香川公民館の雑木林 part.3 陳情 総務常任委員会

2020年6月12日
総務常任委員会で、陳情第7号「香川公民館・図書館分館の南側にある雑木林の存続に関する陳情」が審議された。

午後2時25分頃に開始され、午後3時55分閉会、1時間半にわたる異例の長さの審議になった。

市民3人からの趣旨説明から始まり、趣旨説明への議員の質疑、執行部への質疑、各委員の討論、そして採決となり、杉本委員と中野委員はこの陳情に賛成し、柾木委員、山崎委員、岸委員、水本委員は反対した。


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解釈が違っていても市民は訂正できない

委員会のあと、市民側からは厳しい意見が相次いだ。

① 陳情者は一人5分間、陳情の理由を話せるだけで、そのあと、議員と行政職員のやり取りで行政職員が都合のよいことを言っても、それを訂正できないし、事実関係と違う解釈をされても訂正できないので、陳情者はただイライラするだけになる。

② これだけの時間をかけて、陳情が検討されたことも少ないと思う。間違った解釈や地権者を貶める発言をしたり、何も考えないで行政側に迎合するだけで、最初から反対の議員はいらない。

③ 5年間も報告をしなかったのは市民をだましていたことになる。議員はそのことを行政に問わない。地権者は雑木林を残したいので、市に5年間も買い取りを要望してくださったと思う。

④公民館、景観みどり課の両方に配属されていた職員はたくさんいる。公民館であんなに市民に協力を求めておいて、景観みどり課では「良好な自然環境ではない」とか言って、市民側に立てないのは理解できない。

⑤反対理由もろくに言わずに反対した水本議員と岸議員。よくわからない。

⑥ 昔の議会と比べると後退している。市民との意見交換、議会報告会などの改革を議員がしっかりと議論して進めてほしい。他市では実施できている。

 
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みどりを残す具体策なし、市民との信頼は裏切り、政策としての決定はしていない

 
◆杉本啓子 委員 
陳述者は、市と市民との信頼関係を繰り返し言っていた。財政上の問題が理由であればほかのことも一切できないし、財政難はこれからも続いていく。だからこそ市民に協力を求めて緑の保全を実現していく工夫が必要だと陳述者は言っている。2010年から市民集会でも買上げの要望があり、公民館利用者からも要望が出ているのに、市民への協力をどうして行政側は求めなかったのか。

◎教育推進部長 確かに市民集会で要望があった事実は確認が取れている。その際も、今借りている中で保全されている状態を地主にも話をしながら協力を仰ぐところで、購入の話はその中ではできなかったところで経過している。

(回答の意味が分かりません。)

◆杉本啓子 委員 
市民や自治会、公民館の利用者から、長年、雑木林を公有地として買上げてほしいとの要望が出ており、それに対して、市からはその都度、関係各課と努力するとか、買取りの話が出たときには考えるとの回答を何度も出している。
そうなると住民は、市が努力して買取りに動いてくれると期待を持ち、雑木林の保全にも市民はできる限りの努力をしてきたので、雑木林に動きがあったときには、市が知らせてくれると市民は信じる。
何回も陳情者が言っていたが、市と市民の信頼関係の問題である。これに関しては、個人情報の問題があるとはいえ、市は何らかの努力、工夫をすべきだと思う。
今年3月まで、市民あるいは公民館運営審議会にも売却の件は知らされなかった。そうなると市民も、長年協力してきたのに何らかの手を打つ機会も奪われてしまう。今回は信頼関係、協力関係に一番問題があったと思うが、市はどう考えているのか。

◎教育推進部長 先ほど来話をしている中で、民民の取引の話と、利用者、地主の関係の中では、情報を出せるタイミングは地主の売買が終わった後になってしまったところはある。ここは情報の出し方で難しいと思う。民民の内容は行政からはお知らせができなかった。


◆杉本啓子 委員 
地権者は雑木林を公民館活動に使われることに長年理解を示されていたと思う。単純に個人情報の問題といって、市民、利用者に売却を知らせないことは、手を打つ機会を奪っている。その上で、財政難だからどうにもならないとの説明では、市は開き直っているようにも聞こえる。
地権者と市民との橋渡しのための努力はしてきたのか。例えば地権者に、市民に話をしてもいいかと了解を取ればいい話だと思う。そういった努力、工夫はしてきたのか。

◎社会教育課長 所有者と契約継続のお願いをする際に、いずれ売却との話が出ていたが、特に地権者からそれを他に伝えてほしいとの話はなく、あくまでその方の財産処分の部分なので、個人情報で保護するべき情報であるとの扱いをしてきた。

市にみどりを残す具体策などない

◆杉本啓子 委員 
緑のまちづくり基金は、ガイドラインの優先順位のつけ方がその時々によって庁内の都合でぶれ続けている、という陳情者の説明だった。2010年に公民館利用者だけでなく香川自治会からも保全要望が出て、湘北地区市民集会で公有地として買上げてほしいと要望が出た。
この要望があったときには、緑のまちづくり基金を活用することは可能との判断を市は出している。買取りについて市ではどのような話合いがあったのか。

◎社会教育課長 平成27年度の市民集会で、香川の雑木林は保存の継続を希望するとの趣旨の要望だった。それに対して、現在も借地として活用しているが、今後も継続して利用できるよう契約を更新していきたいと考えていることを回答はしているが、緑のまちづくり基金云々の回答をしたことは記録していない。

◆杉本啓子 委員 
茅ヶ崎市は緑に関しては、緑のまちづくり基金のほかに様々な計画がある。特に基本となるのは、総合計画、都市マスタープラン、環境基本計画、みどりの基本計画、条例もある。こういったなかで、緑地は市民共有の財産として大切にする考え方は示されている。
例えば都市マスタープランでは、公民館のある香川の北部中央地域は「身近なみどりの充実」として「公園や市街地の樹林、市民緑地、街路樹等の様々なみどりを保全・再生・創出することで、豊かな生活を送ることができる都市づくりを進めます。また、生物多様性の配慮を目指します。」と明記されている。今回はこういったことを目指せない、どのように考えているのか。

◆杉本啓子 委員 
陳情の趣旨では「茅ヶ崎市の利用できるあらゆる方策を活用して雑木林を残してほしい」といっているが、今までの説明を聞いていると、そもそも市には、みどりを残す具体策がないと感じている。
陳情者が再三言っていたように、現在のような緑に関する仕事の進め方を続けていくと、茅ヶ崎市の緑地は何も残っていかないとの危惧がある。特に市街地の緑は全く残らない。計画はたくさんあるが、 もしこの雑木林を残すとしたらどのような方策があるのか。

◎景観みどり課長 今までの話に出てきているが、市民緑地制度と、地主の意向になるが保存樹林の継続の形で制度を利用した保存を市は考えているが、それは過去形なので、制度を使いながら市内の樹林を保全していきたい。

(ぜんぜん何を言っているのか分からないです)

政策決定はしていない

◆杉本啓子 委員 
地権者も市の買上げを要望している。市民集会でも要望が出ているが、それでも残さないとの政策決定はどこでしたのか。

◎教育長 
これまでの借用の形を今後も続けていきたいと、地権者に継続的に相談してきた。しかし、今回このような形で話があったため、政策決定というよりも、地権者の思い、考えを最優先せざるを得ない状況になったと理解願いたい。

◆杉本啓子 委員 政策決定はどこでしたのかを再度伺いたい。政策決定がない判断はあり得るのか。

◎景観みどり課長 今回の雑木林の件は、市民集会をはじめ地権者との面談でも、市としては様々な行政計画であそこの位置づけは買取る方向性が出ていなかったので、公有地化するとの議論の場に至っていないということで、政策的に判断したものではなく、その段階までまだ達していなかったと我々は考えている。

◆杉本啓子 委員 教育長の内容に矛盾があって理解できなかったが、地権者の意向だと言ったが、地権者は市に買上げを要望している。それを酌み取って、市はどのように政策決定したのか。

◎教育長 これまで教育委員会でお願いしていた借用は難しいと地権者が考えられて、売却したいと考えられたところを地権者の意向と考えている。それについて私どもは、買取ることは難しいと地権者にそのたびに言っている。政策決定というよりも、政策的な判断は借用を一貫して続けてきているので、それが続くことができない状況になったと私どもは理解している。

各議員の討論

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(香川公民館の雑木林 part-4 に続く)

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