6/26 一般質問「中学校給食の実施方式について」

質問への答えになっていない回答

全体的に、質問への答えになっていない回答がほとんどです。

それは答えになっていませんと、私がさらに質問を重ねればよいのですが、今回、6月議会の一般質問は、コロナウイルス感染対策として、一般質問の出来る議員人数を大幅に減らしました。(28名中10名)

そのため、一つ一つの項目を掘り下げて質問する時間も大幅に減っています。

コロナウイルス感染対策として、行政側の負担を軽減するという理由から、議会が自ら一般質問を制限するのは情けない話です。


中学校給食の実施方式について  

(1)実施方式の検討における市民参加について  

◆杉本啓子 議員
 茅ヶ崎市の中学校給食の検討会議は、市民からの委員が一人も入らずに話し合われ、会議録は公開されていなかったため市民は状況が分からなかった。

市民抜きでの中学校給食の検討会議が進められていた。

アンケート調査は一部の生徒と保護者に一回のみで、パブコメ説明会に参加した市民はわずか数名、他市の自治体と比較しても市民参加や情報共有が不十分な状態であり、なぜこのような検討会議となったのか?

 
竹内教育長:
 学校給食法第4条に「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない」と規程されていて、行政として学校給食を実施する努力義務が課されている。

このことから、検討会議は庁内の関係部局の代表にて、また、検討会議内の組織である作業部会については、教育委員会の関係各課と市立小・中学校の校長、市立中学校の教頭・教諭・養護教諭、市立小学校の栄養士の代表にて構成し、学校給食の実施方式や提供方法、その他中学校給食のあり方について調査検討してきた。

調査検討の内容としては、それぞれの手法のメリット、デメリットを検討するため、概算費用、各中学校の状況や対応の可能性、市内中学生への公平性、今後の生徒数の推移、市の財政状況、民間事業者の状況、先行自治体の状況などの情報を収集、分析することであるため、まずは行政職員と学校給食に関する豊かな経験と専門性を有する教職員でしっかりと調査、検討することで、目的が達成できるものと考えている。

また、中学校給食実施に向けて、市民の方々の意見は重要と考えていることから、児童・生徒やその保護者へのアンケート、地域での説明会及びパブリック・コメントといった市民参加の手法を実施するなかで、市民参加や情報共有を行い、茅ヶ崎市立中学校給食の実施方式のあり方へ反映させてきた。


◆杉本啓子 議員
 パブリックコメントには、「デリバリー方式でほんとうに大丈夫なのか?」という市民からの不安や疑問、反対の声が数多く寄せられている。
また、「アンケートに実施方式への質問がなかったのはなぜか?」という声もある。

本来は、パブリックコメントを行う前の段階で、このような市民からの意見や疑問にたいして、十分な意見交換がなされていなければならないと考える。

今回、パブリックコメントの集計結果と中学校給食実施方式のあり方の発表が同じ日に行われている。パブリックコメントに寄せられた市民の意見は、どう検討し、市民の納得と理解が得られているものとして実施方式に反映したのか、を質問する。

竹内教育長
 令和2年1月15日から2月13日までの期間で実施した茅ヶ崎市立中学校給食の実施方式のあり方(素案)についてのパブリックコメントには、138名という多くの方に意見を頂いた。

中学校給食の早期実施を望む声や、実施方式に関して自校方式とデリバリー方式の2案を望む声が多かった一方で、デリバリー方式の安全性への不安や適正な栄養の確保など、導入に向けて慎重な意見も頂いた。

市としては、中学校給食の早期実現に向けて、今後、本市が目指すデリバリー方式による学校給食の内容を丁寧に説明することで、多くの懸念や不安が解消され、ご理解をいただけるよう努力していく。

用地取得は市民にどう説明したのか?

◆杉本啓子 議員
 実施方式のあり方の素案を見ると、デリバリー方式については、「民間事業者の調理施設を活用するため、市が整備する必要がない」と書いてあるページがある一方で、「民間事業者の工場建設用地の確保が課題」と書いてあるページがある。さらに、「工場を改修すれば比較的短期間で給食の提供を可能とする民間業者や、新たに用地を確保して工場を新設すれば事業への参入を検討中の業者がいる」と書かれているページもある。

この書き方は市民も混乱する。デリバリー方式はすぐ実施に移れると思う市民もいれば、事業者も、工場建設用地もこれから探すと理解する市民もいる。

いったい、用地取得について、市民にどのように説明してきて、共通理解を得て、パブリックコメントを行ったのか? 

前田教育総務部長
 茅ヶ崎市中学校給食の実施方式のあり方(素案)において、検討する給食実施方式を検討するにあたり、各実施方式にかかわる一般的な特徴として、デリバリー方式における施設整備、管理の特徴の一つとして、民間事業者の調理施設の活用をするため、市が整備する必要がないとして整理した。

また、茅ヶ崎市中学校給食検討会議において、本市に適した実施方式のあり方の検討を進める過程において、民間事業者へのヒアリング等を実施したところ、本市近郊に保有する工場を改修することにより、比較的短期間で学校給食を提供可能とする事業者や、新たに用地を確保し、工場を新設することにより、本事業への参入を検討中の事業者が存在していることが分かった。

 運営業務委託において、民間事業者を募集するにあたって今後調理施設を整備する用地を確保することを条件とする、または市が用地を確保して民間事業者に事業用定期借地等で貸し付けをすることを条件にするなど、事業用地については、中学校給食を実施していく上での重要な課題と認識している。こうした様々な状況を踏まえたうえでパブリックコメントを実施したところであり、今後、運営事業委託に係わる仕様や契約条件等の検討を進めていく。

 
(2)中学校給食の実施方式のあり方(素案)決定時の過程について  

◆杉本啓子 議員
 茅ヶ崎市中学校給食検討会議の議事録について質問する。
「実施方式のあり方」の素案決定時の、庁内における議論内容や意思決定する過程の記録が不明瞭である。
市民との話し合いの場も十分に設けられないまま、あまりに早急に方式決定が行われた、と考えるが、その理由を質問する。

竹内教育長
 茅ヶ崎市立中学校給食の実施方式のあり方(素案)については、中学校給食検討会議及び作業部会での検討をはじめ、政策会議などの庁議、教育委員会定例会や市議会全員協議会を経た上で、一定の方向性を示し、それらの内容についても会議の記録を作成している。

 検討の過程においては、給食導入によって生じる学校運営上の課題や配膳室の整備について、市立小・中学校との協議及び意見交換を行ってきた。
また、中学校の給食に関する意見や考え方、給食を実施した場合に期待されることなどを把握する目的で、市立小学校19校の6年生全児童とその保護者、市立中学校13校の2年生全生徒とその保護者に対してアンケート調査を実施するとともに、市民との話し合いの場として地域での説明会を実施し、中学校給食のあり方の検討を進めてきた。このような過程を踏まえ、スピード感を持ちながら、慎重に剪定を進めてきた。

⇨ その作成した会議の記録に透明性がなく、指摘されるまで非公開だった。地域での説明会への参加者は、1人しか市民が参加しなかった会場もある。それで十分に話し合ったとしている。(杉本)


(3)市の負担予定額について 

◆杉本啓子 議員
 完全民間委託のデリバリー方式の総事業費について、市は委託料の一部として初期整備費、維持管理運営費を負担することになっている。
民間事業者が新たに調理施設を建設することを前提とした委託費の算出としているが、状況によって市の負担予定額は変動する。具体的に、どの程度まで負担予定額は変動すると想定しているのか質問する。

竹内教育長
 本年3月に策定した茅ヶ崎市中学校給食の実施方式のあり方において、自校方式、兄弟方式、親子方式、センター方式、デリバリー方式の5つの給食実施方式について、物理的に実施できる可能性のあるなしに限らず、維持管理運営期間を30年間と規程し、総事業費の概算金額を算出した。

総事業費の算定にあたっては、各実施方式により、費用の内訳に差はあるが、初期整備費用及び維持管理運営費用について積算をおこなっており、初期整備費用には、給食室や配膳室の設計や整備にかかる費用を算定し、維持管理運営費用には、厨房機器修繕、更新費や調理業務費などを算定した。

茅ヶ崎市中学校給食の実施方式のあり方において、本市に適した実施方式のあり方として整理したデリバリー方式については、完全民間委託で行うことを想定しており、調理など業務を委託した民間事業者が、自社の整備を利用して調理等を行うこととなる。そのため、委託料の一部として、初期整備費用と維持管理費用を間接的に負担することになる。 

その費用については、事業用地費用は考慮せず、民間事業者が新たに配送可能範囲に調理施設を建設することを想定し、一般的な条件のもとで取得した業者見積もりを参考として費用の算定を行ってきた。

運営業務委託の仕様や契約条件により、事業費は変動するものと承知しているが、今後、民間事業者に対するヒアリング等をすすめるなかで精査を行っていく。

60%の喫食率でコスト試算しているが、実際の喫食率はもっと低い

◆杉本啓子 議員
 また、デリバリー方式について、60%の喫食率の仮定のみでコスト試算しているが、喫食率によって委託コストに変動が生じることを考えれば、20%~80%まで利用の幅を持たせた喫食率の検討が必要になる。今回、喫食率60%での試算のみで十分と考えているのかを質問する。

竹内教育長
 中学校給食の様々な実施方式を比較するなかで、生徒全員が栄養バランスのよい昼食をとることができることや、食育という観点などから、全員喫食を前提として事業費の試算を行い、検討を進めてきた。

しかしながら、食物アレルギー等の対応を必要とする生徒への配慮が必要なこと、成長期である中学生の昼食量の過不足が課題であること、アンケート結果から得られた家庭弁当を食べたい児童・生徒への対応等が容易になることから、本市では家庭用弁当との併用とする選択制が望ましいとして、近隣市町村の実績等により、6割喫食の事業費の算出を併せて行った。

今後、事業への参画が期待される民間事業者に対するヒアリング等を行い、実際の喫食率が委託料に対してどのような影響を与えるのか検証を進めながら、運営事業委託にかかる仕様や契約条件等の整理を進めていく。また、給食の実施にかかる検討を進めていくにあたって、利用見込みを把握するための調査を丁寧に進め、喫食率の算定を着実に行い、事業規模の精査を行っていく。


(4)中学校給食の実施のための予算について 

◆杉本啓子 議員
 新型コロナウイルスの影響もあり、市の財政は未だかつてない厳しい状況になると予想される。
大切なのは、子どもたちに「安全で美味しい給食」を確実に提供できること
安かろう、まずかろうではなく、この先、「安全で美味しい給食」を提供するに十分な予算を具体的にどう捻出し、確保していくのかを質問する。  

竹内教育長
 中学校給食の実施に伴う財政的なインパクトは大きいものと認識している。
今般の新型コロナウイルスの影響を受け、歳入のうち市税等については景気の落ち込みによる影響や、市税の徴収猶予等により、大幅な減収が見込まれており、その影響額は未曾有のレベルであるとともに、影響を及ぼす期間は、令和2年度にとどまらず、今後長きにわたって相当の影響を及ぼすものと予想している。

そうしたなかでの新規事業としての中学校給食の実施に向けては、既存の事務事業に固執することなく、緊急度や優先度を踏まえた事業採択を徹底することで、事業の取捨選択を行いながら検討していく。

また、特定財源の確保策としても、国、県への財政支援を求めるなかで、令和2年度県の施策・制度・予算に関する要望として、中学校給食導入促進事業補助制度の創設を神奈川県へ要望した。今後もこのような国、県への働きかけを継続して行うとともに、本市としても様々な事業の優先順位を考慮しながら、財政確保に努めていく。