的なまちづくりがスムーズに進みやすくなる」と重要なことが提案されている。

一方で、みどり審議会は、景観みどり課が「審議会での検討は必要ない」と最初から審議会にもかけていないが、その理由を伺う。

◎後藤祐史 都市部長  
みどり審議会の所掌事項に個人の要望書を取扱う規定がないため、要望書については参考意見として各委員に情報提供をした。

また、委員からも、この要望書に対する意見が寄せられ、令和2年度第1回みどり審議会の会議録に記録されていることから、検討はなされたものと認識している。
◆2番 杉本啓子 議員
審議会というものは、必要なことは独自で調査審議できる。要望書の内容は、「みどりの基本計画生物多様性ちがさき戦略」について検討するときに必要な内容。そういった市民の声を無視して、どうして市長の諮問に応える審議会になるのか?

◎後藤祐史 都市部長  
議題として出すということではなく情報提供として、その中で意見をいただくということで十分機能は達せられると認識している。
みどり審議会に議題ではなく情報提供とすることによって、意見をいただいたことによって、それを何らか反映させていく、それに基づいた検討をその先、進めていくということで、そういった意味で機能は達していると認識している。



河童徳利ひろばの整備について

◆2番 杉本啓子 議員 
河童徳利ひろばについては、景観みどり課の自然環境評価調査では、生態系ネットワークの重要な地域、地点と位置づけられて、生き物や緑をつなぐ重要地点と明記されている。また、環境基本計画でも、大曲橋周辺は生き物の移動空間として重要な地点、地域とされている。

この点について、景観みどり課と公園緑地課でどのような事前の打合せがされて、公園の設計業務委託に出されたのか?

また、柳島スポーツ公園については、海岸からの潮と強風にさらされて植物が育つには過酷な立地。枯れた樹木の植え替えなど維持管理に手間とお金がかかる。柳島スポーツ公園のPFI事業は、常にSPC、指定管理者と市の担当課のどこが責任ある計画管理をしているのかがはっきりせず、説明を求める市民はたらい回し状態になっている。

柳島スポーツ公園の緑の維持管理については、どこが明確な予算を持った計画などを説明できるのか?

◎榊原敦 建設部長  
(仮称)河童徳利ひろばについては、民話河童徳利の発祥の地としての公園整備要望を受け、年度内の完了を目指し、整備を進めている。公園の整備内容については、自治会及び河童徳利保存会から成る(仮称)河童徳利ひろば準備委員会と打合せを行いながら、設計業務を実施した。

設計業務委託において、植栽の種類などの指定等は行っていないが、茅ヶ崎市環境基本計画と茅ヶ崎市みどりの基本計画生物多様性ちがさき戦略において、当該地周辺が生き物の移動経路として重要な場所と位置づけられていることから、市が推奨する樹種を参考に設計し、市内の生物多様性に配慮をしている。
設計の内容については、自然環境庁内調整会議にて意見を伺い、整備の際にできる限り反映をしていく。

次に、柳島スポーツ公園の維持管理については、指定管理者である茅ヶ崎スマートウエルネスパーク(株)が作成した維持管理業務の計画書に基づき実施している。
また、柳島スポーツ公園のみどりの維持管理についても、指定管理者が作成する予算計画に基づき実施しており、結果につきましては収支報告を受けている。公園内の植栽については、指定管理者による適切な管理の下、引き続き良好な状況を維持できるよう植栽の育成に努めていく。
 

◆2番 杉本啓子 議員
河童徳利ひろばについて、これから樹木の種類などを打ち合わせるとのことだが、では、生物多様性の緑化のガイドラインができていないまま何を基準にして考えていくのか?

◎榊原敦 建設部長  
設計業務委託においては、生物多様性に配慮するため、市が推奨する樹種を参考に植栽の配置計画などを実施しているが、実際の施工の際には、自然環境庁内調整会議の意見を反映しながら、植栽の種類の追加、現況に合わせた適切な配置の検討等を行い、生き物の移動経路としての役割を担えるよう整備を進めていく。


◆2番 杉本啓子 議員 
今までの経過を確認すると、公園を設計する際に庁内の連携が取れていない、自然環境評価調査の結果とも連携が取れていないことが分かる。こういった連携がないなら何のための自然環境評価調査事業なのか?

◎榊原敦 建設部長  
自然環境庁内調整会議においては、庁内で関係課が様々な経験や考え方を基に、実際の整備に対する意見や参考となるものを広く協議して情報共有を図っている。
この中で今後期待するものであるが、例えば今回のテーマである生物移動経路の重要な場所として、広場内に一つの考え方として、チガヤを配置することで昆虫や鳥などの生育を促すようなことができると、このような意見もいただいているので、今後は実際に当たって、そういったものをより効果的に反映できるよう努めていきたいと思っている。

緑のまちづくり基金と森林環境譲与税基金について

◆2番 杉本啓子 議員 
「緑のまちづくり基金」については、令和5年までに条例の見直し、ガイドラインの見直しを行うとしているが、それまでの間は2つの基金は何に使うのか、使い道が明確にならないまま市街地の緑も確実に減っていく。

条例見直しまでの空白期間、2つの基金はどのように運用されるのか?

◎後藤祐史 都市部長
緑のまちづくり基金については、良好な自然環境を形成する緑地の取得、またはその維持管理のために使うことができるものとなっている。
森林環境譲与税基金については、森林の整備及びその促進に関する施策を推進するための事業に充てるものとなっている。

今後、条例の見直しを行うまでの間に市街地の緑地の購入を検討しなければならない事案が発生した場合には、その緑地の所在地が豊かな自然環境を形成しているかどうか、公園緑地が不足している地域かどうか、また、市民の公益のために公園等として活用できるかどうかなど総合的に検討した上で、その財源として緑のまちづくり基金の活用を想定している。


◆2番 杉本啓子 議員  
それでは、令和5年までの空白期間は曖昧な基準のままで検討が行われることになり、香川公民館の雑木林と同じことの繰り返しになりかねないが、どうお考えなのか?

◎後藤祐史 都市部長  
基金を取り崩して緑地を取得する場合の判断については、当面は事案ごとに検討していく。

◆2番 杉本啓子 議員
結局、その曖昧なことには変わりがないということで、その曖昧さをこの空白の期間にどう扱うのか、これを再度伺う。

◎後藤祐史 都市部長  
空白の期間ではあるが、基本的な方針としては、町なかのみどりについては「緑のまちづくり基金」を使って、森林に関係するところについては「森林環境譲与税基金」を充てるという方針の中で、曖昧さを残さないような事案ごとに検討をしてまいりたいと考えている。


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