箱根駅伝と柳島スポーツ公園

お正月恒例の箱根駅伝。

戸塚でタスキを受けとった選手は藤沢を通過して、茅ヶ崎の浜須賀交差点から海沿いの134号線に入ります。

一瞬で海岸と松のみどり(県の砂防林)と富士山にテレビ中継の映像が切り替わり、茅ヶ崎のイメージとして定着しているようです。

でもここ数年、私は「箱根駅伝」というと、「柳島スポーツ公園」を連想してしまうのです。 


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不透明な満点評価

柳島スポーツ公園の入札は、提案内容が7、価格が3の割合の総合評価方式で、提案内容を重視した採点になっています。入札には3社が参加、採点上位の2社は、ミズノグループと亀井工業ホールディングスでした。

ミズノの入札価格は約3億円も安く、採点も途中までミズノがリードしていました。

特にリスク管理、設計・工事・建設、維持管理、収支計画といった部分は、亀井工業ホールディングスの得点が最も低いのです。

逆にどこの点数が高かったかといえば、最後の自由提案」で大差のジャッジ がつきました。亀井工業ホールディングスは30点満点を「自由提案」で獲得し、ミズノは僅か18.75点。 

ここで、落札事業者がひっくり返りました。

しかし、この自由提案という部分で、なぜ高得点をつけたかという理由や経緯の記録は何も残っていません。

そもそも自由提案は、事業者が独立採算で行うものなので、市に事業利益は入って来ません。

30点満点を取った亀井ホールディングスの「自由提案」の内容は、2階建てのクラブハウスを建て、そこでレストラン、貸しスタジオ、コンディショニングセンター(ベルマーレ)、サイクルステーションなどの事業を独立採算でやるというもの。 

しかし、施設の稼働率は低く、サイクルステーションなど機能していると見えませんし、それでも、入札では30点満点の評価だった訳です。

民間なので「自由提案事業」の経営状態を市民に公開しないというスタンスも、市民の理解を得られると思えません。

ミズノ提案は「箱根駅伝応援イベント」

一方、半分の点数しか取れずに落札を逃したミズノの自由提案は、「箱根駅伝応援イベント」。

箱根駅伝のスポンサーでもあることから、柳島スポーツ公園を駅伝の出場チームの拠点にして、市民が選手たちの実走トレーニングを見たり、選手と交流できる場にするというもの。その他に、フットサル、ドッグウォーキング、ケータリングカーなどを提案。

亀井ホールディングスの自由提案は、関係者が場所を優先的に使っていくイメージで、ミズノは利用者市民へ解放していくイメージです。

さらに、「その他のすぐれた提案」として亀井工業ホールディングスの『送迎バスの運行』が高い評価を受け点差がついています。

だけど、このバスは一時間に一本でほとんど人が乗っていないし、午前中は走っていない。

そうなってくると、いったい入札の採点をした委員は、どういった判断基準で点数をつけたのか? と問われてくる訳です。

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違法な会議での採点

市のHP には「柳島スポーツ公園整備事業PFI事業者選定委員会」により厳正な審査を行い・・・と書かれていますが、この選定委員会は地方自治法に違反した会議です。

この会議は「条例などで定め議会を通す」という手続きが必要になります。そうでないと、たとえば市長がポケットマネーで都合の良い委員を集めて、好き勝手に提案できてしまいます。いわゆる「市長の私的な諮問機関」です。

市民オンブズマンとして、4年ぐらい前から柳島スポーツ公園の入札などを調べているうちに、茅ヶ崎市にはこういった違法な会議が多くあることに気がついたのですが、議員は一人も気がつかなかった、見逃していました。

今現在も、こういった違法な会議で作られた事業や方針が実行されていることに危機感を持った市民から陳情・請願も出されました。 

議事録なし、録音も消去

柳島スポーツ公園の落札価格約75億円は、この先20年間にわたって税金で返済していきます。(市民には20年間の借金があります。)

委員会でどういった話し合いで入札の提案が評価されたのか、採点されたのかという経緯が明確に分かる会議録はしっかり残して公表すること、それは自治基本条例でも情報公開条例でも審議会の要綱でも決められています。 

でも、その当たり前の会議録が茅ヶ崎市には存在せず、委員会の「録音データ」も消去されています。

柳島スポーツ公園には、周辺整備を含めればすでに100億円以上の税金が使われ、この先20年間市民は借金として返済することになる。

それでいながら「市民に明確に採点の経緯を説明できるものは、ほとんど何も残っていない」ということです。


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