9/25 一般質問 「財政健全化緊急対策」について

①減収の影響が本格化するのは令和3年度以降 という見込み

②普通建設費の大幅な増加
平成26年度から平成30年度の5年間の合計は447億円で、その前の5年間と比べて147億円も増加。

③市債の発行額も急増
平成26年度から平成30年度の5年間にかけて、発行額が40億円から50億円台で推移していものが70億円台になり、と増え、平成30年度は108億円と過去最高額に達している。
特に平成30年度の83億円は前年の倍に近く、過去最高額で突出している。

④公債費の大幅な増加
平成26年度から平成30年度の5年間にかけて、市債の発行額は急増しているのに、借金の返済に充てる公債費は42〜43億円と増加はない。
しかし、今後、令和3年度からの10年間にかけては、借金の返済額が60億円と、約20億円も大幅に増加し、高止まりのまま60億円前後を支払っていくことになる。 


このような状態になった理由は、耐震性に課題のある公共施設の再整備といった大型事業を行った。
その財源として市債を発行した、その結果、市債現在高が増加するとともに、公債費についても増加傾向が見込まれている。

具体的には、校舎の大規模改修、柳島スポーツ公園の整備、市民文化会館の再整備、うみかぜテラスの整備、市立病院の医療機器の整備や別棟建設、地域医療センターの再整備、焼却処理施設の延命化、消防署小和田出張所の移転整備、小和田市営住宅の建設、浜見平地区拠点整備、市役所本庁舎の再整備、松浪コミュニティセンターの整備等を実施した。

平成30年度の過去最高額の事業債は、市民文化会館の再整備、うみかぜテラスの再整備等による増。



新型コロナウイルスの市税への影響

◆12番(杉本啓子 議員) 
 今後10年間、つまり次の総合計画を策定する10年間にわたって、市の借金の返済額が大幅に増加すること、今までと同じペースのお金の使い方では、新規事業はもちろん、今ある事業を継続することも困難になるという大変厳しい財政事情から、今年3月に「財政健全化緊急対策」が発表された。そこに新型コロナウイルス感染による影響も加わった。

 まず、新型コロナウイルスの経済への影響による、令和2年度以降の税収入の見通しについて伺う。
市税や交付金の大幅な減少が避けられないとされる中、本格的な影響が出てくると予測される時期など、令和2年度以降どのような見通しなのか?

◎青柳道文 財務部長  
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、生命や健康の危機はもとより、社会経済に対する影響も含め、戦後最大の危機と表現されるほどの危機事態に至っており、本市においても、経済活動の停滞に伴う市税等の大幅な減収が今後見込まれているところである。
 令和2年度における市税については、徴収猶予等による影響などはあるものの、限定的であり、減収の影響が本格化するのは令和3年度以降 となるものと見込んでおり、現在は減収の影響額を試算している最中である。

普通建設費の大幅な増加

◆12番(杉本啓子 議員) 
 平成31年度の経常収支比率は、とうとう99.4%というかつてない厳しい数字になった。扶助費や人件費、借金の返済に充てる公債費など、必ず支払わなければならない費用に収入のほとんどが使われ、自由になるお金がない状態。

 その中の扶助費については、これは子育て支援や生活保護費などだが、ここ10年間で100億円の大幅な増加をしていて、平成30年度は188億円。
しかし、これは全国的な傾向で、茅ヶ崎市に限ったことでなく、また、その財源については国や県から支出金が入るため、実質的な市の負担分を考えると、茅ヶ崎市の厳しい財政難の本質的な要因とは思えない。

 茅ヶ崎市特有の傾向は、やはり普通建設費の大幅な増加である。ここ5年間で比較すると、平成26年度から平成30年度の5年間の合計は447億円で、その前の5年間と比べて147億円も増加している。1年当たり30億円ずつ増加していることになる。この普通建設費の大幅な増加について、その理由を伺う。

 さらに、平成26年度から平成30年度のここ5年間にかけて、市債の発行額も急増している。発行額が40億円から50億円台で推移していたのが、その後、70億円台と増え、平成30年度は108億円と過去最高額に達している。市債発行の急増の理由を伺う。

 また、今後の公債費(借金の返済費)の大幅な増加については、平成26年度から平成30年度のここ5年間にかけて、市債の発行は急増しているものの、借金の返済に充てる公債費は42〜43億円と増加はない。しかし、今後、令和3年度からの10年間にかけては、借金の返済額が60億円と、約20億円も大幅に増加し、高止まりのまま60億円前後を支払っていくことになる。今後の借金返済額の大幅な増加について、その理由を伺う。

◎青柳道文 財務部長  
 近年における普通建設事業の増加、市債発行の急増、今後の公債費の増加の理由をお答えする。

 本市では、平成23年度にスタートした現在の総合計画の計画期間において、耐震性に課題のある公共施設の再整備といった大型事業を積極的に実施してきた。公共施設等の建設や再整備といった普通建設事業費については、その財源として市債を発行することが可能であり、これらの大型事業を実施する際には、国庫補助金や県支出金のほか、市債についても財源の一つとして積極的に活用してきた。
 その結果、施設の再整備等が着実に進展する一方で、市債現在高が増加するとともに、今後償還するべき公債費についても増加傾向が見込まれている状況である。

具体的に建設事業費は何に使われたのか?

◆12番(杉本啓子 議員)  
 財政状況の分析として、普通建設費の増加についてだが、特に普通建設費が大幅に増加している平成26年度から平成30年度は、具体的に何の建設により増加したのか?

 また、市債発行の急増について、ここ5年で急増した市債発行の内訳を見ると、臨時財政対策債は20億円台と一定しているが、事業債の増加が激しく、特に平成30年度の83億円は前年の倍に近く、過去最高額で突出している。その理由を伺う。

◎添田信三 理事・企画部長 
 平成26年度から平成30年度の期間中における、具体的な普通建設事業の状況について、基本理念ごとに主な事業をお答えする。

 初めに、人づくりの領域では、校舎の大規模改修やトイレ改修、特別支援学級の増設、空調設備といった学校教育環境の充実を図ったほか、柳島スポーツ公園の整備、市民文化会館の再整備、茅ヶ崎公園体験学習センターうみかぜテラスの整備等を実施した。
 地域づくりの領域では、市立病院の医療機器の整備や別棟建設、医師会施工による地域医療センターの再整備等を実施した。
 暮らしづくりの領域では、焼却処理施設の延命化や消防救急無線の再整備、消防署小和田出張所の移転整備等を実施した。
 まちづくりの領域では、橋梁耐震補強整備、香川甘沼線道路改良、中央公園再整備、小和田市営住宅の建設、公共下水道整備として浜竹雨水幹線、萩園第2雨水幹線などの整備、千ノ川の整備、浜見平地区拠点整備、萩園地区産業系市街地整備等を実施した。
 行政経営の領域では、市役所本庁舎の再整備や松浪コミュニティセンターの整備等を実施した。

◎青柳道文 財務部長 
 平成30年度における事業債の増加要因についてお答えする。

平成30年においては、茅ヶ崎市総合計画第4次実施計画に基づき、市民文化会館の再整備、茅ヶ崎公園体験学習センターうみかぜテラスの再整備等を実施した。これらの実施に伴い市債の計上額が増となったものである。

なぜ、借金のツケが増加すると分かっていて対処しなかったのか?

◆12番(杉本啓子 議員)  
 普通建設費の増加と市債のうちの事業債の増加を5年間単位で比較すると、つまり、これは平成31年から平成25年、平成26年から平成30年の5年単位で比較すると、その関連性は明らかである。
 普通建設費が147億円増加すると同時に、事業債の発行は166億円増加とシンクロしている。その間の借金の返済額は、増えるどころか少なかったので、何とかやりくりできてしまった。しかし、それは今後10年間の市債返還の増大となって跳ね返ってくる。
 今から3年前の総合計画の説明会でも、今までは借入金の利子を払っている部分が多かったが、これから本格的に元金を返していく年次に入るという説明があった。借金体質のツケがこれからやってくることは、3年前に既に確実に分かっていたのに、なぜ早期に対策しなかったのか?

◎添田信三 理事・企画部長  
 現総合計画の策定段階から、本市では、人口の急増や行政需要の拡大により、公共施設の多くが昭和40年代から昭和50年代にかけて集中して整備されており、今後の更新需要の集中が予想されていた。また、令和2年度をピークとして、人口減少社会が到来するとともに、少子高齢化のさらなる進行が予想されており、いたずらに事業を先送りすることは過度な負担の集中につながるおそれがあった。
 こうしたことを踏まえ、現総合計画の計画期間を、人口減少期までの残された大切な10年と捉え、その時々の市民ニーズや財政状況等に鑑み、的確に事業の取捨選択を行ってきたものと考えている。

コメント(杉本):的確に事業の取捨選択を行ってきたのであれば、借金の急増で財政が緊急事態にならない

市債での財源調達の適正管理とは?

◆12番(杉本啓子 議員) 
 新型コロナウイルス感染の影響で市税などの減収が避けられない中、令和3年度から令和12年度まで、長期財政の見通しでは、毎年30億円から、ピーク時には55億円の財源が不足するとされている。
 市債も財源調達の一つだが、市債での財源調達の適正管理とは、どのような手法なのか?

◎青柳道文 財務部長  
 市債については、公共施設等の整備を行う際において、財政負担の平準化、世代間の負担の公平といった機能を持った貴重な財源の一つと認識している。
 一方で、今後、年少人口と生産年齢人口の減少が見込まれることから、現世代の受益の負担を将来世代へいたずらに先送りすることは、将来世代1人当たりの負担を増幅させることになり、厳に慎まなければならない。そのため、将来への負担が過大とならないように、償還する公債費との適正なバランスをしっかりと踏まえた中での市債発行に努めていく。


◆12番(杉本啓子 議員)  
 今回の「財政健全化緊急対策」では、向こう10年の普通建設費を毎年わずか10億円に抑えていて、事業債としての市債発行額も僅か5億円に抑えている。ここまで抑えても、なお財源が30億円から55億円不足するということは理解できるが、現実的には、普通建設費は10億円では足りず、事業債もシンクロして発行するので、5億円はあり得ない想定である。
 さらに、財源である市民税は、新型コロナウイルスの影響による減収が反映されていない数字を使っているので、見通し以上の厳しさになることも考えられる。現実的には市債をどのように管理していくのか? 

◎青柳道文 財務部長 
 次期の総合計画期間における市債の適正管理の考え方についてお答えする。
 次期総合計画期間における現時点での長期推計については、大型事業を含む政策的な新規事業はあえて算入せず、経常的な経費や、既に実施済みの既存事業のみを算入した推計としている。
 そのため、次期総合計画期間において、新たな施設整備等を実施する場合には、現在の推計内容に加え、さらなる財源不足と将来への負担増が加わっていくこととなる。今後において新たな施設整備等を検討する際には、この点を十分に踏まえた中で、市債を発行し、後年度にさらなる負担を残してでも実施すべき事業なのかという視点の下、事業実施の可否を検討していく必要があるものと考えている。


◆12番(杉本啓子 議員)
 市債での財源調達の適正管理について。
 普通建設費への市債の発行は、いわゆるハコモノ建設の側面もあるが、同時に、公園や緑地について今あるものを失わないために、あるいは新しく増やすために土地を買い上げていくために発行するという側面もある。
 今後10年間、公園や緑地を残すための市債が発行されない場合、総合計画にある市街地の公園や緑地の計画的な整備や、自然と共存する環境など、夢のまた夢にすぎない。どのように考えるのか? 

◎添田信三 理事・企画部長
 総合計画に掲げる市街地の公園や緑地の計画的な整備や自然環境の保全の実現についてお答えする。
 自然や緑、水が豊かであることは本市の魅力として重要な要素であると認識している。そのため、新たな総合計画では、多岐にわたる政策目標の一つとして、豊かな自然環境を保全し、自然と共生する環境を残すことをありたい姿に掲げるとともに、自然環境と市街地環境の調和の取れた都市づくりを推進することを掲げている。
 将来世代に責任を果たす健全な財政運営との難しいバランスが求められるところだが、総合計画の目標の実現に向けて最適な施策を検討し、公園や緑地の計画的な整備や自然環境の保全に取り組んでいく。

 

議場のある6Fから見える 富士山の夕景 

聖域を設けない、ゼロベース見直しとは?

◆12番(杉本啓子 議員) 
「財政健全化緊急対策」の考え方として、既存の事業については、聖域を設けない、休廃止を含めたゼロベース見直しを行うとしているが、どのような手法なのか?

◎添田信三 理事・企画部長  
 既存事業について「聖域を設けることなく、休廃止を含めたゼロベースでの見直しを行う」とは、現在行っている全ての事務事業について例外なく、そもそもの必要性から検討を加え、事業の実施を判断することである。
 その進捗として、現在、令和3年度の予算編成に向け、令和3年度事業実施方針を検討しており、ウィズコロナ関連事業に優先的に取り組みながら、それ以外の事業については、まちの機能維持に必要不可欠な義務的事業のみを実施することを基本方針としている。この基本方針に沿って既存事業のゼロベースでの見直しに取り組んでいく。


◆12番(杉本啓子 議員)  
 既存の事業について聖域を設けない、休廃止を含めたゼロベース見直しとは、優先順位を明確につけていく作業でもある。新規事業は行わないとしているが、中学校給食の実施は新規事業に当たると思う。中学校給食は市長公約だが、事業の見直しの中でどういったスタンスで捉えているのか?
 
◎添田信三 理事・企画部長 
 本年3月に教育委員会が公表した茅ヶ崎市立中学校給食の実施方式のあり方において示したように、中学校給食の実現には、全校開始までの期間が最短であるデリバリー方式を採用したとしても、基本的な考え方や整備方針を策定し、実施方式と整備時期の決定をした上で、用地選定等が決まってから4年程度の期間を要する。
そのため、財政健全化緊急対策の計画期間中は実現に向けた検討を進め、令和5年度からを予定している実施計画の策定において具体化できるよう準備を進めていく。

 
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