８月８日に閉会した東京オリンピック。
この状況のコロナ感染のなかで、東京五輪を開催することに私は疑問です。
ただ、スポーツには長いこと親しんできたので、プレーヤーとしてふたりの印象的だった選手。そういった選手から教えられることも多いのです。
何かを知っている人なんていない
自転車女子ロードレースで、完全にノーマークだったオーストリアの数学者、アナ・キーゼンホファーが初出場で優勝した。
キーゼンホファーは、本業は数学の研究員で、コーチやスタッフをつけず、自身でトレーニングや食事を管理しているアマチュア選手だ、
彼女を含めた３人の無名選手がレース序盤から先行した。
集団は強豪のオランダチーム（4人）が統率していて、無名の３選手のうち、キーゼンホファー以外の２人は集団に吸収されていくが、オランダはキーゼンホファーの存在を忘れてしまった？らしい。
オランダチームがレースを計算し、駆け引きしているあいだに、オーストリアのキーゼンホファーは、ノーマーク の状態で、最初から最後まで１人ぶっちぎりで逃げ切った。
２位でゴールしたオランダは優勝と勘違いしていた。
五輪＝自転車女子ロード、オーストリアの数学研究者が金メダル | ロイター
試合後、ロイターのインタビューにキーゼンホファーが答えた内容が、すごいので全文載せます。
ただただ信じられない。フィニッシュラインを越えた後も「これで本当に終わり？もうこれ以上走らなくてもいいの？」と何が起きているのか分からなかった。０km地点からアタックしようと考えており、プロトン（メイン集団）で走るのが苦手な自分にとって、逃げ集団に入ることができて嬉しかった。
一緒に逃げた選手たちと協力して走ることができた。だけど集団のなかで私が一番強いと思い、長い下りの前に登り（籠坂峠）があることも分かっていた。下りは得意なのでタイム差を広げ、その後はフィニッシュまでタイムトライアル状態だった。
権威あるものを過度に信じるべきではなく、自分で全てを管理していた。私はペダルを踏むだけの選手ではなく、自分を支える参謀でもある。それが結果に現れて誇りに思う。
（メイン集団との）タイム差がボードで示されていたが、その数字を信じるべきかさえも半信半疑だった。
若くて何も知らない選手には "これをすれば上手くいく” とコーチや周りの人間に言われる危険がつきまとう。私も一時それを信じ、そして被害者の１人だった。だがいま３０歳になり、何かを知っている人なんていないことを学んだ。なぜなら本当に何かを知っている人は「知らない」と言うからだ。
私はアマチュア選手だが、頭の中は自転車のことで占められている。この１年半を今日のレースに向けて取り組んできて、良い結果を得るために生活の全てを捧げてきた。私にとって良い結果とは２５位程度で、たとえその順位でも十分だった。だから勝利できたなんて信じられないご褒美だ。
今後についてはわからない。だけどいまの仕事を続け、これまでと同じように走るつもりだ。もちろん自信という面では、この勝利は私を違う人間に変えるだろう。
編物をする金メダリスト
もう１人の選手は、男子シンクロナイズドダイビング１０ｍ高飛込で金メダルを獲得。自身初の金メダルとなったイギリスのトーマス・デーリー。
試合観戦中に、観客席で編み物をして手製のカーディガンを作っていたデーリー。そのデザインのお洒落さと完成度にびっくり！
そういえば、数十年前に、ラルフ・ローレンが背中にアイスホッケーなどデザインしたカーディガンを作っていたけど、それに匹敵するぐらいの出来栄え。
金メダルケースも、片面にユニオンジャック、もう片面に日の丸が編みこまれたお手製のニットケース！
自身がゲイであることを公表しているデーリーは、金メダルを獲得後に「ゲイであり、オリンピックチャンピオンであることは自分の誇り」と明言。
さらに「ひとりぼっちだと感じている LGBTQ+の若者たちには、自分はひとりじゃない、なんでも達成できるということを知ってほしい」とメッセージを発信。LGBTQ+コミュニティに勇気を与える存在でもあるデーリー。
茅ヶ崎市も２０２１年４月から、「茅ヶ崎市パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。
ちょっと味気ないデザインのHPだね。
www.city.chigasaki.kanagawa.jp
おめでとう！！茅ヶ崎にて。
