12/20 一般質問「 市民ギャラリー、市民窓口センター」について

市民ギャラリー、茅ヶ崎駅前市民窓口センター、萩園市民窓口センターの廃止について、パブリックコメント、陳情、オープンハウスに寄せられた市民からの意見に対する市の考え方や、その後の状況などを質問した。

※市長は「市民の皆様から御意見を伺うなど、丁寧に対応していく必要がある」と回答しているのに、あくまで市民の意見を突っぱねる村上部長の回答は理解出来ない。



各施設それぞれに丁寧に対応する

◆杉本啓子 議員
 まず、「市民ギャラリー」と「市民窓口センター」という市民にとって、利用目的も使い方も立地条件も全く異なるものを一緒にして、廃止と利活用の素案を出してきた時点で、相当に乱暴でおかしい。
 パブリックコメントでも、「市民ギャラリーと市民窓口センターを同じパブコメで扱うのはおかしい」という意見が来ている。素案に寄せられた市民の意見も、全てひっくるめてではなく、市民ギャラリー、駅前市民窓口センター、萩園市民窓口センターと一つ一つに分けて考えるべき、の意見がほとんど。

 この先も全て一緒にしたまま強引に推し進めるのか、それとも丁寧に市民からの意見に沿えるように、一つ一つを別に分けて検討していくのか、市の考え方、方向性を伺う。 

◎佐藤光 市長 

 本取組については、市民ギャラリー、茅ヶ崎駅前市民窓口センター及び萩園市民窓口センターの3施設を廃止し、利活用することについての一括した提案とした。また、本年11月に実施したオープンハウスも、一括して御意見を伺っている。パブリックコメント等により、各施設の設置場所や施設用途などに応じた様々な御意見をいただいていることから、今後は、各施設それぞれに市民の皆様から御意見を伺うなど、丁寧に対応していく必要があると考えている。

市民ギャラリー廃止理由への強い違和感

◆杉本啓子 議員
 市民ギャラリーの廃止理由に対して、市民から非常に多くの意見が来ている。陳情でも「最も衝撃を受けたのは、廃止理由の2つ目。市民ギャラリーには類似機能を有する施設が存在し、廃止後の影響が比較的少ないと行政が考えている点」としている。

 パブリックコメント、陳情、オープンハウスの全てで、「アトリエの代替となる施設は近隣にない」という市民からの意見が圧倒的。展示室についても同様で、代替はない。設備や機能の面から見ても、「特に高齢者にとって来やすい駅前の立地から見ても代替はない、ほかに移れと言われても探してもない」というのが利用者の圧倒的な意見です。

 私も前回の一般質問で聞いたように、自分の経験や専門性から判断しても、代替機能を持つほかの場所はない。市民は「代替機能を持ち、高齢でも来やすい場所はほかにない」、という事実を語っている。市はこの事実を認めずに、近隣に類似機能を有する施設が存在する、とあくまでも主張するのか、市はどう考えているのかを伺う。

◎村上穰介 文化生涯学習部長 
 類似機能を有する施設については、駅に近い市民ギャラリーから半径600メートル圏内の展示機能やアトリエ機能等を有する施設を紹介させていただいている。展示室は、絵画等の展示ができる施設として、主に市民文化会館の展示室。創作室は、絵画、工作等ができる施設として美術館のアトリエ。会議室は近隣の会議室を御案内している。一部の利用者の方から、類似機能を有する施設では対応が難しいという御意見をいただいている。御意見を踏まえながら、今後の対応を検討している状況にある。


◆杉本啓子 議員
 もう1点、市民ギャラリーの廃止理由として、「文化施設を集約することで得られる効果により、市民の文化活動の活発化が期待されるため」としている。この廃止理由については、全く逆、という意見が市民から非常に多く来ている。私もこの廃止理由には相当の違和感を感じる。

 市民からは、「行政は文化を理解していない」「市民文化活動の活発化が期待できるどころか、衰退を招くことになる」「駅近くにあるから市民交流が豊かになっている」「金額だけでははかれない市民文化の拠点」「文化活動を営利のために切り捨てるのか」など、相当に手厳しい意見が集まっている。

 利用者からすれば、行政の根拠のない理由で、温かみのある使い勝手のよい居心地のよい場所を奪われ、追い出される感覚でもある。「利用者不在の思いやりのなさ」「空間をなぜ取り上げるのか」「どんなに寂しいことになるか」という市民の言葉にも表れている。市はどう考えているのかを伺う。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 市民ギャラリーが廃止になった場合においても、他にも市民文化会館をはじめとして、文化振興を図る施設は市内に多く存在している。また市民文化会館への集約については、多様な利用者が集結し、利用者、観覧者同士の交流が活発になるなど、様々な効果があるものと見込んでいる。市民文化会館をはじめとした市内の様々な施設の有効活用を図り、市民の創作や発表の場を継続して提供していくことで文化振興を図っていく。

※市長は「市民の皆様から御意見を伺うなど、丁寧に対応していく必要がある」と回答しているのに、あくまで市民の意見を突っぱねる村上部長の回答は理解出来ない。
 

◆杉本啓子 議員
 その「文化施設を集約することで得られる効果により、市民の文化活動の活発化が期待される」と見込んでいる、この考え方に非常に違和感を感じるという市民の意見が多く集まっている。それに対して市はどう思っているのかを質問した。今の回答では違うと思うので、再度質問する。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 ギャラリーの廃止については、様々な意見をいただいている。廃止に反対の意見もあれば、廃止やむなしという容認の意見もいただいている。様々な意見があることは承知をしている。市としては、文化施設廃止については、我々としては苦渋の選択であったと言わざるを得ないと思っている。そういう中で、類似施設への集約等をご提案申し上げている。



「市民ギャラリーアトリエ」代替えになる場所はない

利用者の意見をまったく聞かないで始まった廃止案

◆杉本啓子 議員
 今回の案件は、初めから今に至るまで、利用者市民は行政から欺かれたような思いでいっぱいなのではないか?と思う。

 出だしから、施設を利用している人たちの意見を全く聞かないで、2月に唐突に議会の全員協議会に廃止案が出てきた。その2か月以上も後になってから、(利用者意見募集を見て)初めて廃止を知った人たちが相次いだ。

その後、6月からやっとパブリックコメントが取られて、市民ギャラリーを存続させてほしいという意見が多数寄せられた。検討が必要になることから、パブコメ結果の公表が延期されている。

9月議会には、市民ギャラリー、茅ヶ崎駅前市民窓口センターの廃止に関する方針の変更を求める陳情が出された。市は廃止案を延期して、利用者の意見なども踏まえて、今後もしっかり検討するとして、陳情は継続審査となっている。このとき、パブコメにどのような意見が市民から寄せられたのか公表されず、議会にも提出されず、市民への情報の共有がないのはおかしいという指摘が市民からあって、市は公表した。

それから11月になって、オープンハウスでアンケートが取られた。職員の説明の仕方次第で、幾らでも数字の誘導ができるようなアンケートだった。そして、文化の視点が恐ろしいほど抜け落ちているひどいアンケートだったと思う。市民へ誠実な仕事をしているとはとても思えないが、市の考えを伺う。

◎青柳道文 財務部長  。
 まず、市民参加条例に基づく「パブリックコメント結果の公表」については、結果公表を行う際には、いただいた意見を踏まえた上で、市としての方針を確定する必要がある。今回の取組については、議会をはじめ、利用団体及び市民からのパブリックコメント等により、多くのまた様々な意見をいただいており、市として方針を確定してしまうには時期尚早であり、今後においても、より多くの意見をいただくことが必要であると判断したため、結果の公表については延期している。本年9月20日に、パブリックコメントにおいて市民の皆様よりいただいた意見については、法務など庁内の調整を行った上で先んじて公表を行っている。

 次に、コミュニケーション手法の一つである「オープンハウス」については、本取組についての周知を行うとともに、市民の皆様からの意見を対面にて直接お聞きするため実施した。会場には展示パネルを用い、職員より利活用方針の内容を分かりやすく説明した上で、市民の意見を伺っているので、意図的にアンケートの回答を誘導したものとは考えていないが、今後、同様な手法で実施する場合には、そのような疑念を持たれることのないよう慎重に対応する必要があると考えている。また一方で、今回実施したオープンハウスの結果のみで、最終判断を行うことはないが、オープンハウスの本来の目的である本取組の情報を広く提供することや、市政の関心層を広げる機会となったことなど、今後取組を進めていく上では一定の意義があったものと考えている。

市民文化会館の会議室をアトリエに改修する?

◆杉本啓子 議員
 今現在の状況は、利用者から寄せられた意見も踏まえて検討している最中で、まだ何も市民には公表されていない。それでありながら、市民文化会館3階の会議室をアトリエとしても使えるように改修する、という案が非公開で出てきている。これはどの担当課から、どういう庁内の話合いで出てきて、何をどう説明したのかなど、一連の経緯を質問する。

◎村上穰介 文化生涯学習部長 
 市民文化会館の会議室の改修案については、文化生涯学習課において、「市民ギャラリーの創作室の代替施設が不十分である」という利用者からの意見に対応する選択肢の一つとして検討している。

 市民ギャラリーの創作室に近い広さがあって、利用料金も同程度の市民文化会館の会議室を改修することで、会議室の機能に創作室の機能を加えて、市民ギャラリーで会議室を利用していた方だけでなく、創作室を利用されていた方など幅広い利用者に対応できるのではないかと考えて、現在検討している。

 現在、検討段階であるが、まずは創作室を日常的に利用され、その希少性について以前より意見をいただいている団体の方に説明を行い、意見を伺った。また、既にお示ししている類似機能を有する施設で活動を継続しようと計画されている利用団体もあるとお聞きしている。改修の検討や利用団体への説明は、文化生涯学習課が行っているが、一連の対応については、市民ギャラリーの廃止、利活用について共に検討している財務部の資産経営課とは情報共有を行いながら進めている。今後も、他の利用者の声もお聞きしながら、市民文化会館の改修も含め柔軟な対応を検討していく。

 
◆杉本啓子 議員
 市民団体に説明して、どのような返事だったのか。そして、この時点で、なぜほかの利用団体にも同時に説明しないのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 市民団体から返事は、様々なものをいただいている。先ほど申したが、反対の意見もいただいているし、廃止やむなしという意見もいただいていると、様々な意見をいただいている。特定の団体に限って意見をお聞きしているということではなく、利用団体からも意見をお聞きしているし、そうでなくても広く多くの方から意見をお聞きして、少なくとも廃止に伴う影響が少しでもなくなるように、代替の手段が取れないかということで意見をお聞きして、検討を進めている。

※どうして、回答になっていない回答ばかりをするのか。これは市民への回答姿勢でもある。

◆杉本啓子 議員
 この件については、記録が取られているのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 記録があるかどうか、今ちょっと分かりかねる。 

◆杉本啓子 議員
 もう一度、話を整理するが、この時点で、改修案についてほかの利用団体、何団体に説明したのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長
 今、手元に細かい資料がないので、具体的な数字等については、この場でのお答えはいたしかねる。

◆杉本啓子 議員
 この改修案を、パブコメで意見をいただいた方とか、それから5月に個別にヒアリングをした利用者の団体に、公平に、オープンに、こういった改修案が出ていますということは、今の時点で伝えているのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 利用団体の方から意見をお聞きしているという報告は受けている。そして、具体案をまだお話しする状況にないので、意見をお聞きした中で、どういう対応をしていくのが望ましいかというのを検討している段階にある。

◆杉本啓子 議員
 市は、利用者の意見なども踏まえて、今後もしっかり検討するとしているが、それがこのやり方なのかと疑問に思う。今の時点では、市民から来たいろいろな意見に対して検討が必要なので、パブコメの結果の発表を延期している。そういう中で、生涯学習課が市民文化会館の会議室を改修する案をつくっているなら、公平にほかの団体にも案をオープンにして、一斉に聞き取りをするのが当然と思う。今のやり方は、手順としておかしい。利用者全体との情報の共有がなく、また市民を欺くようなやり方になってしまうと思うが市の考えを伺う。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 先ほど答弁したとおり、まだはっきりとお示しできる状態ではないので、お示しできていない。

改修案は場あたり的な発想

◆杉本啓子 議員
 今回の改修案というのは、市民文化会館3階の会議室、第3と第4の壁を取り払って使う、スポットライトと流し台を設置する、床のじゅうたんを別の素材に張り替えるというような改修になっている。

 実際に会議室を見てきたが、机と椅子が多数置いてあり、端に寄せないとアトリエとして使えない。それと、モデルさんのスペースをつくるなどすると、市民ギャラリーに比べると、やはり広さとしては狭い。高齢の方にとっては、駅前から道具を持って移動する距離も大変になる。一度、職員の方、道具を持って、実際に歩いてみてください。

 それに加えて、机の数が相当にあるので、それを畳んで端に寄せて、また元に戻すという作業は、高齢の方に負担になる。そんな負担を押しつけて部屋を使わせること自体が、考え方が間違っている。それに会議室の予約と競合しての予約の取り合いにもなる。

会議室としてつくられたものは、あくまで機能は会議室です。スポットライトと流し台を設置しても、あの部屋で絵を描く気にはなれない。絵を描くということを甘く見ているんじゃないか。改修費用があるなら、市民ギャラリーの修繕に回すべきでしょう。

 茅ヶ崎市はどうして場当たり的な中途半端なことばかりをするのか、発想が貧弱というか、文化はもっと心豊かなゆったりしたものです。市はどう考えているのかを伺う。

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 これはもちろん確定のものではないが、会議室の一つの改修の案として、スポットライトを増設したり、流し場等を増設したりということにより、より使い道の幅が広がるのかなというのは、アイデアとして持っている。

若干、市民ギャラリーの創作室よりも狭くなるが、以前までお示ししていた類似機能を有する施設よりも広いスペースを取ることができて、そして、建物には隣に駐車場があり、バス停も目の前にあると、交通面の利便性も確保できるのではないかと考えている。また本案は、会議室、創作室とも利用できることで、市民ギャラリーの創作室を利用されていた方だけでなく、会議室を利用されていた方も含め、幅広いご利用がいただけるのではないかということで、今検討している。

◆杉本啓子 議員 
 情報共有というのはすごく大切なことで、情報共有は仕事の前提として行わなければいけない。この改修案については非公開となっているが、どのように情報共有をしていくのか?

◎村上穰介 文化生涯学習部長  
 市民文化会館の会議室を改修するアイデア案については、先ほどもお答えしたとおり、別に隠すものでも何物でもなく、より使い勝手がよくなるにはどうしたらいいかということで、職員が一生懸命考えた中で出てきたもの。まだ予算の裏づけも当然ないし、予算は当然議決案件だが、その前段の状況でもないので、まだ積極的にお出しする状況ではないということで、まだ未確定という答えを繰り返させていただいている。ただ、何も隠したり秘密にしたりするものではなく、お問合せがあれば、当然お答えをするという、そういう段階のものだということで御理解をいただければと思う。 

 

萩園の市民窓口センターについて

◆杉本啓子 議員
 萩園市民窓口センターについても、廃止の変更を求める陳情が出されている。同じ市民窓口センターでも駅前と萩園では、あまりにも立地条件が違う。ネスパ茅ヶ崎ビルと萩園市民窓口センターの市場調査の結果を見ても、民間事業者の評価に非常に大きな開きがある。施設の廃止後にフロアに入れる施設として、駅前は診療所と調剤薬局など医療関係の提案が多いが、萩園は事務室程度で、貸付料の提示額も駅前と萩園では月額にして100万円以上の開きがある。このあまりに条件の異なる2つの窓口センターをどう整理して扱おうとしているのか、市の考えを伺う。

◎青柳道文 財務部長  
 令和2年9月に策定した市有財産利活用基本方針においては、個々の市有財産の利活用方針を検討する場合は、当該財産の市場性を判断するために市場調査を行った上で、利活用の手法、条件を決定することとしているので、個々の施設ごとで検討するものと認識をしている。 

◆杉本啓子 議員
 例えば民間事業者の提案のように、診療所と調剤薬局が駅前のネスパビルに新たに入ったとして、これが市民の利便性に貢献するものなのか。

 一般的に、特に高齢者の方などは、むしろ家の近くの診療所を利用している。駅前のネスパビルは貸付料が高額だから、市民ギャラリーなどを廃止して貸すという考え方なのか。「文化活動を営利のために切り捨てるのか」「市民の楽しみや利便性をコスト削減を理由に奪うのか」という市民からの意見も来ている。こういった意見について市の考えを伺う。

◎青柳道文 財務部長  
 ネスパ茅ヶ崎ビルの利活用については、パブリックコメントをはじめ、市議会への陳情、利用者との対話、オープンハウス等により様々な意見をいただいていると認識している。公共施設の利活用を検討する上で重要なことは、公共マネジメントの観点から広く意見を伺い、また様々な視点で総合的に検討する必要があるものと考えている。

3施設の利活用については、今後、市民の皆様からさらに意見を伺う機会を設けることはもちろんのこと、今までいただいた意見や今回行った市場調査の結果など、公共公益的な目的を踏まえながら、最終的に判断していくものと考えている。 

(2022/12月議会)