12/17 一般質問「公文書の作成について」とにかく記録を作らない茅ヶ崎市の仕事

口頭で伝えれば記録を作成しなくてよいのか

◆12番(杉本啓子 議員) 
 茅ヶ崎市では「公文書管理条例」が制定され、行政文書の管理に関する指針がまとめられている。
たとえ忘れないための備忘録のメモであっても、職員間で共有し、政策決定過程で利用されるものは公文書に当たるとされている。

9月議会で、浜竹四丁目の公園用地の購入について一般質問した。

担当課は、用地の購入に当たっては、まず自治会と協議するとともに、内部調整で方向性を出すとしているが、このとき、自治会とどのような協議があったのか記録がない。周囲の保育園の意見を聞いたと言うが、記録がない。地権者との協議の記録さえ残っていない。

庁議で、土地の購入を決定する過程とか、この後、用地購入の交渉に入った場合に、職員間で情報共有するためにも、こういった記録は必要になるはず。

茅ヶ崎市では、こういった打合せ記録は公文書ではないのか、口頭で伝えれば作成しないで済むのか、市の考えを質問する。  

◎橋口真澄 建設部長  
 浜竹四丁目の公園用地確保については、市民集会などでも要望が上がっており、用地確保について進捗等がある場合については、地元自治会へ情報を提供することとなっていたため、自治会との打合せを数回行っている。

この内容については、自治会からの公園設置要望と、市からは、継続して公園候補地を探している程度の内容であるため、口頭にて行っており、その記録については残していない旨を9月の定例会でも答弁した。記録については、実際に地権者との交渉に入った際の用地交渉記録や、公園の整備内容など、具体的な協議等については作成をしている。


◆12番(杉本啓子 議員) 
 私がお尋ねしているのは、主に用地購入に入る前の段階の記録がないということ。

こういった経緯を記録した文書のない状態で、なぜ庁議に諮れるのか不思議だし、文書がないということは、職員間でこの用地購入に入った際も、情報の共有のないままに用地購入を行ったということにもなる。

例えば歴史文化交流館の土地のように、後になって物件の瑕疵などが出てきた場合に、記録がないと経緯が分からないことになるが、なぜ用地購入に入る前段階で文書を作成しなかったのか、再度質問する。

◎橋口真澄 建設部長 
 先ほども答弁したとおり、用地交渉や具体的な協議などについては記録を作成している。
また、用地購入に当たっては、庁内関係部署と協議し、最終決定は庁議にて行った。前回も申し上げたとおり、自治会等につきましては、あくまでも情報を提供しているという内容なので、繰り返しとなるが、記録はない。 

うみかぜテラス 「テニスコート移転」の経緯の分かる記録がない

◆12番(杉本啓子 議員) 
 茅ヶ崎公園のテニスコートが移転され、うみかぜテラスが建設された。

当時、なぜほんの数十メートルしか離れていない場所に、2億円かけてわざわざテニスコートを移転するのか、話題になった。 

検討協議会の議事録では「テニスコートを4面から5面に増やすということで、皆さん移転に納得された」として基本計画がつくられている。
では、一体、いつ、どこの団体がテニスコートの移転に納得したのかといった記録は一切ない。経緯が分からない。

ところが、いざ工事に入ると、テニスコートは5面作れないとなって、4面のまま。これは住民監査請求が入ってもおかしくないケースだと思う。なぜ移転の経緯が分かる文書が作成されていないのかを質問する。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 茅ヶ崎公園のテニスコートの移転については、現うみかぜテラスを整備する際に策定した、海岸青少年会館・福祉会館複合施設再整備基本計画の一部となっている。

本事業を実施するに当たり、協議会や関係団体等のご意見については参考とさせていただいており、議事録については、必要に応じて記録を作成している。今後についても、行政文書に管理に関する指針に沿って記録の作成を行っていく。 

◆12番(杉本啓子 議員) 
 うみかぜテラス、茅ヶ崎公園のテニスコート移転に関する記録だが、情報公開請求を行って、一切記録はないということだった。

先ほどご答弁では、記録を取ってありますという回答だが、情報公開を取った限りでは、記録は一切出てきていない、このあたり、どうなっているのか? 

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 必要な記録については作成しているが、当該情報公開請求に係る文書については不存在であったということで認識している。 
 
◆12番(杉本啓子 議員) 
 記録がない、不存在ということは確認した。
なので、なぜこういった重要な移転の経緯が分かる文書が作成されていないのか ということを質問している。
この記録については、施設再編整備課に聞くと、青少年課が作成していると言うし、青少年課に聞くと、スポーツ推進課だと、たらい回し状態で、結局、これ、どこにも記録がなかったが、なぜこういった重要な記録を作成されていないのかということを質問する。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 対象文書が存在しないということでお答えをさせていただいている。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 存在していないのは分かった。なぜ作成しなかったのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 当時の状況が分かる資料が今手元にないので、お答えを差し控えさせていただく。



2億円でコート移転後も、ろくに手入れがされていない

こんな時代遅れの「公園愛護会の要綱」を作っている自治体はない

◆12番(杉本啓子 議員) 
 今回は、市民感覚と行政のギャップの大きさを取り上げて一般質問しているが、公園愛護会というのは、市民で公園の掃除や草むしり、花壇の手入れなどをする会をつくって、市に登録申請書を出すと、ほんの少額だが報奨金が出るシステムで、ほぼボランティアに近い。

登録申請書には、会の代表名が書かれていれば十分なはずだが、自治会長の承認欄があって、自治会長の印鑑を押してもらって、自治会長に認めてもらわないと登録できない、会の活動ができない。

こうなると、市民同士は平等の立場ではなくて、自治会長が上の立場です。上司ですよね。上司の判こがないと認めてもらえない。こういった市民に上下関係をつくる、おかしな要綱がなぜ茅ヶ崎市で使われているのかを質問する。
 
◎橋口真澄 建設部長  
 市民の方々に御協力いただいている公園愛護会については、活動いただいている公園の多くが街区公園であり、地域と密接な関係にある公園となっている。
そのため、ご協力いただく団体及び活動内容については、地域と密接な関係にある自治会に御承知いただく意味として、自治会長の確認をいただいている。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 この要綱を持ってこられた自治会長も迷惑だと思う。なぜかというと、これ、公文書として、判こを押すと、何に同意するのか、何の責任が発生するのか書かれていない。こんな文書に何で市民が印鑑が押せるのかということが1つ。これは、公文書のレベルの問題だと思う。

もう1点は、公園の管理責任は市であって、自治会長が責任を持つものではない。こういったことをどう考えているのか、質問する。

◎橋口真澄 建設部長  
 茅ヶ崎市公園愛護会要綱第2条では、登録のできる団体は構成人数を5名以上とした自治会または自治会に属する者、自治会の区域内に住所を有する者、その他、学校、市民活動団体、福祉団体、その他の法人等と記載されており、公園愛護会の構成員が自治会の区域を超えて活動する場合もある。
しかしながら、要綱の内容については分かりにくい箇所もあるため、今後は見直しについて検討していく。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 もう一つ、この要綱では、今、読み上げられた部分で、町内に公園のある自治会に住んでいる人だけが公園愛護会を設立できるとしている。茅ヶ崎市は町内に公園のないところは幾つもある。それなのに、公園のないところに住んでいる市民は、公園愛護会をつくれない、市も認めませんとしている。 

なぜ茅ヶ崎市では、町内に公園のある自治会に住んでいる市民だけが公園愛護会を設立できるとしているのか、その根拠をお聞きする。

◎橋口真澄 建設部長  
 要綱については、そういう規定ではないが、先ほど申し上げましたように、内容について一部、分かりにくい箇所もあるので、その辺については検討させていただきたいと考えている。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 そういう規定ではないというのはどういう意味か。

◎橋口真澄 建設部長  
 先ほど申し上げたとおり、公園愛護会の構成員が自治会の区域を超えて活動している場合もあるので、そういったことを考えると、要綱を読んでいくと、なかなか分かりづらいところがあるのかなといったところがあるので、これにつきましては検討をさせていただきたいというふうに申し上げた。 

◆12番(杉本啓子 議員) 
 この公園愛護会の要綱では、市民ボランティアに半年に4回以上、夏場も含めて、草むしりしなさいとしている。市が年に1回も草しむりしないで放置している公園はたくさんあるが、なぜ市は草むしりをしないで市民は年に4回以上しないといけないのか、質問する。

◎橋口真澄 建設部長  
 公園の管理につきましては、職員も定期的なパトロールを行っている。また、草むしり、草刈り等についても定期的に行っている。この公園愛護会については、そういったところを細かい部分を補完していただいている団体で、市としては非常に感謝している。私どもとしても、健全な公園を維持管理するために、業務のほうはしっかりとやらさせていただいている。

◆12番(杉本啓子 議員) 
 今回、なぜこんな質問をしたかと言うと、冒頭に申し上げたように、市民感覚と行政感覚のギャップの大きさという視点から質問させていただいている。

これはよく市民集会で、青少年広場でも何でも「草がぼうぼうでどうなっているんですか」という質問をよく聞く。それに対して市は放置しているわけだから、ここで市民に半年に4回以上草むしりしなさいと要綱を定めているのであれば、市のほうもしっかりやっていただきたいと思うが、これを最後に聞いて質問を終わりにする。

◎橋口真澄 建設部長  
 草刈りについては、私どももできる限りのことはさせていただいているつもりだが、しかしながら、公園愛護会様のほうも、地域の公園ということで、非常に大切に思っていて、維持管理のほうをやっていただいている。

我々が4回やってくれというふうに義務づけたことはないが、皆様それぞれ大切に公園のほうを維持管理していただいている。我々も一緒に公園のほうはしっかりと維持管理をしていきたいというふうに考えている。