茅ヶ崎市 未だかつてない財政危機に! 

現実のものとなった財政難

令和2年1月、市は「茅ヶ崎市財政健全化緊急対策(素案)」を発表しました。

市は「財政状態は健全だ」と説明してきましたが、私は4年ほど前から、このままの財政運営を続けていたら、茅ヶ崎市は必ず財政危機を迎えると、「Stop the ハコモノ行政!」などで警鐘を鳴らしてきました。

もっと前に市と議会が対策を打ち出していたら・・・ここまでの財政難にならなかったはずです。

これから借金の返済が急増する!

この先、茅ヶ崎市ではどのような財政状況になっていくのでしょうか?

まず目をひくのが、

公債費(借金の返済額)の急増 です。

具体的には、年間の借金の返済額が今までの43億円から60億円に大幅に増加し、高止まりのままこの先10年間返済していくことになります。 

普通建設費で使ってしまったお金は、当たり前ですが返さねばならないのです。


財源が大幅に足りない!

茅ヶ崎市は企業の少ない住宅地です。

市税のほとんどは市民税で、法人税は僅か。これからも市税収入が大幅に増えることは期待できません。

さらに、新型コロナウイルス感染の経済への影響で、市税収入のダウンは確実になります。

収入は増えないのに、これから借金の返済額が急増することになります。

今までと同じお金の使い方では、やりくり出来ず、財源は毎年30億円から55億円が不足する状態が続いていきます。 

このままの財政運営を続けていくなら、仮に建設費を毎年5億円ほどに押さえたとしても、茅ヶ崎市は深刻な財源不足となり、新規の事業はもちろん、今ある事業を継続することも困難になっていきます。(実際は、建設費を年間5億円に押さえるのは不可能です。)

建設費が増加させた借金

そもそも、何で借金がここまで増加したのでしょうか・・・?

確かに、ここ10年間で扶助費(子育て支援、生活保護費、社会福祉費など)は急増しています。でも、これは全国的にどの自治体でも同じ状態で、茅ヶ崎市に限ったことではなく、増加の予想もつくことです。

では、茅ヶ崎市特有の借金の増加原因は何でしょうか?

普通建設事業費」です。

普通建設事業費は、平成25年に50億円だったものが、平成30年には106億円と倍額になっています。  

いわゆるハコモノ建設の財源となるのは市債です。

公共施設の建設が増えれば、市債(借金)の発行額が増える。

そして、借金が増えれば、当然に、借金返済のお金(公債費)も増えます。

数年前から、借金返済額が増えると分かっていながら、なお危機感なく続けてきた建設事業、その借金の返済がこれから本格化していきます。

使ってしまったお金は返さねばならないのです。

さらに、ハコモノが増えれば、それを維持管理するためのお金(物件費)も増えます。

優先順位をどうつけるのか?

では、茅ヶ崎市はどうやってこの財政危機に対処しようとしているのでしょうか?

「既存の事業について、聖域を設けず、休廃止を含めたゼロベースでの見直しを行う」

市は、聖域を設けない見直しを基本方針としています。

いったん、すべてをゼロベースに戻して、そこから必要なものをピックアップしていく、としています。

本当に必要な補助金は?

さらに、補助費も、平成23年の37億円から、平成30年には77億円と倍増しています。補助金は、厳しく見直さねばどうにもならないところに膨れ上がっています。

市単独で実施している補助金については、廃止、休止または削減する、新規の補助金は認めない、補正予算での対応は認めない、としています。

補助金が倍増した要因は、保育園の待機児童対策による増加などありますが、ホノルル姉妹都市関連、まちぢから協議会への補助金など、いったん出したものについて、聖域を設けずゼロベース見直しできるのか疑問です。 

また、他市にくらべて大幅に立ち遅れている「みどりの保全」については、例えば保存樹林への補助金などを安易にカットすると、市街地のみどりが一気に減っていくことになりかねません。どの補助金をカットするかは、職員の適切な判断が必須となります。

市立病院をどう立て直すのか?

3年連続で10億円の赤字決算となり、手元資金も底をつきそうになり、民間でいえば 破産寸前の状態にある茅ヶ崎市立病院。

公立病院の使命となる、「周産期医療」や「小児医療」「救急医療」など不採算部門については、一般会計から負担金を支出しています。

しかし、ここ5年で、大幅に手を広げて投資した金額が収入に結びついていないことなどから、令和元年9月に「茅ヶ崎市立病院リバイバル・ロードマップ」が発表され、経営改善に取り組んでいる最中です。

ところが、取り組みの最中に、新型コロナウイルス感染という想定外の事態が起こり、市立病院の経営にさらに影響が出ています。国からどの程度の空床補償が出るのかなど、経営収支の先行きが見えない状態で、「市立病院リバイバル・ロードマップ」は吹き飛んでしまった感があります。

いずれにしても、茅ヶ崎市の財政運営はコロナ感染前から未だかつてない危機だったことに加えて、コロナ感染の影響が加わり、先が読めない状態が続いています。


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