12/17 一般質問「柳島スポーツ公園について」市民はいちばん後回し 

柳島スポーツ公園は、用地の取得費が20億円。
加えて、すでに支払った建設一時金が30億5千万円。
さらにこの先、17年間にわたって、柳島スポーツ公園のために市民が毎年支払う金額は2億円から多いときで2億8千万円、1日当たりで55万円から77万円かかる。 

事業者の優先利用が、市民サービスを圧迫

◆12番 杉本啓子 議員
 毎年2億円から多いときで2億8千万円といった税金を柳島スポーツ公園に使うのだから、相応の市民サービスを落札事業者から提供してもらうことは当然で、何より運営の透明性が市民にはっきり分かること、これも当然になる。

ところが、現在の施設の利用状況を見ると、競技場では土日・祝日の3分の2以上に、市と事業者と体育協会など団体の大会やスクール事業が優先的に入り、市民が一般利用できる時間帯がものすごく少ない状況になっている。
ゴールデンウィークでさえ、事業者にふさがれてしまったり、4連休のうち3日間も使えなかったり、事業者と団体が圧倒的に優先利用している現状  を市はどう考えているのか?

◎佐藤光 市長  
 柳島スポーツ公園は、本市として、新型コロナウイルス感染症予防対策や、国の緊急事態宣言を受け、年度当初、閉鎖したが、6月20日より感染症対策を講じ再開している。
再開後の利用状況としては、前年度水準まで戻ってきていると指定管理者から報告を受けている。事業者や団体の優先利用の状況、入札時に高い評価を受けた事業の実行状況、審査講評については担当の部長より答弁する。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 優先利用の状況については、社会教育の振興などを目的として行う公益性の高い大会、イベントなどを開催する場合、優先して会場を確保している。このことについては、多くの市民が参加する各種競技大会や、茅ヶ崎地区中学校体育連盟が主催する中学校の大会など、選手育成や技術の向上を図るため、必要な措置と考えている。

柳島スポーツ公園では、PFI事業に基づく要求水準書において、指定管理者に、平日は3分の1以下、土・日・祝日は4分の1以下という一定の枠を確保し、自由提案事業が実施されている。
9月19日から22日までの4連休の総合競技場の土・日・祝日の一般利用については、1日当たりの利用区分が8区分で4日間、合計32区分のうち16区分、50%を一般利用者の使用できる枠として確保しており、市民サービスに影響のない範囲で適正に施設を運営している。

市が認めた事業者と協会の優先利用

◆12番 杉本啓子 議員 
 どうして事業者と団体が圧倒的に優先利用しているかというと、まず、入札時の要求水準書で市が優先利用を認めている。事業者は、平日の3分の1まで、休日は4分の1まで施設を優先利用して構わないとしている。

さらに、市が作成した優先予約に関する要綱、この中で指定管理者と団体が主催するスクールや大会やイベント、それから、学校が主催する大会などは、市民の抽せん予約より先に一般利用枠に入れてよいと定めている。

こういったものが、日中の誰もが使いたい時間帯にばんばん入る。しかも、料金は減免扱い、一般利用の市民は、わずかに残った枠を利用するしかなく、しかも、平塚などと比べて高い料金設定になっている。

事業者にこういった優先利用枠を与えた上に、さらに要綱で各種団体の優先利用を市がダブルで認めたら、市民が使えなくなってしまうというのは当然分かるはず。 
なぜこの状況でよいとしているのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 柳島スポーツ公園における自由提案事業については、生涯スポーツの普及促進や市民の健康づくりを図ることを目的とし、PFI事業として民間事業者の創意工夫を生かせるよう、要求水準書にてスポーツ教室を開催することとし、提案する事業が実施できるよう優先枠を確保している。
さらに、スポーツ関係団体が主催する事業については、選手育成を目的とする事業のほかに、子供から高齢者まで市民の体力の向上を図る事業や、スポーツの楽しさに親しむきっかけとなる事業など、スポーツ推進に寄与する事業を会場確保の対象としている。
なお、一般抽せん予約日については、土日祝日を含む月1回を確保している。 

◆12番(杉本啓子 議員) 
この状況でよいとしているのかと質問したので、市として、これでよいと考えているのかどうか、再度回答をお願いする。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
適正に執行されているものと認識している。 


◆12番(杉本啓子 議員) 
 さらに、柳島スポーツ公園では、スクール事業を行うことを市が定めている。
ベルマーレなど事業者が独自に行うスクールや大会、さらに茅ヶ崎市のサッカー協会、ラグビー協会、陸上競技協会、テニス協会などの大会やスクール、さらに県や関東の協会の大会、学校の大会、シニアプログラムなどが入り乱れて、どれがどれだか分からない状態。
どれが優先枠利用なのか、あるいは一般利用枠まで使ってしまっているのか分からない。市も把握できていない。
しかも、こういった優先枠の調整を行うのは市であると、市はみずから回答している。要するに、今の市民が後回しの状態は、市が調整して認めていることになるが、これでよいとしているのかを質問する。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 柳島スポーツ公園の優先利用枠については、市の主催事業、指定管理者の事業、スポーツ関係団体の事業の順で確保しており、前問でもお答えしたが、社会教育の振興などを目的として行う公共性の高い大会やイベントを開催する場合、優先して会場を確保している。
一般抽せん予約日については、土日祝日を含む月1回を確保している。


杉本のコメント 
市が定めた優先利用枠の順番は、以下のはず。
①市の主催事業
②指定管理者の主催事業
③市の協会・団体の主催事業 
④そして、最後が市民の一般予約

ところが、
①市の主催事業
②指定管理者の事業(主催でなくてもかまわない)
③スポーツ関係団体の事業(主催でなくてもかまわない)

と、事業者や団体の主催でなくてもかまわないと、優先利用して使える範囲が、どんどん拡大解釈されている。

さらに問題は、一般市民の利用予約抽選が済んで、空いている時間をさらに事業者などが取ってしまうことだ。これでは取り放題に取れる。何のための優先予約なのか分からない。

土日を大会が独占している

◆12番(杉本啓子 議員) 
 参考配付の資料は、柳島スポーツ公園の予約状況があまりに分かりにくいので、分かりやすいものを作ってほしいと市民が要望して、やっとできたもの。

見てのとおり、土日の誰もが使いたい昼間、ほとんどサッカーの大会などが独占状態。
問題なのは、優先予約で入っているスクールや大会がどこが主催しているのか、この表でも分からない。この「主催者が明確でない」というのは、事業者と行政が市民に説明責任を果たせない。 

なぜなら、平日3分の1、休日4分の1といった優先枠をオーバーして使っていないのか、団体の優先利用が過剰になっていないのか、事業者は契約にのっとった使い方をしているのかなど、そういったことが一目瞭然に市民に分かる必要があるからで、それが明確に分かる予約表を作成するのは、事業者と市の責任。
なぜ運営の透明性がはっきり分かるものを最初から作っていないのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 施設の空き状況については、利用者の方に公共施設予約サービスを利用いただいて確認をいただいている。
参考配付のこの予約表、柳島スポーツ公園スケジュールという、この表については、指定管理者が利用者の利便性の向上を目的として、かつ、公共施設予約サービスの機能を補完するため、試行的に作成をしたもの。
議員よりご指摘いただいた意見については、まずは個人情報の取扱いに配慮した中で、民間ノウハウを生かして、可能な限り分かりやすい形で対応されるよう、指定管理者へ伝えていく。 


◆12番(杉本啓子 議員) 
 参考配付した資料の裏面はテニスコートの予約状況表。本来は、こういった予約状況表になっていて、私は40年間テニスしているけど、これを見て、どこが空いていて、どこが空いていないのか、何が入っているのか分からない、予約が非常に取りにくい。何が何だか分からない。(競技場もこの状態だったから、分かりやすいものを作るように利用者から言われた。)
これ、表側の分かりやすいものは、市民に言われてやっと作った。だから、なぜ市が最初から分かりやすいものを作るように指導しなかったのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 先ほどもお答えしたように、施設の空き状況については、基本的には公共施設予約サービスをご利用いただいて確認をいただいている。さらにニーズがあるということもあって、こういった表についても補完的に行っていると聞いている。
いずれにしても、分かりやすい情報提供というのが大変重要なことなので、適切に今後も指定管理者と情報共有しながら、適正な形を進めていきたいと思う。

 

事業者の選定委員会で満点評価となり、落札の決め手となった自由提案施設。

入札時に高い評価を受けた事業提案の実行状況は?

◆12番(杉本啓子 議員) 
 PFI事業者選定委員会で高い点数がつき、審査講評でも高く評価されている事業提案の中には、ほとんど実行されていないものが多々ある。
送迎バス同様に高く評価されたパーク・アンド・ライドは、3年間で1度しか実行されていない。
特に30点満点という評価を受けた自由提案事業を含めて、実行状況を市はチェックしているのか、チェックした結果はどうだったのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 入札時に高い評価を受けた事業の実行状況としては、事業者が行う四半期ごとのセルフモニタリングや四半期ごとの報告書を活用し、モニタリング実施時に事業の進捗状況の確認及び把握をしている。提案された事業については調整中のものも含め、実施するよう指導している。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 今の答弁だと、実行状況をチェックしているのかどうかがはっきり分からなかったが、チェックしているとすれば、チェックした文書、チェック記録があるのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 先ほど前問でもお答えしたが、基本的には四半期ごとのセルフモニタリングであるとか、四半期ごとの報告書、こういったものをベースにチェックしている。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 では、記録のほうは後日に情報公開で出していただいて、その記録内容は、後でまた説明をお願いする。

審査講評について

◆12番(杉本啓子 議員) 
 柳島スポーツ公園のPFI事業者選定委員会の議事録は、摘録を作成していると言うが、ほとんど内容が記録されていない。それについて市は、「摘録だけでなく、審査講評も作成しているので、説明責任を果たしている」と回答している。
しかし、メモや記録のない状態で、どうやって事業者選定の経緯や結果をまとめた審査講評がつくれるのか、私には理解できない。具体的にどうやって作成したのか?
 
◎村上穰介 文化生涯学習部長  
審査講評については、PFI事業者選定委員会が経緯や選定結果としてまとめていて、適正に事務処理されている。


◆12番(杉本啓子 議員)  
 審査講評で、あれもこれも高く評価して、事業者の提案したスクール、大会、イベント、何もかも高く評価するのは結構だが、これを全て優先して突っ込んでしまったら、市民の使える一般利用の枠が少なくなって当たり前。
だけど、このことは審査講評では全く触れられていない。最初から審査委員の念頭になかったと思う。事業者の点数のことだけ考えて、市民のことは考えていなかったと思うが、メモも記録もないので、このあたりの状況は分からない。
このあたり、どう話し合われて、審査講評は作成されたのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 審査講評については、PFI事業に基づく事務ということで、業務委託の中でPFI事業選定委員会が作成、講評したということで認識をしている。 

◆12番(杉本啓子 議員) 
 PFI事業者選定委員会が作成したのは、当たり前なこと。メモも記録もない状態で、どのように話し合われて、あの結果になったのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 今、手元に資料がない ので、お答えは差し控えさせていただく。

⇒ 一班質問で、議員が何を質問するか事前に聞いているのに、資料が手もとにないわけない。