9/25 一般質問 公園やみどりへの政策について ③みどりを残す気はあるのか?

今回のポイントは、

① 浜竹四丁目の公園用地の購入について
購入に至る経緯が分かる文書のない不透明さ。
口頭で、なぜ、香川公民館の雑木林については伝えられなくて、浜竹四丁目の場合はいいのか?

②南側のみどりは壊滅的な状態。
解除された保存樹林を残す手だてはあるのか?
 

浜竹四丁目の公園用地の購入について

◆12番(杉本啓子 議員) 
浜竹四丁目にあった兵金山公園は借地公園だったが、残すことができず、クラスター地域にある松の緑と貴重な公園スペースを失った。その後、代わりになる公園の整備については、市は一貫して、市民集会などでも「財政が厳しいので借地公園で対処する」と答えてきた。なぜいきなり公園用地の買上げになったのかを問う。

◎佐藤光 市長  
平成31年3月策定の「茅ヶ崎市みどりの基本計画 生物多様性ちがさき戦略」において、都市公園の整備及び管理方針を示している。その中で、令和10年の都市公園の住民1人当たりの面積の目標値を3.58平方メートルとし、公園緑地が不足している地域での公園整備を推進することとしている。
  
◎橋口真澄 建設部長  
松浪地区において借地公園であった兵金山公園が閉園となり、新たな公園の整備についての要望に応えるため公園候補地を探していた。公園用地の確保については、借地を前提に検討を進めているが、浜竹四丁目の当該公園用地については、地権者との合意に基づき公園用地を永続的に確保すべく購入している。


◆12番(杉本啓子 議員)
浜竹四丁目の公園用地の購入の経緯について伺う。

平成30年6月に地権者の代理の方と市が話し合い、用地について「借地か購入を具体的に進めていく意向を確認した」という記録がある。そして、まず自治会と協議するとともに、内部調整で方向性を出し、経過を逐一報告するとしている。その後5か月後の11月の庁内会議で用地の買上げが決定されているが、経過を逐一報告するとしながら、この間の記録が一切ないのは不自然。
この間、自治会とどのような協議があったのか、この間について経緯が分かる公文書が一切作成されていないのはなぜか? 

◎橋口真澄 建設部長  
公園用地の買上げについての自治会との協議についてお答えする。

浜竹四丁目地内の公園候補地の買取りについては、平成30年11月に庁議において決定しているため、自治会と協議決定したわけではない。また、地元自治会からは、新しい公園の候補地の選定についてめどが立ったのかなど確認の問合せが何度かあったが、それに対しては口頭にて、候補地はありますというような報告をしている。


◆12番(杉本啓子 議員) 
浜竹四丁目の公園用地の購入については、平成30年11月に庁内会議で用地買上げが決定されている。
その半年後、令和元年の6月議会の一般質問で、「浜竹四丁目の公園については、借地公園で対応するという説明以外に具体策が出されていないが、市は現在何を行っているのか」という質問をしたが、既に決定されている用地買上げについて、その時、回答しなかったのはなぜか。 

◎橋口真澄 建設部長  
令和元年6月議会の一般質問で、杉本議員からは、浜竹四丁目の公園と限定されておらず、具体的な実現のための方法として、市は現在何を行っているのかとの質問をお受けした。それに対して、市として借地公園の継続に関する考え方と公園空白地において整備を進める旨をお答えしている。

◆12番(杉本啓子 議員) 
私の6月議会での一般質問の内容についてだが、借地公園だった兵金山公園を市が買い取れず、全く公園がない地域になり、このとき市は住民に対して「今後同様のことが起こらない対策を考える」と約束した。
その後3年たった現在でも、どのような対策になったのか、再三の質問が住民から出されているが、「借地公園で対応する」という漠然とした説明のほかには具体策がまだ示されていない。
具体的な実現のための方法として、市は現在何を行っているのかという質問を私はしている。今の回答は答えになっていないと思うので、再質問する。

(回答はなし)


◆12番(杉本啓子 議員) 
浜竹四丁目の公園用地は、交通量の多いT字の交差点に面していて、カーブで見通しが悪く、コンビニ、路地、駐車場などが密集し、車が渋滞しやすい、子供の安全は確保しにくい、公園として決してよいロケーションではない。そういった安全性や、近隣の保育園の利用状況の可能性などを事前に調査したのかを問う。

ちなみに、これに関しても記録は一切ない。加えて、前々問で私が質問した、「口頭で報告すれば公文書は作成されなくてもよいのか」ということについての判断も、改めて問う。

◎橋口真澄 建設部長 
浜竹四丁目の公園について、安全性や近隣の保育園の利用状況などを事前に調査したかについて。
当該地は、確かに交通量の多い道路に接しているが、その分、公園の認知度も上がり、また、多くの人の目にも触れることとなる。子供の安全性については、視認性のあるフェンスを設置するなど、公園として整備する際に、安全性を確保する。また、クラスター地域内に公園を設置することで、その対策の一助を担うことができると考えている。
なお、整備に当たっては、近隣の保育園や幼稚園にアンケート調査を行っており、遊具等の選定に活用したいと考えている。 

もう1点、公文書のご質問を受けているが、先ほども申し上げたが、まだ用地についての確定的な内容ではないということと、また自治会等に対して、気にされているということもあるので、候補地があるといったような内容での口頭での情報提供としているので、その部分については記録等は残していない。


◆12番(杉本啓子 議員) 
浜竹四丁目の公園用地については、庁内での調整や購入決定のかなり前から自治会に情報を出している。
ほかの候補地についても早い段階から情報を出して、自治会と協議している。地権者の意向なども報告している。

ところが、陳情のあった「香川公民館の雑木林」については、浜竹四丁目と同じように、そして、それよりも早く市民集会などで買取り要望があり、地権者からも同じく買取り要望があったのに、「個人情報だから」という理由で情報を伝えなかったと市は説明した。
全く矛盾した一貫性のない説明だが、なぜ浜竹四丁目の場合は可能なのかを質問する。

  
 また、平成30年、市民集会で副市長はこのように回答している。「浜竹四丁目の件については、地主さんの厚意があって話が進んでいく。こういったものについては、基金の活用や補正予算対応でしっかり整備する。」それであれば、香川公民館の雑木林も同じ条件なので、対応できたはず。

さらに、副市長はこのように回答している。
「様々な形で基金の活用や、急に決まった場合には補正予算対応で、過去幾つかの公園を整備している。公園の整備も、緑地の保全も同じ考えである。都市公園の整備は、公園緑地課、市街化調整区域や町なかの緑の保全は景観みどり課、部は2部をまたいでいるが、同じ事業部なので、全部連携を取って、同じ財源をうまく活用しながら、効果的に緑の確保、公園の整備を進めている。」と言っている。

この副市長の考えであれば、保存樹林でもあった香川公民館の雑木林の買上げは可能だった。市の考えを問う。


◎橋口真澄 建設部長 
浜竹四丁目公園の、購入前から自治会に情報を出しているということについてお答えする。

先ほどの答弁と重なる部分があるが、浜竹四丁目の公園用地については、兵金山公園の閉園に伴い公園空白地となったことから、近隣地域に整備を図っている。新たな公園の整備については、市民集会などで要望を受けており、自治会からも新たな公園候補地の選定についての進捗状況の問合せを受けているが、情報提供としては、候補地はありますという程度の内容を口頭で行っている。
 
保存樹林でもあった香川公民館の雑木林の買上げの可能性についてお答えする。

香川公民館南側の雑木林については公園空白地ではないことで、困難であると考えている。一方で、本市における緑とオープンスペースは、人々の憩いのレクリエーションの場となるほか、都市景観の向上、都市環境の改善等として機能するなど、多様な機能を有しており、市民の貴重な資産としてその存続を図ることが求められていると認識している。現在も庁内連携は図っているが、今後もさらに関係各課との連携を図った中で、公園候補地や緑地の保全について情報収集に努めていく。
  

◆12番(杉本啓子 議員) 
香川公民館の雑木林についても、早い段階から自治会あるいは市民集会で買取りの要望が出ている、あるいは地権者さんからも好意的な要望があるといった条件については、浜竹四丁目ともほとんど同じはず。

先ほど、口頭で伝えたと(部長は)言いました。それであれば、香川公民館の雑木林についても口頭で伝えることは可能だったはず。だけど、それさえもできないと、市は説明している。

それは陳情の議事録を見ていただければ、はっきり、明確なこと。

⭐️要するに、口頭でさえ、なぜ、香川については伝えられなくて、浜竹の場合はいいのかと、そのことを再度お尋ねする。

◎橋口真澄 建設部長  
浜竹四丁目については、兵金山公園がなくなったということは事実で、自治会のほうも分かっている。そういう中で、自治会としても非常に気にはなっているということで、我々のほうにも幾度か、その進捗についてどうなったのかという問合せはあった。

ただ、どういう形で整備していくのかということについて、まだ決定されてもいない中では、個人情報もあるし、相手の方もいらっしゃるので、そういう中では、例えば候補地がありますとか、そういったところでお答えをしているだけなので、香川のほうについては、ちょっと私のほうは分からない状況。


◆12番(杉本啓子 議員) 
担当課が違うからという理由で、庁内で、そういった個人情報の扱いがきちんと共有されていないというのは実におかしい話だ。
片一方には情報を出していい、片一方には出さなくていい、口頭だからいいとか、全く一貫性がない状態。

その辺り、再度質問する。

◎橋口真澄 建設部長  
浜竹四丁目と、香川のその雑木林についての状況の違いというのは、ちょっと私は把握しかねるが、浜竹四丁目については、やはり先ほど申し上げたとおり、地域の方も気にされているということの中で情報提供をさせていただいている。ただ、具体的なことが申し上げられないものについては、やはり口頭で、今どういう状況なのかという程度の情報提供にとどめている。



香川公民館の雑木林は消えてしまった
 

みどりを残す気はあるのか?

◆12番(杉本啓子 議員) 
保存樹林などを公園用地として購入し、緑を保全するという可能性について。

保存樹林については、現在、解除されてしまえばそれっきりになっている。
ここ数年、敷地面積の大きな保存樹林の解除が相次いでいて、中海岸の約1500坪もある昭和の初期からある別荘も、保存樹林の契約が終了になった。せめて大きな樹木だけでも残すとか、一部を公園として残すなどの考えはないのか。

かつて東海岸南にあった邸宅のみどりが全て更地になり、老人施設になったとき、服部前市長は「二度とこんなことはしないようにする」と市民に約束したが、市の考え方を問う。

◎榊原敦 都市部長 
保存樹林解除後の土地利用について、既存樹林を残すことや、一部を公園とする考えはないのかについてお答えする。

土地利用に当たり、都市計画法第4条第12項の開発行為該当する場合、区域の面積が3000平方メートル以上の開発行為にあっては、都市計画法第33条第1項第2号及び茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続及び基準等に関する条例第24条により、公園、緑地または広場の設置について公園管理者との協議を必要としている。

また、緑化についても、条例第35条により、一定規模以上の開発事業においては、予定建築物の敷地面積に対して原則15%以上の面積を植栽地として設置することとしている。

事業用地の既存の樹林を残すことについては、事業者の考え方をお聞きしながら、可能な限り残す方向での協議を行っていく。



まとまった緑が次々に消えていく


◆12番(杉本啓子 議員)
公園というと、更地にした場所に遊具が置いてあるイメージを持つが、都市公園の種類は多様にある。
国土交通省の都市公園の資料では、公園の種類はもっと多様で、緑地のままの公園もあるし、災害時の空き地としての公園など、豊かな発想があれば様々な使い方を考えることができる。

⭐️茅ヶ崎市が柔軟に考えて、いろいろな公園を設置していないだけではないのか。

柔軟に考えれば、保存樹林も解除されれば普通に民地なので、そこを公園用地として買い取ることは可能なはずだが、市の考えを問う。
 
◎橋口真澄 建設部長  
柔軟に考えて解除後の保存樹林を公園用地として買い取ることについてお答えする。

都市公園には、最も身近に存在する公園である街区公園、広域の利用に供する地区公園及び運動の用に提供する運動公園など、さまざまな種類の公園があり、その分布の均衡を図り、整備をしていくこととしている。
一定程度整備が行われてきた中では、都市公園の魅力向上を進め、今ある都市公園を活性化し、一層柔軟に使いこなす工夫を図っていくことが大切であると考えている。

新たな公園の整備については、保存樹林であるかどうかにかかわらず、近隣に公園がない公園空白地であることを最優先とし、そのほか道路と接していること、オープンスペースがあり、子供から高齢者まで利用できる憩いの場となることや、一時避難場所等の防災の場としての機能も併せ持つことが必要となる。したがって、そのような性質、状況等を総合的に勘案し、公園候補地として判断することとなる。
  

◆12番(杉本啓子 議員) 
都市公園の種類は多様なことから、豊かで柔軟な発想で考えれば、香川公民館の雑木林は公園用地として買い上げて、緑も残すという方法も可能である。陳情では、茅ヶ崎市のあらゆる制度を活用して買い戻してほしい旨が書いてあるので、公園として買い戻せる。

雑木林は大山街道沿いでクロマツ林の唯一残った場所なので、その景観と雑木林の緑地も残し、市民が自由に出入りできて、自然教育園のようなイメージの公園をつくることもできる。

また、2010年から市民集会や自治会などから雑木林の買上げ要望が何度も出ていて、これは浜竹四丁目の要望より7年も早いのに、なぜ浜竹四丁目は買い上げられて、雑木林は駄目なのか、市の考えを質問する。
  
◎橋口真澄 建設部長  
なぜ浜竹四丁目の公園は買い上げられて、雑木林は買い上げられないのかについてお答えする。

公園の整備については「茅ヶ崎市みどりの基本計画 生物多様性ちがさき戦略」において、都市公園の整備及び管理方針を示している。その中で、公園緑地が不足している地域での公園整備を推進することとしている。

先ほども答弁をしたが、浜竹四丁目地内の公園については、松浪地区の公園空白地の中で新たな公園整備の要望に応えるため、地権者との合意に基づき購入している。
香川公民館南側の雑木林については、前問でお答えしたとおり、公園空白地ではないことから、公園用地として購入することは困難であると考えている。


◆12番(杉本啓子 議員) 
都市公園の種類は多様であることから、保存樹林などを公園用地として購入し、緑を保存する可能性について伺う。 

保存樹林は、解除されれば普通に民地なので、そこを公園用地として市が買い取ることは可能。市債発行するなどして、普通建設費をバランスよく充てて、公園として買い取ることも可能。

公園として、ただ用地を探すのではなく、貴重な財源を使うのだから、解除された保存樹林の用地も含めて、庭のない保育園が遊びに来れるのか、子供が行きやすい安全な場所なのかなどを事前にしっかり調査して、利用価値の高い用地を吟味して購入すれば、保存樹林も公園として残すことができる。

それ以外に、今現在、解除された保存樹林を残す方法があるのなら、方策を示してください。

この点については景観みどり課、公園緑地課、両方の課に質問する。

◎橋口真澄 建設部長 
解除された保存樹林を残す方法があるのかについてお答えする。

緑の保全については重要であると認識しているが、公園の整備については、2問目、3問目でお答えしたとおり、近隣に公園がない公園空白地であること、かつ、防災・減災に資するなど、土地の価値を見極め、候補地を選定した箇所において優先的に整備を進めていることとしている。

民有地のまま緑地を保全する手法としては、保存樹林のほか、特別緑地保全地区や市民緑地があり、地域のまちづくりの方向性や土地利用状況を踏まえ、地域特性に応じた緑の確保を図っている。


pinkgreen58.hatenablog.jp

pinkgreen58.hatenablog.jp