「噂の!東京マガジン」で放送された防犯灯の電気料をめぐる裁判 

2019年4月7日 (日) TBS 「噂の東京マガジン」
「前代未聞!電気代をめぐって市が自治会を訴えた! 」が放送された。
 
長年、市が団地の自治会に防犯灯の電気料金として支払っていたお金の使い道が違うと、今さらながらに市が団地の自治会に総額1900万円の返金を求めて裁判を起こしたことを取り上げている。

ツイッターなどのコメントは、『自治会 vs 行政』という構図からの意見がほとんどだが、今回、肝心なのは『議会』なんじゃないの?と思う。

そもそも茅ヶ崎市は裁判を起こせるの?

発端は自治会の総会だった。防犯灯電気料交付金の取り扱いについて住民から質問が出て、その翌日に来賓で出席していた議員と議長が市民安全部長にヒアリングした。

結局、茅ヶ崎市議会は、「裁判によって10年分の電気料の返還を自治会に求める」という市の議案を、賛成17人、反対7人(退席1人)で可決した。

この採決が取られた時、私は議員になる前だったが、そもそも茅ヶ崎市は裁判を起こせる立場にないんじゃないかと思う。

「10年分の電気料の返還を自治会に求める」といっても、何を持って市は金銭的な損害を受けたと言っているのか。 

団地の自治会の会員でない住民が、裁判や監査請求を起こすのなら分かるのだけど。

さらに市は、負担金の使い道が違うと「今判明した」「今気がついた」ように言っているけど、自治会は毎年、受け取った負担金の使い道を決算報告書で市に提出している。

自治会から市に報告は出ているわけで、「結果的にここまで気がつかなかった」「10年間気がつかずに支払ってきた」と市が言えるのかどうか。 

(ただ、自治会は電気料と分かって受け取っていて、他の用途に使っている。)

もっとも、最初から市がUR に電気料を直接支払っていれば、何も問題なかったと思う。



神奈川新聞より

反対議員の討論の文言を削除

議会では、議案の採決に先立って、「十分な議論が尽くされていない」という意見が挙がっていたが、「市と自治会の主張は平行線のままで、司法の場に委ねるべき」という理由で賛成した議員が多かった。
 
「市と自治会の主張は平行線のまま」と議員が言ってるが、市が今まで決算報告書をキチンとチェックしてきたのか、それとも長年に渡ってノーチェックだったのか、今さら支払いを求める理由は何なのか、などを調査したり、じゅうぶん議論しない状態で、「司法の場に委ねるべき」と可決したことになる。

この議案の採決に先立っては、「訴訟ではなく話し合いによる解決を図ることを求める」陳情が提出されたが、はじめから結論ありきの行政側に立った陳情審査だった。

いずれにしても「異例」ともいえる裁判を、市議会が認めたことになる。


さらに、反対議員の討論(2月28日本会議)のうち、4箇所について白川議長(公明党)主導で削除された。

『市民の中には、今般の事案について、「市は自らの失態に気づいていたけれど、今さら行政側の失態を言い出せず、一部の市議会議員をうまく利用し、議員を使い指摘させたのではないか。」という声もある。』

「時効が近いから、取りあえずきちんとした経緯の後付けはないけれど、住民を訴えよう、市民から提訴される前に先に提訴してしまおう。という場当たり主義なのか?」

「一方で、今回の件について、行政の反省についてどこにも触れていないが、長年の不作為は問われないのか?」

こういった議員の発言が、茅ヶ崎市議会では議長の主導で削除された。
 

市が今さらながらに裁判に訴えてきたのは、今年の4月で過去10年分の金額が時効になることや、そのことを住民監査請求になることをおそれて、自治会に責任を押し付けるような裁判を起こしたのではないか、とも思える。

市民安全部長は、自治会にたいして「ネコババ」と発言したそうだ。

別件だけど市の窓口で「だったら茅ヶ崎から出て行けば?」と職員から言われた市民もいる。本当に茅ヶ崎市って市民にたいして責任転嫁する。

今回、市はTBS の取材には応じなかったようだ。


カナロコの記事 
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