2/16 「市民ギャラリーの廃止」はあまりに強引 全員協議会 

「市民ギャラリー、茅ヶ崎駅前市民窓口センター及び萩園市民窓口センターの廃止等 並びにネスパ茅ヶ崎ビル等の今後の利活用について」

令和4年2月16日の全員協議会で、市民ギャラリーの廃止についての案件が出された。

市民ギャラリーを利用するi団体や市民の意見は、まったく聞いていない状態で、唐突とも言える議会への提案だった。

議員からも、ギャラリー閉鎖はあまりにも強引で短絡的、という意見が相次いだ。

それにたいして行政側は、ただ「廃止の強い意思を持っている」と繰り返す回答に終始した。

パブリックコメントなどの民意も、市は最初から受け止める姿勢がないことにも驚いた。



アトリエとしても使われている市民ギャラリー

70%の稼働率で、なぜ廃止なのか?

以下は議員からの意見と、行政側の回答

議員:市民ギャラリー4階の展示室は、稼働率は70%もある。これだけ高い使用率があるのに、展示室は他にもあるからと、なぜなくすのか?

◎文化生涯学習課長 
市民ギャラリーの展示室は70%の予約状況がある。市民文化会館の展示室も70%を超える。市民ギャラリーの分を、今ある施設で完全に補完することは難しいと認識している。
 
議員:代替案として、美術館の展示室が示されている。しかし、年間を通して市民に開放されている展示室は美術館にない。展覧会の予定も、向こう何年間も予定が入っていて動かせない。変更をかけられない状態にあるなかで、類似機能を持つと言われても、市民は使いようがない。どう考えているのか。 

◎文化生涯学習課長 
美術館は、企画展が行われているときは、3つの展示室のうち2つしか使わないときにも原則使えない。実際には、展示室を使えるのは、1年間のうち1、2か月あるかないかの状況である。代替が利くとは我々も考えていないが、使える余地のあるものは活用していきたい。 

市民ギャラリーは文化活動に有効な立地

議員:ネスパ茅ヶ崎ビルの過去の経緯には複雑な部分がある。駅の真横で、ハブとして人の動きがあり、文化活動などに非常に有効に機能している。拠点としての位置づけは不要になったとしてるのか。 

◎資産経営課長 
昭和61年に国鉄清算事業団から購入を行った際に、購入条件として公共利用があった。それから数か月後に駅南口の再開発を行い、その代替地として売却を行ったことから、これが訴訟提起にまで発展し、最終的に数年後に和解となった。
それから約30年間、既に和解条件等は満たしているが、全体的な施設の見直しを図っていく中で、利用率の減少なども踏まえて、最終的に民間に貸し付けすることが最適との判断に至った。

アンケート、パブコメの民意にかかわらず、市は廃止を強く主張

議員:文化の部分からどう考えるのか。
ものすごく重要な部分なので、その説明がないと短絡的過ぎる。

コロナ感染症で市民ギャラリーの利用率が下がったとするのは茶番的な部分も感じる。利用者も、こういう状況下では当たり前と考える。
美術館で補填できるとの答弁もあったが、そういう種類のものではない。
駅前の拠点であり、ギャラリーであり、文化会館や美術館とは別に、うまく使い分けながら利用している。駅に近いので市外から人を呼べた。

逆にコロナ感染症が終わって、ニーズが増えたときに、貸してしまったことは後で相当ダメージがくる。全階を収益を得るために使うのか、一部だけは残しておくのか?

◎資産経営課長 
今後、まずアンケート調査を実施し、その後パブリックコメントも実施し、丁寧に市民の考えを伺っていきたい。
公共施設の廃止、集約、統合の考えのもと、これから全施設を検討していく中での最初の取組だが、近隣に類似施設、代替性のある施設もあり、ネスパビルの3階、4階、5階部分は民間貸付けの形である。
後に需要調査、市場調査なども行って決定していくが、現段階では5年間ほどの定期借家の形で意見を聞いていきたい。その先の部分は検討、検証を重ねた上で考えていきたい。

議員:パブリックコメントなどで、「ギャラリーの展示施設等を残してほしい」との意見が強かった場合、「このまま市民ギャラリーを残す」という選択余地はあるのか。民意をどうジャッジメントするのか。それでも強引に、強力に廃止にするのか?

◎資産経営課長 
今後、アンケート調査やパブリックコメントのなかで、様々な意見もあると思うが、茅ヶ崎市としては、ネスパ茅ヶ崎ビル3階、4階部分は廃止の強い意思を持っている。


あまりに強引なパブリックコメントの取り方

議員:もう一つ市民ギャラリーが重要なのは、会議室としての利用。
市の北と南から公共交通を使って、市民活動ができるちょうどいい地点にネスパビルはあり、非常に活用されていた。自転車も乗れなくなって、公共交通を使う高齢者にとって重要な位置づけで、ここは絶対に手放してはいけない施設。

十把一からげで聞くのでなく、3階、4階、5階とフロアを分けて検討する方向を市民にも示し、アンケートやパブリックコメントも取るべきではないか?

◎資産経営課長 
ギャラリーと言われるものが3階、4階、5階で、3階に市民窓口センターが入っているが、図書館業務の移転も含めて3階、4階、5階は全て廃止と考え、これを基にパブリックコメントも実施していく。

議員:あまりにも強引な取り方なので、先ほどから何人も議員が聞いているが、パブリックコメントで出てきてから、方針を変える必要がある。あまりにも現状を理解していないパブリックコメントの取り方ではないか?

◎資産経営課長 
パブリックコメントは今回の資料を基に行っていく形と考えているが、私どもの考えとしては3階、4階、5階を民間貸付けの考えでいる。


議員:いろいろな機能を持つものを、十把一からげで、一気に廃止すると言っている。
市民ギャラリーに代わる機能を持つとして、コミュニティホール、市民文化会館、男女共同参画推進センター、高砂コミュニティセンターなど、全く設置目的が違う施設を並べている。
窓口センターや市民ギャラリーなど、文化活動の拠点を一緒くたにして廃止とするのは、そもそもの公共施設の在り方に関わる。
今後も含めて、目的が違うものを一緒に考えることについてどう考えているのか?
 

市 回答できなかった

東横インのプロポーザルとの矛盾

議員:市役所の隣に「東横イン」が建つ。ホテルの1階はギャラリーや貸室の構想が練られている。今回のことも連動しているのか? 

◎資産経営課長 
分庁舎の横は、40年間の事業用定期借地で東横インの着工が始まっているが、1階は地域貢献施設として、現在、東横インからいろいろな提案も受け調整を行っている。直接の連携は今考えていない。


補足:東横インに「市民ギャラリーと会議室機能」を入れることは、プロポーザルで高評価されている。

しかし、今回、公共施設の統合で市民ギャラリーは廃止と言っておいて、なぜ、東横インにギャラリーを入れるのか? しかも、市民文化会館の隣りで競合するし、機能の集約どころか逆に広げている。市民にまったく説明がつかない。
 

☆私自身(杉本けいこ)は、美大の油絵科だったので、市が根拠も専門性もないことを言っているのが、手に取るように分かります。

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