反対しました! 地域医療センター講堂の買取り

令和元年12月議会

市立病院の向かいにあった地域医療センター(1981年運用開始)は、休日・夜間急患診療などを担ってきたが、利用者数の増加や、駐車場やバリアフリー対応不足などで再整備が検討され、イオンの北側に複合施設が新たに建設された。

この複合施設には、休日・夜間急患センターに加え、茅ヶ崎医師会・茅ヶ崎歯科医師会・茅ヶ崎寒川薬剤師会(三師会)の事務所や、会議室、講堂などが設置された。

再整備は、茅ヶ崎医師会が施工主として建設工事を行い、完成後に市が所有部分を買い取る手法。

www.townnews.co.jp

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議案第96号、122号は、この複合施設の2階にある講堂部分を、所有者である茅ヶ崎医師会から市が買い取るというもので、金額は1億9486万円。(内訳は、一般財源が4876万円、市債が1億4610万円。)
20年の償還を想定している。 

現在の老朽化のひどい保健所で実施している事業を買い取った講堂で開催する、災害時の医療拠点として活用する、というのが買取りの主な理由だ、

ただし、「1歳6か月児検診」「3歳6か月児検診」「こども相談」「離乳食講習会」といった肝心の事業は、法令上、新たな講堂で行うことができない。それが分かったうえでの買い取りになる。

山のように問題点を指摘、でも賛成・・・謎

結論から言えば、講堂の買い取りに反対したのは「市民自治の会」(杉本、小磯、藤本、豊嶋議員)と、会派に属さない木山議員で、あとはすべて賛成ボタンを押した。

だけど、常任委員会では、各委員から山のように問題点が指摘された。それでも賛成というのだから、天才バカボンのパパの名言『反対の賛成なのだ」を思い出した。

指摘された主な問題点

A ⇒ 市の回答

①現在の保健所は、40年以上経過して老朽化がひどく、令和4年3月末で県から無償で借りる約束が切れる。その後、保険所をどうするのか未定の状態。 二重投資にならないのか? 一体的な整備をすべきでは?
A:今後の整備方針などはまだ決まっていない。次期総合計画の優先順位のなかで検討していく。

②予算削減に動いている中で、なぜ今のタイミングで購入するのか?
A:保健所の老朽化が進み、特に講堂は、ほこり、カビ、雨漏り、虫が多数発生していて環境上、衛生上の問題がある。また、大地震や風水害など災害時の対応のため。 

③講堂は借りて運用することもできると思うが、その検討はしたのか?
A:20年間のランニングコストは買い取りのほうが負担が少ない。起債が見込める。

④1歳半健診や3歳児の健診等は、新たに購入する講堂では医療法で行えない。衛生上劣悪な保健所に残ることになるが?
A:(明確な回答はない)


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今後の保健所の見通しが不透明、と言いつつ可決

討論に入っても、問題点の指摘は以下のように多い。
 

〈今後の保健所の見通しがたっていない〉

• 展望について委員会で明確な答弁がなかった
• 今後の保健所整備は次期総合計画で位置づけるとのことだが、詳細ははっきりしない
• 令和3年度末で県の支援が終了する保健所の運用について、今後の見通しが立っていない。購入に踏み切るには時期尚早。
• 講堂のみでなく、保健所全体の再整備の方針、今後のあり方など総合的な検討で進めるべき事業  
• 現保健所の講堂の老朽化がひどく劣悪な環境、非常電源など確保できない、浸水の危険性など、保健所政令市になる前からわかっていたこと。
• 現在の保健所の使用ができなくなったとき、その後の運用は不透明のままの購入となる。全体像、将来像は見えていない。
• 購入ではなく、賃貸借契約などで講堂の運用を行うべき
• 中期的視野を負荷すべき。中核市を目指すなか、保健所政令市移行が行われ、県から老朽化した保健所を引き継いだが、集積地への移転や県への返還等の可能性も含め、ビジョンを明確に示してこの提案をすべきだった。

〈市の財政が厳しい中、多額の起債で購入する必要があるのか?〉

• 今年度内補正での対応は、次年度の財政状況から妥当なのか?という論点になる可能性は大いにある
• 講堂購入費の75%、1億4610万円を20年償還の地方債で充当することは、市の厳しい財政状況から慎重な審議が必要 

〈乳児の検診は劣悪な環境のまま〉

• 市民に一番身近な乳児の健康診断は、法制度上、場所を移すことはできず旧講堂での実施になる
• 一部の事業をこれまで同様、保健所内講堂で実施せざるを得ない
  

では、なぜ購入に賛成なのか? 賛成理由は以下のようにあいまいで僅かしかない。 

• 状況よりやむを得ないと判断し賛成  
• 自宅完結型の終末医療への移行や大災害時などの対応を考えると、3師会との行政の協力は不可欠であり、政治的な判断において評価をするところ。
• 今後、これらの課題の解決を図っていくことを付言して賛成  
• 災害時に施設特性を理解しフルに使えるよう検討し、今後の保健所のあり方を検討し、二重投資にならないよう運営を求める。
• 劣悪な環境下の現保健所の講堂で乳幼児健康診査だけを行うことも認識した上で、今後の保健所のあり方を検討していくことを付し賛成