今になって何を言っているの? という条例変更
「コミュニティ」は、市民により自主的に形成された集団やつながりで、自治会や地区社協、NPOなど様々な団体があります。
そして、コミュニティへの参加は「市民は自らの自由な意思に基づき」とされています。他者から強制され活動に参加するものでないと、茅ヶ崎市は自らの条例(茅ヶ崎市自治基本条例)に定めています。
10年前に茅ヶ崎市は、「地域コミュニティ」=「まちぢから協議会」と限定した条例を作りました。
それが「茅ヶ崎市地域コミュニティの認定等に関する条例」です。
しかし、この条例は作成された当初から、多くの問題点が市民から指摘されたにも関わらず、じゅうぶんな議論もないまま、行政も議会もかなり強引に条例を作成したと私も思っています。
今になって、この条例が地域の実態と合わなくなったという理由で、条例の改正案を市が出してきました。
そもそも、市民の自由に対して、市が口を出す条例なので「廃止」するべきです。この条例が存在している自体がおかしいのです。
市民の自由に市が口を出す条例
杉本議員
「茅ヶ崎市地域コミュニティの認定等に関する条例」の規定について、「自治会という任意団体の自由を阻害しているのではないか」という視点から、順次質問していきます。
単に、市民が「まちぢから協議会」を立ち上げるだけなら、本条例による市長の認定は必要ありません。
では、何のために認定を受けるかというと、市から補助金(年間の活動費とか事業費など)を受け取るためです。
そして、条例で定めた「8つの基準に適合する」と認められれば、認定をするとしています。
その8つの基準のうち、今回、改正案として出てきたのが第2条第2項第2号の部分です。市長の認定を受けるには、「まちぢから協議会は、認定区域の全ての自治会が構成員になっていることが必要」という部分です。
つ まり、まちぢから協議会の区域にある全ての自治会がまちぢから協議会のメンバーに入っていないと、 補助金は受け取れないという基準です。
さて、ここで疑問が湧きます。
なぜ、「まちぢから協議会」の補助金の獲得のために、全く別の任意団体である「自治会」すべてが、まちぢから協議会のメンバーになることが必要とされるのか、それが条件になるのか、この部分がどうあっても理解できません。
そもそも自治会は市民の任意団体なので、様々な活動の自由が保障されています。自治会それ自体を新しくつくろうが解散しようが自由です。外部からの干渉を受けることなく自由に活動を実施できます。
なので、自治会が「まちぢから協議会」に入ろうが抜けようが、その判断も自由です。
そこで、1問目です。
「まちぢから協議会」と「自治会」は全く別個の任意団体です。
「自治会」にとっては、なぜ「まちぢから協議会」の補助金のために、自分たちの自由な意思に反しても加入を条件付けられるのか、なぜ任意団体の自由が尊重されないのかと思います。
これは当然のことではないでしょうか。
お互いの自由を認めることは、相手を独立し た個人、任意団体として尊重することでもあって、健全な関係を築くための基本原則の一つです。
市は、本条例のこのような条件付けが、任意団体の自由な意思とか、お互いの自由を認めることを阻害しているとは考えないのでしょうか。
くらし安心部長
「まちぢから協議会」は任意団体であることからも、設立や参加の是非などは、すべて地域の自主的な判断となります。
市としては、公益の増進に取り組むコミュニティの活動を促進することが、地域社会の健全な発展に寄与することから、条例 において一定の基準を満たすとして認定を受けたコミュニティに財政的支援 などを行うとしています。
「まちぢから協議会」が本条例に基づく認定を受けるか否かは各地区の判断であり、各団体の自由な意思を阻害するものではありません。
✴️ 市は「条例に基づく認定を受けるか否かは各地区の判断」と回答してますが、逃げですね。
聞いてるのはそこではなく、なぜ条例に認定条件として「全ての自治会がまちぢからに入ること」を入れるのか、その条例を作る自体が市としておかしい。
いずれにせよ「同調圧力」を生む条例
杉本啓子議員
補助金をもらうために「まちぢから協議会区域の全ての自治会が構成員になっていることが必要」という条件は、自治会の間で同調圧力を生むことは容易に想像できます。
あの自治会が入らないから、認定を受けられず補助金がもらえないとか、あの自治会が抜けたから認定が取消しになって補助金がもらえなくなったとか、あるいは、自分たちの自治会はもう抜けたいけれども、抜けたら何か不利な扱いをされるのではないかとか、実際にそういう声は聞きます。
この条例の規定が もたらす市民への同調圧力を市はどう考えているのですか?
くらし安心部長
自治会は市内全域をカバーしていることで、地域全体の意見集約などにつながることから、全ての自治会を構成員とすることを条例における認定基準の一つに規定しています。 認定を受けるかどうかは、各地区で十分な議論をした上で決定されているものと認識しています。
杉本啓子議員
今回、条例の改正案として、今までのように、全ての自治会が「まちぢから協議会」のメンバーになっていなくても、地域課題の解決に向けて活動できる体制になっているなら、認定を受けて補助金がもらえると、認定基準の改正が示されました。
その理由として、新しいマンションで自治会が設立された場合に、まちぢから協議会に参加しないケースが想定されるとか、高齢化で担い手不足となった自治会がまちぢから協議会から抜けるケースが想定されるとしていますが(本当の理由はハラスメントなど別にあります。)まちぢから協議会に自治会が参加するかしないかは自治会の自由であるということでよろしいでしょうか。
くらし安心部長
本市では、「茅ヶ崎市地域コミュニティの認定等に関する条例」の一部改正に向けて準備作業を進めています。
本条例の制定から10 年が経過し、市内の各地区では、まちぢから協議会が定着し、定期的に地域課題についての議論や課題解決のための事業が行われています。そのため、仮に一部の自治会がまちぢから協議会に入らない場合でも、協議会全体で連携・補完し合うことが可能な体制となっていることから、まちぢから協議会の活動を継続していくことに支障は生じないと考えています。
そのため、現在の「全ての自治会が構成員になっていること」という規定が地域の実情に合わなくなっていると考え、見直しに取り組んでいるところです。全ての自治会に関わっていただきたいことに変わりはありませんが、地域の実情に応じて柔軟な対応ができるような仕組みにしていきたいと考えています。
杉本啓子議員
そうなると、全部の自治会がまちぢから協議会から抜けることも、あってもおかしくはないでしょう。
仮に、自治会が半分抜けたとします。まちぢから協議会はマンパワー不足で活動できる体制がつくれなくなり、認定を受けられないとします。それでも「まちぢから協議会」という団体は残るわけですけれども、それなら「まちぢから協議会」を解散するとなった場合に解散できるのでしょうか。
本条例では、まちぢから協議会からの認定を取り消したいという申請は第7条で認められていますが、解散したい場合の定めは特にありません。
自治会と同様に、住民には「まちぢから協議会」を休止・解散する自由もあります。一旦まちぢから協議会を立ち上げたら、解散権はないのでしょうか。
くらし安心部長
「まちぢから協議会」は任意組織であることから、設立、解散については、 当団体の規程、規約等に基づき、自由な意思の下、行われるものと認識をしています。
情報共有できるなら、まちぢから協議会でなくてよい
杉本啓子議員
「まちぢから協議会でなくてもよい、自治会連合会のような形で集まって情報交換できる場は必要で、そういう場は欲しい」という意見は聞きます。
現状として、自治会活動の負担だけでも大変で、役員のなり手を探すのも困難な状態なのに、まちぢから協議会の会議や事業にまで駆り出されるので負担が大きく、まちぢから協議会からは抜けたい、関わりたくない、でも、まちぢから協議会を抜けたとしても、自治会として情報は受け取りたいという要望は多く聞きます。
これはもっともな意見で、まちぢから協議会への参加、 不参加には関係なく、本来、市は情報を公平に市民に伝える義務があります。市民には情報の共有の権利があります。
情報の公平性はまちぢから協議会に入っている、入っていないに関係なく担保されて当然です。市民には大変に重要な権利ですが、市はどのような方法で自治会が抜けた場合でも情報の共有を担保するのでしょうか?
くらし安心部長
市からの情報は、まちぢから協議会の参加や不参加、また、認定を受けているかどうかは関係なく、広報紙やホームページなどを通して、市民の皆様に直接届けるようにしております。
一方、まちぢから協議会が発行する広報紙等、地域独自の情報については、提供先についてもまちぢから協議会に委ねられると認識をしています。市としては、まちぢから協議会における情報交換の有益性については多くの地区で聞かれていることから、まちぢから協議会に未加入の団体があっても、地域の中で連携を図りながら情報共有をしていただきたいと考えています。
ハラスメントの放置にはペナルティを
杉本啓子議員
もう1点、まちぢから協議会の認定の基準として、第2条に「民主的に運営されているものであること」と定められています。
これは重要な基準ですけれども、大変に範囲の広い基準でもあります。まちぢから協議会が民主的に運営されているか否かという地域の実情は、 今現在、誰がどこでどのように判断しているのですか?
くらし安心部長
条例の認定基準の適否については、市が附属機関(審議会)へ諮問し、答申を受けた上で判断しています。民主的に運営されているか否かについては、まずは当該団体の規約等にて確認がされております。当該団体の規約に関わりのある者が平等に扱われ、自由な意見交換により組織が運営され、方針等の合意が図られること、また、合意形成に当たっては、多数決等客観的に民主的に判断できる手法により行われる旨が規定されている必要があります。この上で、附属機関が総合的な観点からも状況を確認していただき、最終的に市として判断をしています。
杉本啓子議員
附属機関が判断しているということですが、附属機関はどのような方法で、手順で判断しているのですか?
くらし安心部長
民主的に行われているかどうかは、地域担当がその状況を把握した上で、報告をしているというのが現状の形になります。やはり地域の活動そのものが、互いに意見を出し合い風通しよくコミュニケーションが取れる、そういう場があることを、市はしっかりサポートさせていただいた上で、 民主的な活動を継続的にやっていただきたいと考えています。
杉本啓子議員
ハラスメントについて伺っていきます。
まちぢから協議会の認定に関する条例がつくられてから、この10 年間で価値観が大きく変化していて、そういった変化の中でクローズアップされて出てきたのがハラスメントへの対策です。
ハラスメント対策は、まちぢから協議会が民主的に運営されているかどうかと深い関連性があります。
実際に、まちぢから協議会でパワハラなどのハラスメントがあり、対策が取られていないので、自治会としても、個人としても限界である、まちぢから協議会から抜けたいという現状も多々あります。
さらに、まちぢから協議会がコミュニティセンターの指定管理者になっている場合は、コミュニティセンターの運営においても、パワハラで人が辞めてしまう、精神的に追い 詰められてしまうというケースも出ています。
単に「民主的に運営されているものであること」とい う条例では、対処できていないのが現状です。ハラスメントを受けないというのは、自治会でも、 個人でも、コミセンで働く人たちにも保障される権利ですけれども、どのような対策を考えているのですか?
くらし安心部長
まちぢから協議会が指定管理者となっている地域集会施設(コミセンなど)については、外部講師を招き、防止措置や実際のハラスメント事例に関する研修会を開催するなど、適切な対応に向けた取組を進めています。また、まちぢから協議会は任意団体ですが、組織の信頼性を保ち、健全な運営を継続していく上ではハラスメント対策が重要であることから、市としては まちぢから協議会連絡会とも連携しながら、国の動向などの情報提供に努めていきます。
杉本啓子議員
ハラスメントには、言葉としてのハラスメント、行動としてのハラスメントがありますが、ハラスメントを行っている側が気がついていない現状もあります。だからといって、放置は許されないことなので、まちぢから協議会としてハラスメントが改善されない場合、あるいは防止対策を積極的に取らない場合は、民主的な運営がされていないとして、条例上では認定取消しになると思います。取消しになる可能性はあると私は思いますけれども、市の考え方は?
くらし安心部長
本条例では、認定基準のいずれかに適合しなくなった場合には、市長は 認定を取り消すことができる規定を設けています。
認定の基準の一つである「民主的に運営されている」に適合しなくなったと判断される場合は、認定が取り消されるものと認識しています。
杉本啓子議員
そういった判断はどなたがされるのでしょうか?
くらし安心部長
地区担当の職員が様々な相談を受ける方法があります。そして、その相談内容を受けて、民主的な運営がされているのかどうかをしっかりと判断していく必要があると考えています。ですから、 地域と市が様々な状況の中でしっかりと意見交換をしていく必要があると考えています。