9/25 一般質問 公園やみどりへの政策について ① 憩いの広場

今回のポイントは、

①市役所前に新たに整備された「憩いの広場」について
憩いの広場は、生態系ネットワークとして重要な地点の一つとされている。
本庁舎周りだけで、緑の維持管理に1000万円近く使っている。
しかし、市内全域の街路樹と公園の維持管理費はわずか5000万円。
柳島スポーツl公園ひとつの維持管理費は 1億円。
バランスがおかしいのではないか?

本庁舎の「憩いの広場」について

◆12番(杉本啓子 議員) 
まず、旧本庁舎跡地の「憩いの広場」について。

旧本庁舎跡地整備事業として、7月に工事が完了した「憩いの広場」は、環境基本計画、都市マスタープラン、景観計画、みどりの基本計画といった上位計画に位置づけられ、市庁舎内に樹林や草地を新たに設けることで生態系の中継地点を増やし、生物多様性の改善を図る、また、中央公園の緑との連続性といった壮大な計画のもとで、事業者に設計が委託されている。さぞかしお金のかかった設計と思う。

しかし、夏場に植えたとはいえ、すでにケヤキが何本も茶色く枯れていて、低木も枯れて、全体に生育が悪い。市の上位計画に位置づけていると言いつつ、業者のつくった設計案を審議会に報告しているだけで、景観みどり課などが細やかに関わることなく業者に丸投げの印象が強い。市が細やかに関わったのか質問する。

◎佐藤光 市長  
広場内の植栽の樹種の選定については、新庁舎建設の設計の中で樹種選定の考え方の取りまとめを行い、専門の審議会に確認した上で決定している。また、植栽の維持管理については、来庁者の憩いの場として活用できるよう美観を保ち、安全性にも配慮しながら管理していく。詳細については担当の部長より答弁する。

◎添田信三 理事・企画部長
広場の設計については、平成24年3月に新庁舎建設基本設計、実施設計業務を委託した事業所において、市役所に訪れる利用者や市民にとって憩いの場となることをコンセプトとし、新庁舎の設計と併せて計画している。

広場内の樹種の選定については、同事業所において平成23年12月に策定した「新庁舎基本計画」をはじめ、市の関連計画との整合を確認し、樹種選定の考え方の原案を取りまとめ、平成24年から平成25年にかけて景観まちづくり審議会、みどり審議会、環境審議会において専門家の御意見をお聞きするなど、また、関連計画との整合について、新庁舎建設に係る庁内会議において確認した上で計画をしている。

◎青柳道文 財務部長  
今後の植栽への維持管理の考え方についてお答えする。

芝生については成長が著しい夏季に集中して芝刈りを実施し、高さのある樹木については、台風等の強風時の際に倒木により市民や施設に被害を及ぼさないような高さを保ち、樹形を整えていくことにより美観と安全性が保たれると考えている。


すでにケヤキが何本も茶色く枯れている


◆12番(杉本啓子 議員) 
また、広場の植栽の維持管理の考え方として、憩いの広場の土について。

植物の生育に土は重要だが、憩いの広場は瓦礫の土。
今まで建築物が何度も解体されて、どこもかしこも瓦礫の交ざった、何の栄養もないぱさぱさの土。土手面など、コンクリが溶けたように表面ががちがちで、どれも植物は生育が悪く、枯れているものが目立つ。とにかく土の状態がひどく、計画にお金をかけても、土がこれでは植物が生き生き育たない。市の考え方を問う。

◎青柳道文 財務部長  
広場内の植栽帯の土の状態については、旧本庁舎があった当時の土であり、若干の石などの礫が交ざっていることは認識しているが、現状での問題はないものと考えている。いずれにしても、引き続き適切に管理をしていく。 



コンクリと瓦礫の土
  

◆12番(杉本啓子 議員) 
「憩いの広場」は、生態系ネットワークとして重要な地点の一つとされている。

したがって、植える樹木の種類は、茅ヶ崎市の在来種から選択するとしている。しかし、道路側の並木はカツラの並木になっている。カツラはもともと涼しいところに生育し、北海道や東北の自治体が市町村の木に指定している。カツラは茅ヶ崎市が奨励する樹木でもないし、町なかの生育にも向いていない、何でわざわざカツラなのかと景観まちづくり審議会でも聞かれているが、明確な答えはない。なぜカツラなのか?

◎添田信三 理事・企画部長 
広場内の植栽については、四季の移ろいを感じられることをコンセプトとしている。カツラについては、市の推奨樹種に含まれていないが、日本の在来種であり、春には新緑が芽吹き、秋には紅葉し、四季の変化に富み、印象的な並木の景観を形成できる落葉樹である。また、カツラは枝が広がりにくく、円錐形となる特性を持っており、街路樹としても適していることから植樹している。


◆12番(杉本啓子 議員)
憩いの広場の植栽について。

茅ヶ崎市の木であるニセアカシアは外来種で、生態系への要注意外来生物リストに挙げられているので、憩いの広場には植えないと、審議会で市は説明している。市庁舎の広場に、自分の市のシンボルである樹木が外来種なので植えられないのは情けない話。これを機会に、市の花や木などを選び直したらどうか。

新しく選んだ花や木をデザインした茅ヶ崎バージョンのアロハをつくったり、市内に優秀なイラストレーターは多いのだから、作品を道の駅や市立病院に活用するなど、アイデアは幾らでも出てくる。 

◎榊原敦 都市部長  
市の木、アカシアについては、市制施行25周年を記念して昭和47年に制定した。制定に当たって、市民約1万44000余りの応募があり、最も得票数の高かったことから、アカシアを市の木とした。このような経緯があり、市民の皆様から親しまれていると思われるが、制定から48年経過し、本市の自然環境の変化や生物多様性への関心の高まりから、アカシアが市の木であることについて様々な意見が寄せられている。今後は、機会を捉えて対応等について検討をしていく。


◆12番(杉本啓子 議員) 
また、憩いの広場の維持管理は、イコール植物の維持管理をすることになる。

現在、本庁舎を管理している業者は、植物は専門でないため、本庁舎周辺と2階の庭園と憩いの広場の植物の管理については、下請業者に再委託している。しかし、カバーする敷地は広く、土の状態も大変悪いので、年1回肥料を与えても植物のメンテナンスは非常に厳しい。芝生の水やりなども苦労すると思う。

下請業者は具体的に何人の体制で、どの程度の専門的な知識を持って樹木の剪定に当たっているのか質問する。

◎青柳道文 財務部長 
広場の植栽の維持管理を行っている再委託先業者は、市内の造園業者であり、人員は2名となっている。この業者は、市内の別の造園業者の下で15年間の修行を経て、専門的な知識や技術を習得した後、独立し、30年間にわたり企業や個人宅の植栽管理業務や総合エクステリア工事を請け負っており、何ら問題はないものと考えている。
なお、7月より前庭整備の前庭植栽管理をしているが、土日も出て対応していただけるなど、丁寧な仕事ぶりを高く評価している。


◆12番(杉本啓子 議員) 
憩いの広場の維持管理の金額について。

維持管理の金額としては、憩いの広場に年720万円、本庁舎周辺と2階の庭園で年360万円、合計で約1000万円で、このうちどれぐらいが緑の管理として下請業者に渡されているのかは不明だが、本庁舎周りだけで緑の維持管理に1000万円近く使っている。

それと比較すると、現在、市民が暮らしている市内にある街路樹と公園の維持管理の金額が、年間わずか5000万円しか取られていない。また、柳島スポーツ公園ひとつの維持管理費が1億円なのに、市内の公園と街路樹のための金額がこの半分しかない。

明らかにバランス感覚がおかしくないか?
適切に市内のみどりの維持管理を行えるのか疑問で、鉄砲道など、毎年すさまじい雑草の生え方で、街路樹が一向育たない。こういったことと比較して、憩いの広場の緑の維持管理費をどう捉えているのかを質問する。

◎青柳道文 財務部長  
市が所管している施設の維持管理経費については、毎年度の予算編成において、全事業における優先度や各施設所管からの予算要望に基づき、施設の規模や属性に応じた適切な金額を配分しており、何ら問題ないものと考えている。

⇨「何ら問題ない」なら、どうして市内の公園は荒れ果ててるんですか、財政部長 ?
 

◆12番(杉本啓子 議員) 
憩いの広場について、審議会で有識者はこう発言している。「茅ヶ崎市が緑の重要性とか、緑化の推進とかを言っているのだから、市民の人たちが憩いの広場に来たときに、なるほど、あれだけ言っている市は、自分の敷地に対してここまでやったんだとか、細部にわたってこれだけ気配りしているんだとか、市民が来られたときは、すぐに分かるようにやらなければ、言っていることと、やっていることが矛盾してはまずい」。この憩いの広場への気配りに市として矛盾はないのか、市の考えを問う。

◎添田信三 理事・企画部長  
広場については、市民にとっての憩いの場となることをコンセプトとし、四季の移ろいを感じ、周辺の緑とつながる良好な景観を形成するよう整備している。このコンセプトは、景観みどりなどの関連計画に合っているものであり、矛盾はないと認識している。今後の市民の皆様が広場を心地よく利用できるよう、適切に維持管理を行っていく。 


茅ヶ崎市の「みどりの仕事」は、いつも殺伐としている


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