3/7 総括質疑「ごみの有料化について」 

公共の駐車場やスポーツ施設、会議室などを料金を払わないで利用することはできません。でも、ごみは指定袋を使わずに(料金を払わない)捨てようと思えばできてしまう。
そういったごみは、回収されず道路や歩道に放置されます。その始末に振り回されるのは、料金を払ってる住民です。


ごみ有料化の料金を市が回収できない 

◆杉本啓子 議員
 ごみの有料化では、一般家庭の出すごみ、事業者の出すごみ、それぞれに応じた料金を支払う。また、ごみを出す量に応じて料金を支払う「受益者負担」で実施されている。公共施設の駐車場やスポーツ施設、会議室なども、すでに受益者負担として有料化になっているが、料金を支払わないで利用することはできないシステムになっている。料金を払わず市民が利用を続けたとしたら、強制的に料金を徴収されたり、利用停止にされたり、何らかの法的なペナルティーさえ受けると思う。

 ところが、ごみの有料化については、料金を支払わなくても不適切に出せてしまう状態になっている。ペナルティーが発生するわけでもないし、自治会が設置したごみ集積所などに、不適切なごみを放り込むなどすればお金を払わなくても済んでしまう。

 ごみの有料化に関しては受益者負担と言いながら、市が料金を適切に回収できていないし、回収できるシステムもない。きちんと料金を支払っている市民は納得がいかない。市としては、料金を適切に回収できていない、料金未納でも済んでしまう現状をどのように考えているのかを伺う。
 
◎佐藤光 市長  
 令和4年4月から実施しているごみ有料化については、家庭系ごみが12月末までの9か月間の比較で見ると、前年比で16.7%減少するなど、ごみの減量効果が確認できている。また、指定袋を使用していないごみについても、当初は多かったものの、その後の周知啓発により減少傾向となっている。 
 しかしながら、いまだ指定袋を使用していないごみが出されている現状があり、明らかに故意に違反している事例については、厳格に対応している。引き続き周知啓発を強化していくほか、さらなる改善が見込める策を講じていく。

対策として戸別収集が必要では?

◆杉本啓子 議員
 料金を回収できていないことへの市の対策について伺う。
 茅ヶ崎市のごみ有料化は、現状として料金を適切に回収できていない。市民への公平性のためにも対策は必要になる。時間をかけた啓発や指導も必要だが、特に人が多く集まる繁華街のエリアなどは、いたちごっこの状態で、らちが明かず切りがない。適切に料金を回収するための対策としては、戸別収集の実施を地域的に行う必要性があると考える。市として適切な料金回収ができる具体的な対策方法を質問する。
    
◎佐藤光 市長 
 戸別収集については、ステーション収集とは異なり、各玄関先からごみを収集することとなるため、誰がごみを出したか明らかになることとなり、ごみ出しのルールやマナーの改善が図られる有効な施策であると認識している。戸別収集の実施については、本市の財政状況やごみ有料化に伴うごみ減量化の進捗状況を踏まえながら調査研究を進めていく。

回収されないごみは放置される

◆杉本啓子 議員 
 適切に出されなかったごみは、ごみ回収車に回収されずに放置される。
市としては、「料金を払っていない以上はあくまで回収しない」という方針で、これは理解できるが、現実には回収されないごみが、まちのあちこちに放置されて積もっていくことになる。

 景観的にも衛生的にも問題が発生するし、ごみ集積所が家の前の人など365日ごみが放置されてたまったものではない。やむなく市が回収することになるが、それは同時に料金を支払わないことを市が認めるというジレンマにもなる。

 住民はいつまで「啓発という名のごみ放置」に付き合わされるのか。もう面倒くさいので、自腹で有料ごみ袋に放置されたごみを入れて回収してもらう。そういうケースも多い。こうして他人が有料化の料金を肩代わりしたり、あるいは市に回収してもらうために絶えず連絡する必要が出てきている。そういう状態を茅ヶ崎市がおかしいと思っていないのがおかしい。

 早急に料金を回収する対策を市が取れない責任は、市民がかぶって負担している。それに、ごみ集積所という名前はついているけれども、実際には道路や歩道に、啓発だからと市がごみを放置していることになる。市はいつまでにこの問題を解決するのか?

◎重田康志 環境部長  
 指定袋を使用せずに不適正に出されたごみについては、収集しないこととしているが、衛生上の問題などでお困りの際には、環境事業センターの地区担当職員にご相談いただき、それぞれの実情に沿った対応をさせていただいている。

 悪質なものについては、事務所に持ち帰った上で、排出者を特定するための開封調査を行い、排出者に直接指導等の措置を行わせていただいている。引き続き適切な費用負担をしていただくよう、周知啓発、指導に取り組んでいく。


◆杉本啓子 議員 
 具体的な対策というのは、ほとんど回答の中に示されていないし、いつまでにこういった問題を市として解決していくのかという時期についても、回答は出てきていない。市民が、住民が求めている回答というのは、市としてこの問題を本気で、一体どうやって解決してもらえるのか?という部分だと思う。この部分について、いま一度明確な回答をお願いする。

◎重田康志 環境部長  
 不適正な排出、これは大きな課題だともちろん承知している。有料化を実施している自治体においても、この不適正排出はゼロになっていない。対応に苦慮していると聞いている。また、先ほども答弁したが、不適正排出されたものを場合によっては開封調査をして、こういうことが次に起こらないようにと様々な工夫をしている。

 今まですでに有料化を実施している自治体も対応に苦慮している、職員は日々努力しているという中で、いつまでに解決するのかということに対しては、なかなかお答えすることは難しい。引き続き不適正排出がゼロになるよう周知啓発、指導に取り組んでいく。

※すでに対応として「戸別収集」に踏み切っている自治体もある
 

繁華街エリアではいたちごっこ、らちが明かない

◆杉本啓子 議員  
 今回の質問の趣旨は、不適正に出されたごみというのはイコール、市が受益者負担と言いながら、料金を回収できていない状態にあるということ。受益者負担でありながら、料金を回収できないということがあっていいのか、というのは大きな問題としてあると思う。この点についてどのように考えているのかを伺う。

◎重田康志 環境部長  
 議員がおっしゃるとおり、不適正排出は市としてあってはいけないことだと認識している。この不適正排出されたもの、例えば有料袋を使わないで出されたものに関しては、先ほども答弁したとおり、悪質なものについては事務所に持ち帰った上で排出者を特定するための開封調査を行い、排出者に直接指導等の措置を行わせていただいている。この直接指導をすることによって、今度はきちんと法に沿った、また、排出物によっては事業系になるのか、家庭系になるのか、ルールにのっとった形になる。これが受益者負担の形になると思う。もちろん先ほど答弁したとおり、不適正な排出はあってはいけないということは十分認識している。

◆杉本啓子 議員
 例えば住宅街であれば、今のような啓発によって不適切な排出が少なくなっていくと思われるが、人が多く集まる繁華街エリア、こういったエリアに関してはもう本当にいたちごっこの状態で、啓発してもしても、また期間が空けば同じ状態が繰り返されたりとか、らちが明かない、切りがない状態になっている。

 市は適切に料金を回収する責任が、受益者負担として有料化している限り生じていると思う。特にこういったエリアに関して、啓発というだけで本当に解決できると考えているのか。もしそうであればとっくに解決している問題だと思う。でも、実際いつまでたってもいたちごっこで解決していない。このあたりはどのような具体的な対策方法を考えられているのか?

◎重田康志 環境部長  
 繁華街という話をいただいたが、繁華街だけでなく、これは市全体の話と考えている。先ほどから答弁しているとおり、適切な費用負担をしていただくよう、周知啓発も含めて指導等に取り組んでいく。 

 
◆杉本啓子 議員
 質問自体がいたちごっこになってしまうが、周知啓発で解決できない、だから住民のほうから「どうにかしていただきたい」「市にもう早急に解決していただきたい」という希望が出てきている。周知啓発ですでに解決が見られているのであれば、駅前に放置ごみがいつまでも置かれている状態はないはず。
でもやっぱり駅前を通るたびに、歩道にいつも回収されないごみが並べられている状態。この状態を啓発だけで本当に解決できるのか、実際できていないと思う。そのあたりを本当にどういった対策で解決されようとしているのか?

◎重田康志 環境部長  
 先ほどの前問でもお答えしたが、周知啓発だけではなくて、実際に指導を行っていく。また、不適正排出についての指導も、実際には駅前の部分に関しては、不適正排出についての開封調査等も場合によっては必要かもしれない。
特に周知啓発だけで今進めているわけではなくて、様々な手法を取りながら少しでも減らしていく、そして最終的にはゼロにする、このような努力を職員はしている。ぜひ御理解をいただければと思う。

(2023/3月議会)