12/19 一般質問「茅ヶ崎市立病院について」 早わかりバージョン

痛みを引き受けるのは市民

茅ヶ崎市立病院は、病院事業会計が平成28年、29年、30年度と3年連続で約10億円の大きな赤字決算 となっています。

現金残高も50億円台あったものが、今現在約10億円と、これも急激な下降線を描いて止まらなくなっていて、いま市立病院は、民間でいえば破産というカウントダウン状態 にあります。

今回、「市立病院の経営改革」という、佐藤光市長の公約を取り上げての一般質問です。

一般質問のラストで、佐藤市長は「これからまさに市立病院の大手術をする決意。手術するには一定の輸血、麻酔も必要。そういった意味で、今回6億円さらに計上させていただいている。」と言っています。 

しかし、大手術をするなら、そこには「痛み」も伴うはずなのに、痛みについて市長の言及はなく、結局のところ、令和4年まで、市立病院に18億円の税金を投入する という形で、市民が痛みを引き受けるのです。

リバイバル・ロードマップのなかに「茅ヶ崎市立病院の民営化を視野に入れた検討も、選択肢の一つとして考えられる」とあります。

市立病院のような、経営の傾いた自治体病院を買い上げようと、狙っている民間事業者は多いと聞きます。設備のそろった病院を安く買いたたいて、すぐに営業できるのですから美味しいですよね。そうなると、採算の取れない小児・周産期医療などは切られるでしょう。


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私が一般質問しているあいだ、あまりに議場が静まり返っていたので、「みんな寝てしまったのか? 」と思って、後ろを振り返ってしまうほどでした。

市立病院が破産寸前の経営状態でも、ベテラン議員からの一般質問はなく、市立病院を取り上げたのは、新人議員の私だけでした。(珍しく、ヤジも少なかったです。)

さらに、情報発信に力を入れて、自分らしいカラーで質問し、発信できたらと思います。 
 
 
なぜもっと前に手を打たずに、破産寸前まで放っていたのか?
 
このまま行くと、令和2年度には現金残高がゼロになり、市立病院は破産状態・・・だから、市の厳しい財政状況から、市立病院の赤字経営を助けるための6億円を上乗せして、合計18億円を一般会計から負担したのです。

「何でそんなになるまで放置したのか?」

おそらく、市民の皆さんはそう思うでしょう。


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3年連続で赤字となった要因は?

3年連続で、約10億円の大きな赤字を出した要因として、回答では、

①人件費(給与費)の大幅な増加

• 診療科の新設による医師などの増加、
• 診療態勢を確保するための臨時的な医師の雇用
• 夜勤の出来る看護師の確保のため、給与費が大幅に増加 

②高額医薬品の購入
③電子カルテシステムの維持管理費、医療機器の保守点検費用の増加

などを挙げています。

収入以上に支出が増加し、その部分を現金で手当したため、現金残高が急激に減少したのです。

市立病院は、入院患者数、外来患者数ともに減り続けていて、病院として収益が大きく増加すると見込めない、その一方で経費は増え続けて、毎年、支出が収入を上まわってしまう、、

何かに似てますね。そう、茅ヶ崎市の財政状態です。

なぜ見込んだ収益以上に投資をしたのか?

収入の増加は見込めない、それが分かっていて、なぜ手をひろげて投資を続けたのでしょうか?

市が発表したリバイバル・ロードマップには「市立病院の経営計画で見込んだ以上に投資したものの、見込んだ収益に結びつかなかった」とあります。

そして、ここ5年の投資を見ると、たいへん不思議な現象がありました。


傾いた船を、さらに傾けるような経営 

が、続いていたことです。

平成25年〜30年度の5年間の投資を見ると驚いてしまいます。

まず平成25、26、27年度と、更新時期を迎えた高額医療機器と新規の医療機器の購入で、4億から5億円近い出費が3年間続きます。

この直後に、10億円の大きな赤字が始まります。

しかし、その10億円の赤字のさなかに、電子カルテに切り替えたリース代など6億円、さらに乳腺外科を新設します。

その翌年に2億近い高額医療機器の購入があり、さらに病院の別棟の建設に総額8億円以上を投入します。

この間、看護師の数も大きく増やし、診療科の新設により医師も増え、職員給与費も増加を続けます。

さらに、これから本館の改修工事のために約4億円が投入されます。

いったい、病院をたてなおそうとしているのか、つぶそうとしているのか理解できませんが、こういったことが、「見込んだ以上に投資したものの、見込んだ収益に結びつかなかった」という結果になっていきます。

新しい診療科を増やし、設備の拡大、高額医療機器の購入、高価な薬剤の購入、人件費の拡大、、傾いた船をさらに傾けるような投資の挙げ句に、見合った採算が取れなかったのです。

そして、病院収益の上昇が見込めない赤字経営で破綻している状況のなかで、なぜこのような投資計画になっていったのでしょうか?  

市立病院では、医師は大学の医局から派遣されて雇用しています。

しかし、診療環境が不十分、あるいは時代遅れと評価されることがあれば、医師の派遣がどうなるか分からない状況にあるために、見込んだ以上の投資をしたのも一因です。

そして、収益に結びつくと分析したうえでの投資を行っていなかったのです。

計画性のない高額医療機器の購入

市立病院では、ほとんどの医療機器は耐用年数を大幅に超えて限界まで使用しており、老朽化した医療機器では、適切な診断や治療ができないことから、集中的に高額医療機器を買い替え、また、ニーズに対応するため新たな医療機器の購入を行っています。

高額医療機器の買い替えは、平成25〜27年度に行われ(この後に10億円の大きな赤字が始まる)、このときは、予算として大枠を確保したうえで、優先順位を決めていく方法でした。

これは、あらかじめ整備すべき医療機器が明確にされないまま購入することになります。

本来、力を注ぐべき救急、小児科、産婦人科

公立病院として、本来、力を注ぐべき救急、小児科、産婦人科 は、入院、外来ともに大幅に患者数が減っています。

10年前の患者数と比較すると、救急は3300人減、小児科、産婦人科ともに1万4000人減、合計すると、約9万3000人から6万3000人へと、3万人も減っています。

採算の収支バランスが難しいとされる小児・周産期医療については、これといったお金も回されず、がん治療をメインとする病院へと、大きく方向転換しているように見えます。

小児、周産期医療は、採算の面から収支均衡がむずかしい分野ですが、不採算部門であっても、これらを地域の基幹病院として手放すわけにはいかない、と市長は回答しています。 

見込み以上の投資を続け、手をひろげすぎた市立病院の収支改善は容易なことでないのは確かです。

患者さんに必要のない検査を増やしたり、薬を大量に処方するなどすれば収入は増えますが、そのような選択はしない市立病院の経営改善を応援したいと思います。


ほとんど冬至なので、一般質問が終わって外に出ると夕暮れです。

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