茅ヶ崎市立病院の経営形態が変わります! Part.1

今までのいきさつ

茅ヶ崎市立病院は、平成28、29年度に約10億円、30年度に約8億円の損失を計上した。

現金の残高は、平成27年度に52億円あったものが、このまま行くと、令和2年には底をつくという状態になった。一般企業なら債務超過の破産になる。

そのため、市は令和元年9月に「茅ヶ崎市立病院リバイバ ルロードマップ」を作成し、市立病院の収支改善、組織改革の検討などに取り組んできた。

ロードマップには、「経常収支の計画値と決算額が大きくかけ離れ、医療の質を確保するために、経営計画で見込んだ以上に投資したものの、見込んだ収益に結びつかなかったことが、課題として浮き彫りになった。」と書かれている。

✴️計画通りにも進んでいないのに、それ以上の投資をして、毎年度の赤字経営を続けてきた。それを今さら課題というのだろうか? 

こういった投資などを議会が許してきたのもおかしい。



平成23年 7対1看護を開始 集中治療室 ICU 設置工事
平成24年 茅ヶ崎徳州会病院が藤沢市に移転 地域の医療体制が大きく変化
平成25年 高額医療機器を更新、新規購入
平成26年 高額医療機器を更新 
平成27年 高額医療機器を更新 
平成28年 電子カルテなど6億円のリース 10億円の赤字計上 乳腺外科を開設  
平成29年 別棟建設に8億円 MRI 高額機器を購入 10億円の赤字計上
平成30年 8億円の赤字を計上
平成31年 本館改修 4億円(内視鏡室の拡大、化学療法室の建設、救急ステーションなど)皮膚科、形成外科を開設

令和 元年 「茅ヶ崎市立病院リバイバ ルロードマップ」を作成

市税から経営立て直しの費用を負担

令和元年は、税金から 12億円を市立病院に負担していた。 
(国からの地方交付税6億円 + 市税6億円 で12億円。)

市立病院の経営の立て直しには18億円が必要、ということで、あと6億円を毎年市税から負担することになった。

それにプラスして4年間限定で、さらに市税からお金の支援をする。

その間、病院の経営改善に取り組むことで、5年目には、病院経営を安定させるというプランだった。

ところが、ロードマップ策定の半年後、令和2年は新型コロナウイルス感染症の世界的な影響と、その対策に追われるという事態が続くことになった。

病院の経営収支も大きな影響を受けて、リバイバルロードマップは吹き飛ぶような形になってしまった。

国の空床補償で黒字に

新型コロナウイルス感染の影響で、令和2年4月以降、市立病院は入院・外来ともに患者数が大幅に減少し、医業収益に大きな影響を与えた。

入院患者の受け入れ制限や、患者の受診控えで患者数が大幅に減少した。

一方で、1人1日当りの入院・外来単価は、目標値を上回った。(緊急度が高く重篤な患者の受け入れ、新たな施設基準の獲得、診療科の手術点数が上昇。)

新型コロナ感染症緊急包括支援交付金(空床補償)

国の第2次補正と予備費を活用した医療機関への更なる支援で、交付金(空床補償)が拡大され、感染患者受け入れの病床確保に対する補償が増額された。

この交付金の増額により、入院収益と外来収益の対前年度減収分以上の補償がされる見込みとなった。

茅ヶ崎市立病院には、令和3年度に約19億円の空床補償が入金され、令和4年度は9月末までの10億円の補償が確定している。 

これにより、現金残高は、令和4年6月末で 41億7000万円 となり、プラス10億円の黒字の状態になっている。



高額医療機器の購入、コンビニの入った別棟を建設 

茅ヶ崎市立病院の問題点

診療科部長や各部門の長にヒアリングをした結果、 

①医療現場への指示が明確になっていない

②現場に任せきりになっていて、具体的な数値目標が示されてない

③改善に対する評価について、改善してもしなくても評価は変わらず、モチベーションが上がらない 

④他の自治体病院と比べてお役所的である 

などが浮かび上がってきた。


✴️ 委託料が高い
他の病院と比べて、100床当たり7100万円高い。
401床なので 2億8000万円ほど高い。
3 0~40%高い。何が違うのか。

✴️ 病床利用率が低い 
病床利用率が75%は問題。
なぜ75%なのか? 原因は何か?
市民に選ばれていないから病床利用率が低いか?
救急車を断っていないのになぜ病床利用率が低いのか?

経営状況を見ると一目瞭然なのが、入院単価が低いこと。 
 
✴️ 経営分析をする職員が育たない
一部適用の大きな問題は、経営分析をしていく事務局職員が異動で定期的に入れ替わり育たない。 

✴️無料のシャトルバスがない
藤沢の徳洲会は、辻堂駅から10分間隔で無料のシャトルバスを出している。 
また、浜見平、小出、寒川、湘南Tサイトから茅ヶ崎徳洲会病院等へ無料のシャトルバスが出ている。
茅ヶ崎市立病院は茅ヶ崎駅から徒歩25分かかるが、無料のシャトルバスが出ていない。
コミュニティバスはあるが、直接行くわけではなく、片道200円かかる。 
 
 

令和3年、市立病院の組織改革の検討が行われた。

Part2 に続く。

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